『フリースタイルダンジョン』漢vs晋平太が過去最高の神回と話題
審査員を降板した晋平太が登場
6月20深夜放送の『フリースタイルダンジョン』が“番組始まって以来の神回”と話題だ。「泣いた」「激アツすぎて最高」などのコメントがネット上にあふれた漢 a.k.a. GAMIと晋平太のバトル。その背景には、MC漢と晋平太の間の浅からぬ因縁があった。
3rdシーズンRec7でチャレンジャーとして登場したのは、番組開始当初は審査員として出演していた晋平太。2005年にMCバトル大会『B-BOY PARK』で優勝し注目を集め、その後『ULTIMATE MC BATTLE(UMB)』2連覇など実績は十分だったが、晋平太は突如「チャレンジャーとしてフリースタイルダンジョンに挑戦したくなっちゃったんで」と番組を降板する。そして今回、満を持しての登場となった。
しかし、晋平太を迎え撃つモンスターサイドの空気がいつもと何か違う。最初からラスボス般若が映像で登場し、おふざけなしで「俺たちオリジナルメンバーで行くわ」とサイプレス上野、MC漢、T-Pablow、R-指定、般若の5人で戦うことを宣言するなど臨戦態勢。1人目のサイプレス上野は白装束に菊の花を持参して晋平太を挑発している。
漢さんコワイ…
実は、MC漢はUMBを主催する前所属レコード会社と係争中であり、それが原因で独立して『鎖GROUP』を創設、新たなMCバトル『KING OF KINGS(KOK)』を立ち上げている。そんな中、『フリースタイルダンジョン』が始まるのだが、漢としては係争中のレコード会社に所属し、UMBでも司会を務める晋平太と仲良く共演するわけにはいかない。その両者がモンスター、審査員という立場では番組に迷惑がかかると、晋平太と直接話し合った。そこで漢は晋平太から「自分はそのレコード会社所属ではない」との言葉を受ける。それなら一緒にシーンを盛り上げていこうと約束し、番組での共演も承諾したのだ。しかし、その後晋平太は当該レコード会社所属であることが発覚。そうでありながら番組出演を続け、収録中に晋平太が漢に握手を求めるなどしてきたため、漢の怒りと不信感が爆発し、晋平太が降板せざるを得なくなったというわけだ。
結局その後、晋平太はレコード会社を移籍、UMBの司会も降りた。晋平太はバトル前の紹介VTRで「ご存知かもしれないけどいろいろあって、それでも俺もずっとHIP HOPをやっていくわけで、どっかで土を払わないといけない。そのチャンスをずっと待ってた」「俺はもう守るものもないし捨てるものもないし、言われ放題言われる覚悟もできてるし、そのかわり言ってやるぜって感じですね」と語っている。そしてサ上に続く2人目として漢が登場。因縁のバトルが始まった。
漢さんカッコイイ……
番組開始時、番組に個人的な事情を持ち込んではいけないと、“晋平太個人”であるなら受け入れようと晋平太を守ろうとしていたのが他ならぬ漢だった。漢は「ケジメつけに来たんだろ? ケリつけに」「俺と般若に嘘ついて首切られたんだよ」とディスるが、晋平太も「心と魂込めて会話しに来てんぜ」「人のリアルなんて10通りあるよ」と真っ向から向き合う。3本目、「辛かったぜ 恨みたかったぜ でもな本心で言う 漢君のこと好きだぜ 俺は嘘はついてねえ クソくらえ 俺のことが嫌いでもそれは不足はねえ」と晋平太の感情が爆発すると、「3年目だぜ 残念なだけ 懺悔はもういらねえ さっさと俺と手をつなげ」「だけどルールをちゃんと守れよ このクソが」と漢は晋平太が差し出した手を握った。
勝者は晋平太。だが勝敗に関係なくこのバトルは多くの人の胸を打ち、ジャッジだけでなく進行のUZIまでもが涙をぬぐう姿が見られた。これにはネット上でも「漢さんかっこよすぎ泣いた」「たとえ晋平太の自業自得だとしても、この状況でここに出てくることが一番しんどいはず。それでも出てきて結果を出したのは本当にすごい」「懐の深さ、本物の優しさを見せた漢と、あの立場でステージに挑んだ晋平太、両者を讃えるべき」との声があふれた。
いみじくもジャッジの1人であるいとうせいこうが「複雑なLOVEの現場」と呼んだ今回のバトル。間違いなく番組ベストバウトのひとつに数えられるだろう。