酒井健太(アルコ&ピース)『チャンサカの気まぐれパンチライン』第21回:ラーメン大好き
音楽好きでラッパーとしてもひっそりと活動、一部では「ラジオスター」と呼ばれていたりもする鬼才(!?)アルコ&ピース酒井健太によるフリースタイルコ・ラ・ム!(月1回更新予定だチェケラ!)
プースー、麺、パネェ
休みの日に早起きしてひとりで昼間っから並んでラーメン食べるのが好きだ。
朝からぼーーっとラジオ聴きながら知らない電車乗って知らない駅に行くのもなんかいい。
ラーメンのために東岩槻まで行ったこともある。
マジで初めて降りた駅。
春日部の近く。
春日部マジクレヨンしんちゃん推してた。
駅から徒歩5分。
のんびり知らない街歩くのもめちゃくちゃいい。
見えてきたのは、オランダ軒。
新潟の長岡醤油ラーメンがウリの人気のお店。
あのパーマ大佐が推してるラーメン屋さん。
パーマ大佐ってみんな好きじゃないと思うけど、俺はパーマの言ってることをずっと信じていきたいと思ってる。
だからお願いみんなパーマのこと嫌いにならないで。
悪いやつじゃない。鼻につくだけだから。
俺、パーマが美味いっつーなら東岩槻だろうが南岩槻だろうがセンターオブ岩槻だろうがどこでも行くし!
店の前には開店30分前でもうすでに20人ほどの行列。
これは1H(時間)以上はかかるな。
みんな綺麗に一列に並んでる。
そこに俺も加わる。
みんな表情がない、ただただ黙々と並ぶ。
でもこの20人弱のメンバーの意思は一緒。
オランダ軒が食べたい。
どれだけ並んでも、どれだけ寒くても。
心はひとつ。
オランダ軒が食べたい。
この長い待ち時間もいつか旨味に変わる。
耐えよう。
言葉にはしないが、みんなの意思が伝わる。
並んでる途中クラロワで何度負けたか、麻雀ゲームで何度親っ跳くらったか。
並ぶ事1H。
ようやく入店。
さっきまで外で並んでた無表情だったお客さん達が別人かと思うくらい、いい顔してラーメン食べてる。
食券機でしょうゆチャーシュー麺、味玉を購入。
入店後間も無く着席。
そしてラーメン着丼。
長かった。
家を出て知らない電車乗って東岩槻まで来て行列に並んだ甲斐があった。
今報われる。
素晴らしいフォルムの長岡醤油ラーメン。
醤油、チャーシューの色味、ほうれん草の緑、なるとの白とピンク、卵の黄身。
鮮やかで素晴らしい配色。
プースーを一口。
パネェ。
なんだこれ、優しいお醤油にキレッキレの生姜の香り。
パーマありがとう。
麺もすする。
ツルツルと喉越しのいい麺。ツルンっと入ってきよる。このスープにはこの麺じゃなきゃだめだ。
東岩槻ありがとう。
チャーシューも卵もほうれん草も全く隙がなく、本当に完成された一杯だった。
ごちそうさまでした。
大満足で店を出ると昼時だからか行列がまた長くなっていた。
みんな喋ることもなくただただじっとオランダ軒を求めて並んでいる。
心の声がもしかしたら漏れていたかもしれない。
「みんなもう少し、もう少しだ。最高のラーメンが待ってるぞ。耐えろ。いつか旨味になる」
みんなの声が聞こえた気がした。
「おう!」
「よっしゃー!」
「ぬおーー!」
「そんなん知ってるよ。タコ。んなことより最高だったろ? マイメン」
心身ともに満たされた体をまた知らねー電車に乗せて家路に着く。
そんな休日。
(※次回は4月中ごろ公開予定!)