ドルヲタ&アニヲタに人気の “アクリルキーホルダー”ってどうやって作られてるの!? 製作者に話を聞いてきたっ

ニュース

[2017/7/8 13:00]

ロマンあふれるグッズ“アクリルキーホルダー”って知ってる!?

みなさんは好きなアーティストのライブに行ったときに、グッズを購入したことはありますか? 現在アーティストグッズ業界は大いに盛り上がりをみせており、普段使いもできるデザイン性の高いTシャツやタオル、はたまた老眼鏡や食品など、さまざまなアーティストが個性豊かなグッズを展開しています。なかでも、アイドル・アニメファンを中心に人気のグッズ“アクリルキーホルダー”をご存知でしょうか? 透明のアクリルに写真やイラストが印刷されキーホルダーになっている同グッズは、まるで人物やキャラクターを持ち歩いているような気分になってしまうロマンあふれる商品なのですっ。

<耳マンのそのほかの記事>

これがアクリルキーホルダーだッ! 1度は見かけたことがあるのでは……?
スタンドタイプのアクリルフィギュア。まるでそこに人物やキャラクターがいるかのようなワクワク感……

どうやって作られてるの? 気になったので製作者に話を聞いてきたっ

そんな、人々(特にヲタク)の心をグッと掴むアクリルキーホルダーは一体どのように作られているの!? 気になるッ! というわけで、今回は数々の人気アーティストやアニメなどのグッズを製作されている会社、シー・アール・エムさんに潜入し、代表の松村祐輔さんに直接お話を聞いてきましたよ!

——こんにちは! 今日はアクリルキーホルダー好きが昂じて、製作者さんにお話を聞きに来ました。御社ではどんな商品を作られているんですか?

弊社ではアクリルグッズやラバーグッズ、缶バッジ、スマホバッテリー、等身大パネルなどを製作しています。アクリルグッズはキーホルダーだけではなく、立体的なフィギュアやスマホスタンドなどもありますよ。

立体的なアクリルフィギュアは迫力満点!
ラバーのグッズはロック好きに人気ですよねぇ。キーホルダーやラバーバンドなどを展開
スマホバッテリーは最近人気の商品だそう。100グラム以下だという軽さ&名刺入れ程度の薄さは持ち運びもしやすいッ
ライブ会場などに展示されている等身大パネルや顔ハメパネルの製作も!(写真は男子プロバスケットボールの田臥勇太選手)

——そもそもこういった商品を作り始めたきっかけは何だったんですか?

もともと弊社ではインクジェットプリンターを使って広告の印刷などを行っていたんですが、ここ3年くらいでアクリルや缶バッジなどのニーズがすごく増えているということからグッズの製作にも力を入れるようになりました。印刷する対象が、紙だけではなくアクリルやラバーなどに変わっていったという感覚ですね。最初は一般の方が気軽にアクリルグッズを作れるためのWEBサービス『アクリルグッズの達人』を立ち上げたのが始まりなんです。『コミックマーケット』に出店されているサークルの方々を中心に多くのお客様が利用してくださったことから派生して、ありがたいことにアーティストやアニメ、企業などの公式グッズといった風に展開が広がっていきました。

レーザーカットや手作業も! アクリルキーホルダーができるまで♡

——ではさっそく、アクリルキーホルダーができるまでの過程を教えていただけますか?

まず必要なものは、印刷したい写真やイラストの画像データですね。アクリルなどの透明の素材に印刷するには、最初に画像を印刷して、そのあとに白版を印刷することで透けるのを防ぐんですよ。なので、印刷したい画像のデータと、同じシルエットの白版データが必要になります。

表面は色付きの印刷になっていますが……
裏面は白い印刷になっています! この2種類のデータが必要なんですねっ

——なるほど!

次に、このふたつのデータより2ミリ大きいサイズのデータ(カットパスデータ)を作ります。このカットパスデータをもとに、アクリルの形を切り抜くんです。

——ということは、印刷したい画像のデータ、それと同じ形の白版データに加えてカットパスデータの3種類が必要なんですね。これは一般の人が製作を頼むときも、自分で用意しなくてはならないんですか?

