8月10日は道の日! 橋や高速道路の「カタンカタン」の音の正体に迫る

特集・インタビュー

[2020/8/10 12:00]

橋梁用伸縮装置!?

「GO TO トラベル」キャンペーンが実施されています。「コロナ禍まっただ中で遠出はちょっと……」と躊躇しつつも、せっかくの夏休みだから少しは夏気分を味わいたいというのも正直なところではないのでしょうか。その交通手段として感染リスク防止の面からクルマでの移動を考えている人も少なくないと思います。みなさんはクルマで橋や高速道路を通ったときに「カタンカタン」という音や振動を感じた経験はありませんか?

クルマで走ってると「カタンカタン」いいますよね

それは橋梁用伸縮装置というものによるらしいのです。8月10日は「道の日」とのことで、今回、そんな「カタンカタン」の正体に迫るため、橋梁用伸縮装置の製品開発から施工までを一貫して行う株式会社クリテック工業の若林勇二社長を直撃してきました。若林社長、よろしくお願いいたします!

若林社長インタビュー!

株式会社クリテック工業 若林勇二社長

――簡単に説明するならば、橋梁用伸縮装置とは一体どのようなものなのでしょうか?

橋梁用伸縮装置は温度変化による道路の伸縮を吸収する装置のことです。実は、わたしたちが普段何気なく利用する道路というのは、寒暖の差で膨張したり収縮したりします。夏は暑さで膨張し、冬は寒さで収縮する。こうした気候状況によって路面に歪みが発生すると、安全な走行に支障をきたす危険性があります。そうしたトラブルを回避するためには、歪みを吸収する遊間(隙間)というものが必要になるのです。そこに設置するのが橋梁用伸縮装置です。

――この媒体が『耳マン』ということもあって、やはり「カタンカタン」という音に関心が向くのですが、その音の発生には何か奥深い秘密があったりしませんか?

いやぁ、実は音というものはあまり出ない方がいいんです(笑)。音が出るというのは、それだけ衝撃を受けているということなんですね。つまり製品自体に負荷がかかっているということを意味します。それは耐久性の問題にも関わってきますから。

―――橋梁用伸縮装置にとって重要なのは耐久性ということなんでしょうか?

そうですね。耐久性に加え、最近のニーズでは止水性というものも求められています。橋には支承という(橋の)上部構造を支える重要な部材があるのですが、これは高価で取り換えにくいものなんですね。水が下に落ちると、支承にサビが発生してしまいます。だから支承の上部にある橋梁用伸縮装置には耐久性と止水性を兼ね備えたものが求められているのです。

橋はこうやってできている!

――橋梁用伸縮装置は全国に一体どのくらいの数が設置されているものなのでしょうか。

長さ15メートル以上の橋は全国に70万橋以上あり、1橋あたり2~3本設置されているとすると、恐らく200万箇所ぐらいはあるのではないでしょうか。しかも弊社への注文依頼の3割は新規注文です。ここ10年、その割合はほとんど変わっていません。都心部にいるとこれ以上新たに橋を作るところなんてあるの?と、あまりイメージが沸かないかもしれませんが、地方では橋や道路が足りていないところはまだまだたくさんあります。

これが橋梁用伸縮装置! 見たことありますね!

――橋って、そんなにあるのですか⁉ 橋梁用伸縮装置の形状も橋によって違ったりしているものなんでしょうか。

まず車道用と歩道用では形状が全然違います。たとえば歩道用ではハイヒールが挟まらないよう隙間は小さく、またすべらないように施されています。メーカーによっても全然違いますね。ひとくちに橋梁用伸縮装置と言っても形は本当にさまざまですから、気にして見てみると面白いと思いますよ。

――最後に御社の抱負を聞かせていただけますか?

大きな目標として掲げているのは業界シェア30%という数字です。業界大手は10~15%といったところで3、4社が拮抗しているのが現状です。その倍にあたる30%というズバ抜けた数字を目標に、業界1番を目指していきたいです。それは社員の自信や誇りにも繋がると考えています。橋は人と人を繋ぎます。これからも人と人を繋ぎ、経済を活性化するため頑張っていきます。

橋梁用伸縮装置を観察してみよう!

橋にもいろいろあり、線路だったら跨線橋、陸だったら陸橋、道を跨いだら跨道橋など、跨ぐものによって橋の呼び方が変わります。改めて、じっくりと橋を見てみるとおもしろい発見があるかもしれません。お子さんの夏休みの自由研究の課題に困ったら、橋梁用伸縮装置の観察というのはいかがでしょうか。興味を持たれた方がいましたら、ぜひともチェックしてみてくださいねッ!

若林勇二(わかばやしゆうじ)

1970年、⼭梨県甲府市⽣まれ。⼩学校から⾼校まで野球を続け、中学校からはキャッチャーとして活躍。明治⼤学法学部に進学し、刑法を学ぶ。⼤学卒業後は司法試験に10年近く挑戦するも合格できず、⼼機⼀転⼈材派遣会社で主に営業を担当。出版会社でも新会社の設⽴時の新規開拓営業、代理店統括業務などを経験。2004年、⽗親が代表取締役を務めるクリテック⼯業に⼊社。2007年、代表取締役に就任。著書に“今日から人生が変わる『社会人デビュー』の法則”がある。

株式会社クリテック工業

冒頭写真クレジット:
akizouさんによる写真ACからの写真

高山こうすけ