安室ちゃんと小室さんに今こそ届けたい言葉……アロム奈美江『永遠ていう安室奈美恵なんて知らなかったよね。』第4回

連載・コラム

[2018/2/16 11:30]

安室奈美恵に命を捧げる女装ライター・アロム奈美江が、引退する安室ちゃんへの愛をつづっていく新連載!


ゲイの友人知人の多くも引退を嘆いていたわ

今日もため息の続き。ひとり街をさまよってて、エスケープを昨日からずっとしてるアロム奈美江です。

そう、読者のみなさんもご存知のとおり、安室ちゃんに続いて、小室哲哉さんまで引退を発表! これはもう、エスケープ(現実逃避)でもしなきゃ連続でやってきたツラい現実に目を向けられない!

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小室さんの不倫問題については、人によっていろんな意見があるだろうけど、私からすれば、言い方は悪いけど正直「どうでもいい話」だわ。globeファンでもあるから、もちろんKEIKOさんも可哀想な気はするけど、ふたりの関係性は複雑な現状であることは想像に難くないし、なんにせよ他所の家庭内のことは本人たちにしかわからないことがたくさんあるんだから、外野が「ひどい!」「許せない!」とかケチつけるのはお門違いだし、余計なお世話でしかないわ。

家庭内のゴタゴタは本人たちでカタをつけてもらえばいいんだけど、小室さんの音楽活動引退は、不倫問題の罰としてはあまりにも重すぎじゃない!? っていうか、まだまだ小室さんが生み出す小室サウンドを楽しみにしていたのに、そんなの困る! 絶対イヤ! というのが私の率直な意見よ。

まあ、小室さん自身が決めたこと(だよね?)なんだから仕方ないし、会見でも触れていた、小室さん自身の体力や創作力の衰えも大きな要因なんだろうから、いちファンでしかない私は唇を噛み締めてただただ従うしかないんだけど……。

小室さんが引退会見をしたその日、SNSではゲイの友人知人の多くが、引退を惜しんだり、嘆いたり、週刊文春への怒りをあらわにしていて、私も同意見なツイートばかりだったわ。小室サウンドで育った同じ世代同士、今回の小室さんの引退は理由が理由なだけに全然喜んで見送ってあげられない。

って、ここまで書いて、私、若い世代の読者さんたちが置いてきぼりになっているんではないかと不安になってきたわ……。

今年の成人式に出席した若い子ちゃんたちって、よく考えてみたら、安室ちゃんの『CAN YOU CELEBRATE?』がリリースされた年に生まれた子たちなのよね……。このコラムのタイトルも『CAN YOU CELEBRATE?』のフレーズをモジってるのに、それさえも伝わってない読者さんがいてもおかしくないってこと。なんだか小室さんが実感している老化も、他人事じゃない気がしてきたわ(笑)。

若い安室ファンの子だと、小室プロデュース時代の楽曲を聴いたことはあっても、当時をリアルには知らないでしょうね。小室さんはいわば、「歌って踊れるアイドル」としてブレイクした安室ちゃんを、「本格的なアーティスト」へ引き上げることに成功した立役者なの。

実際、当時の安室ちゃんは、レギュラー出演していた『ポンキッキーズ』や『THE夜もヒッパレ』などのバラエティ番組から徐々にフェードアウトしていき、卓越したダンススキルと歌唱力を武器に音楽活動に専念していく。

小室さんが手がけた『SWEET 19 BLUES』では、19歳だった安室ちゃんの等身大の姿を描きつつ(制作中にはまだ18歳だったのに、小室さんが間違ったというのも有名な話)、同世代の女の子(とゲイ)の代弁者にも仕立て上げた。一般的な女性アイドルとは一線を画す存在にプロデュースしていったのよね。

300万枚を突破したアルバム『SWEET 19 BLUES』を制作していた頃から、小室さん自身も「安室ちゃんをプロデュースするということは、思っていた以上に大変なプロジェクトなのかもと思い始めた」という旨のことを雑誌のインタビューで答えていたわ。

なにせ当時の小室さんは、何組ものアーティストをプロデュースしたり、楽曲提供したりしていたから、作り出す楽曲もピンからキリまでで、あからさまに手抜きした楽曲もあったんだけど(小室さん本人もテレビ番組でそれを認める発言していた。でも、そういう曲もわりと好き!)、安室ちゃんへの本腰感はすごかった!

ライブでも約15年くらいは歌っていないけれど、安室ちゃんが産休に入ってから1年後の復帰第1弾シングル『I HAVE NEVER SEEN』は、今あらためて聴くと本当に奥が深い名曲。小室さんの詞の世界観は非常に難解で、『Body Feels EXIT』とかタイトルからして意味不明なんだけど(笑)、『I HAVE NEVER SEEN』は言葉ひとつひとつがグッと来る。

見たこともない 感じたこともない二人の
孤独で力強い愛情 とてもとても感じてる

──今まで見たこともないものを見せてくれた安室ちゃんと小室さんに、逆に今こそ届けたい言葉だわ。

4年前、イベント出演されていた小室さんに直接ご挨拶した時の1枚。「私、アロム奈美江です!」にはノーコメントいただきました……

【著者紹介】

アロム奈美江●ゲイをテーマにした電子書籍ライター、ゲイ雑誌『Badi』編集者を経て、2009年にドラァグクイーンデビュー。プライベートでは、30歳から女性ホルモン投与を始め、ゲイからトランスジェンダーの領域へ転向。現在は、流しの女装パフォーマー、ホステス、MC、イベントオーガナイザーとして節操なく小銭を稼いでいる。

[アロム奈美江]