戸川純が蜷川さんへの想い明かす「卑屈なわたしに自信をくれた人」
『戸川純による蜷川幸雄さんへの追悼文が公開される』
5月12日、演出家の蜷川幸雄さんが肺炎による多臓器不全のため亡くなったことが報じられた。これを受け本日6月3日、歌手で女優の戸川純による蜷川さんへの追悼文がウェブサイト『ele-king』にて公開された。蜷川さんは自身が演出を務めた舞台『タンゴ・冬の終わりに』(1984年)にて戸川の楽曲『諦念プシガンガ』(1984年)『蛹虫の女』(1984年)を使用したり、2012年にトーク番組『サワコの朝』(TBS系)に出演した際に戸川の楽曲『蛹虫の女』『パンク蛹虫の女』(1984年)に感銘を受けたと発言していた。生前、ふたりは交流があったようで、追悼文では戸川による蜷川さんへの想いや思い出などが繊細に綴られている。

『ele-king』 Twitter戸川純さんによる蜷川幸雄さんへの追悼文をアップしました。ぜひ、読んで下さい。また、まだ読んでいない方にはぜひ教えてあげてください。https://t.co/4w3iEoyQiN
— ele-king (@___ele_king___)2016年6月3日
『繊細な想い綴られる「卑屈なわたしに、自信をくれた人」』
戸川は、蜷川さんについて「蜷川さんは、女優としてのわたしと、歌手としてのわたしの両方でお世話になり、卑屈なわたしに、両方の自信をくれた人」と綴っている。また、前述のテレビ番組での蜷川さんの発言について「自分で書くのは、あまりに恥ずかしい」としながら「テレビの前でわたしは涙が出るほど嬉しかった」と素直な感想を明かしている。ほかにも、2002年に亡くなった妹の京子さんが蜷川さん演出の舞台『近松心中物語』(1989年)に出演した際の出来事や、蜷川さんから語られた印象的なエピソードについてなどが丁寧に綴られている。そのエピソードひとつひとつから、蜷川さんの偉大なる活躍の裏に隠された繊細な心情が汲み取れることだろう。
今回公開されているのは前編だが、後編はどういった内容が綴られるのか、公開を待ちたい。