白版データとカットパスデータの作り方はYouTube動画で紹介しているのですが、それでも難しい方のために、印刷したい画像のデータをいただいて我々が白版データとカットパスデータを作るというアシストサービスも行っています。

——機械に弱い人でも安心なサービスですねっ。

アシストサービスは通常だと有償(税抜き1,500円)なんですけど、期間限定で無料キャンペーン(※)もやっています。2017年も7月25日正午まで開催しているので、もしアクリルグッズを作ってみたければチャンスですよっ!
(※キャンペーンの対象はアクリルキーホルダー、アクリルスタンドに限ります)

——宣伝もしっかり入れ込んでいただきまして……抜け目ない(笑)! それで、その3つのデータをもとにどうするんですか?

3つのデータを作ったら、工場にて印刷を開始します。A3をふたつ並べたくらいの大きなサイズのアクリル板に、何10個分もの画像データをインクジェットプリンターで印刷していきます。一般的な紙のプリンターって、紙が動くじゃないですか。このプリンターは反対で、アクリル板は動かずにプリンターのヘッドが動いていくんです。

——新鮮ですねぇ。アクリル板に印刷したあとは?

そのあとは、カットパスデータをもとに、レーザーで形をカットしていきます。カドがついたりギザギザになると触ったときに危険なためカットパスデータは必ず丸みのあるものになっていて、それに沿ってカットします。

——レーザーで切るんですか!? 近未来的!

アクリルは熱でカットできる性質があるんです。そのあとのキーホルダーの金具付けや袋詰めはすべて手作業です。

——急にアナログな作業に! 手作業もすべて工場の方が行っているんですか?

はい。これらの工程はすべて名古屋にある自社工場で行っています。金具付けや袋詰めは機械ではできないので、完成させるには人の手が必要なんですよね。このようにして、月に約3万個ほど生産しています。

両面印刷をすることも可能だそうです!

緻密で鮮やかなプリントはジャパンクオリティ! 今後はこんなグッズが流行る!?

——ほかの会社には負けないぞ!っていう、御社の製品ならではの特徴があったら教えてください!

アクリルグッズと缶バッジはすべて自社工場で自社生産をしていることですね。先述のとおりプリントも自社工場で行っているんですが、プリンターの性能が良いので印刷が鮮やかなことがウリのひとつです!

——確かに、よく見るとプリントがすごく緻密で綺麗ですね。

これがメイドインジャパンのクオリティですよ(力強く)!

——これらのグッズのなかでも今人気だったり流行っている商品ってどんなものがありますか?

缶バッジやアクリルキーホルダーでも、袋の中身が見えないようにして何が出るのかわからないガチャガチャになっているものも多いですね。ガチャガチャを開ける楽しみだったり、欲しいものを交換したりしてファン同士の交流のきかっけになったりと、エンタメ性が高いグッズになってますね。あとはアニメ・ゲームのグッズで、表側はキャラのイラストで裏にQRコードを入れたものもあります。トラッキングコードというのですが、QRコードがひとつずつ違うものになっていて、1度アクセスすると別のユーザーがアクセスできないので、ネタバレが起きないような仕組みになってるんですよ。

——いろいろな工夫がされてるんですね。今後はどんな新商品が登場しそうですか?

これは弊社スタッフのアイデアでサンプルとして作ったものなんですが……。植木鉢のなかに土を入れて、アクリルの野菜を挿すっていう。水をやらなくてもいい野菜です(笑)!

食玩やミニチュア好きの心も刺激されそうっ

——プリントがリアルで、すごく可愛いです!

これを応用してキリンやシマウマなど、リアルな動物モチーフのものもサンプルで製作しました。新しいインテリアとして飾ったら楽しめるかもしれません!

この動物たち、本物の植物に添えて飾っても可愛いでしょうねぇ……

——最近では、さまざまな背景と一緒に自分の好きなアイドルやキャラクターのアクリルキーホルダーを添えた写真を撮ってSNSにアップするという遊びも一部で流行っていますが、そういう使い方は作り手的にはどう感じますか?

流行ってますよねぇ! SNSでよく見かけます。そうやって大事に愛着を持ってグッズを使ってもらえるのは、もちろん作り手として光栄なことです! 大量に生産したグッズだとしても、その人にとっては特別なものなんですよね。そう思って使っていただけるのはとても嬉しいです。

——今日はグッズ製作者さんの貴重なお話を聞けて楽しかったです。私も、自分が持っているグッズをこれからも大切にしようと思いました!

我々はアーティストグッズやアニメ・ゲームなどのグッズを製作することが多いですが、そういうものっていうのは日本が生んだ誇るべき文化なので、これからも大事にしていきたいですよね。この先もグッズ業界はどんどん進化していくと思うので、時流に合わせてクオリティの高いものが製作できるように精進していきます!

榊ピアノ