酒井健太(アルコ&ピース)『チャンサカの気まぐれパンチライン』第19回:SUKIYAKI
音楽好きでラッパーとしてもひっそりと活動、一部では「ラジオスター」と呼ばれていたりもする鬼才(!?)アルコ&ピース酒井健太によるフリースタイルコ・ラ・ム!(月1回更新予定だチェケラ!)
好きなんだよ! 大好きなの!
寒くなってまいりました!
ようやく冬らしくなっきたわ!
そろそろ一発家ですき焼きでもかましたいところだな。
小学生の頃、ウチの母ちゃん何かとすき焼き作ったなー。
俺もお姉ちゃんもすき焼きやるとあまりにも喜ぶから、何かとかこつけてすき焼きばっかり作ってる時期があった。
誕生日、クリスマス、入学式、卒業式、運動会。ほかにも選挙の日、春のセンバツの決勝(地元の神奈川代表が決勝行った時ときのみ)、姉ちゃんのバレーボールの練習試合の前の日。
姉ちゃんのバレーボールの練習試合の前の日にすき焼きされたときは流石に母ちゃんに言ったね。
「母ちゃん、すき焼きが普通になっちゃうから本当に特別なときにしよ」
家中の時が止まったよね。
でもバレーボールの練習試合よ。
川崎区の南部地区大会の1回戦でもすき焼きなくていいのに、練習試合よ!!
フレンドリーマッチよ!
なんで言ったのかわからんけど、俺も何か本能的に酒井家の長男としての発言なんだろうな。
このままじゃすき焼きが夜メシレギュラーに入ってくる!って危機感を感じたんだろうな。
すき焼きは日常にいてほしくない! 日常と非日常の狭間にいてほしい!
好きなんだよ!
大好きなの!
だから!!!!!
母ちゃん白滝入れながら言ったね。
「んじゃ、メシなしね」
俺どんな顔して言ったか覚えてない。
でもこんな言葉しか出てこなかった。
「う、うっそーん」
なんかわからんけど、あのあとすんげー泣いたもん。
泣いたあとのすき焼きもまぁたまらないくらい美味くて、今でもあの状況、あの味は鮮明に覚えてる。
やっぱりすき焼きは外で食うよりも家だよなー。
遊んで帰ってきて家の玄関から漂ってくるあまーい醤油の匂い。
でも騙されちゃいけない。ここではまだ銀ダラの煮付けの可能性も捨て切れない。
「あれ? どっち?」
頭の中で酒井家アニバーサリーを検索する。
その日が家族の誰かの誕生日だったら台所の扉を開けて確定。大当たり。
誰の誕生日でもなく思い当たるアニバーサリーもないと扉開けたら銀ダラ。
ハズレ。復活演出なし。
CRスキヤキ
1/299
遊タイム搭載
超すき焼きラッシュ50回
継続率87%
注目演出 本機最強リーチ 坂本九のスキヤキ歌いきったら大当たり
それだけすき焼きは自分にとって特別なもの。
前に姉ちゃんが結婚するっつってみんなで今半行ったとき酒井家全員腰抜かしたけどな。
外で食うすき焼きうめーっつって!
俺らみたいな庶民は腰抜かしちゃう。
ひとりでやっても違うんだよなー。
ちゃんと割下作っていい肉買ってきて好きな具材入れても、美味いんだけどなんか足んねーんだよな。
やっぱドラゴンボール見たいけどじいちゃんが相撲見てて、ばあちゃんが学校のこと聞いてきて、母ちゃんが鍋奉行して、それをお姉ちゃんが真似して、親父が黙って食う。
あれがあってのすき焼きなんだろーな。
何も考えてなかったけど、あれが特別な日々だったんだな。
すんげーいい牛肉のスライス買って母ちゃんとすき焼きしよ。
本当は歴代助っ人外国人につけて書くつもりだったけど、すき焼きだけでいっちゃった。
すき焼きすげー。
食いてえ。
(※次回は2月中ごろ公開予定!)