酒井健太(アルコ&ピース)『チャンサカの気まぐれパンチライン』第50回:こちらからは以上です!
音楽好きでラッパーとしてもひっそりと活動、一部では「ラジオスター」と呼ばれていたりもする鬼才(!?)アルコ&ピース酒井健太によるフリースタイルコ・ラ・ム!(月1回更新予定!)
お笑い芸人っぽい生活
ホトトギスとして初の事務所ライブ。
結局イルカのネタは途中で諦めた。
よくネタ合わせ飽きたら3人でウイイレやっててゴール決めるとめちゃくちゃなラテン語みたいの言い合いながら喜んでた。
もうライブまで時間ねーし、このラテン語みたいのネタにしちゃうかってなって、んでライブでやったのは助っ人外国人のピッチャーと通訳の人とキャッチャーがマウンドで話し合うってネタ。
なんとかウケてライブを終えられた。
良かった。
イルカのネタやらなくて良かった。
マジあっぶね!!
そっから毎週土曜日に事務所のネタ見せに行き、月1で事務所ライブに出てなんかお笑い芸人っぽい生活になっていった。
あるとき、元フォークダンスDE成子坂の村田渚さんが事務所に入ってきた!
びびった!
ガハハ毎週観てたし、ボキャブラもめっちゃ観てた。
渚さんと話したことで記憶に残っているのが、いつかのライブ終わりに、
「君らおもろいな天才や」って言われたことがあった。
めちゃめちゃ嬉し過ぎて返しわからんくて、
「あ、はい……」ってガチ天才の返しをしてしまった。
でも嬉しかったなぁ。
川崎戻って3人ですんげー飲んだ。
亡くなってから15年以上経つけど、もっとしゃべりたかったな。
いっぱい聞きたいことあったわ。
渚さん。
あなたの一言でまだ俺お笑いやれてます。
いやマジで。
事務所の中でもちょっとずつ名前を知ってもらえるようになり、いろんなライブに呼ばれるようになってきた。
この辺で気づいた。あ、やべ。
俺お笑いやってること親に言ってなかった。
いつ言おうか迷っていたが、めんどくせーからライブ呼んじゃえ!ってなって中野のライブに呼んだことがある。
ライブ終わりに家に帰ったら、
「健太がこんなことやるなんて思ってなかった」
って言われた。そんな悲しそうな表情じゃなかったし、むしろ大学も辞めて何もしないでバイトだけやってたどうしよもない息子が一応前向きに生きているんだって、安心した表情だった。
じゃお笑いやってオッケーってことね。
そう解釈した。
ホトトギスとして活動し始めて1年くらいした年始の寒い日のネタ合わせ。
この日は大澤の家でネタ合わせだった。
俺が先に着いてふたりで堀江を待っていた。
30分くらいして堀江が来た。
酒飲んでてほろ酔い気味の堀江。
「お笑い辞めるわ」
え? え?
時が止まった。
お笑い辞める?
話を聞くと、いろいろと家庭の事情とかやりたいこととか見つかって、芸人やってる場合じゃねーって話だった。
俺も大澤もグズることなく、
「ま、それはしゃーないな」
じゃあ、解散。
よし! とりあえず3人で飲みに行こ!
マジでこんな感じだった。
あっちゅーまに決まった。
その後話を進めると大澤も辞めて就職することになって、俺だけ続けることになった。
ピン芸人になっちまった。
また1からネタ作ってライブに出てを今度はひとりでやることになった。
事務所の中でも仲良かった先輩のモダンタイムスさんが、ありがたいことにライブに呼んでくれて飲みにも連れて行ってくれて、川さんにはSuicaのチャージ奢ってもらったり、川さんのお気に入りの女の子が入院したから一緒にお見舞い行ったりして、ひとりで心細かったが、モダンさんのお陰でやっていけた。
それでもやっぱり、
ピンだりー。ピンこえー。
先輩のセクシーチョコレートも同時期に解散していた。
平子さんとのファーストコンタクトは、まだトリオ時代にネタ見せに行ったときに声をかけられた。
「ビームスの店員さん?」
怖すぎて「あ、違います」って言って逃げた。
それからライブが一緒になったり飯とかも行って仲良くなっていった。
そん中での同時期の解散。
いっぺんやってみっか。
とりあえずユニットでライブに出てそっからあれよあれよとコンビを組むことになった。
アルピー爆誕!
それからもうコンビ結成17年くらい経つ。
あんまコンビとして振り返ったりすることないけど17年は中々すごいなぁって思う。
この辺まで改めて振り返ってきたけど、なんかいろいろあったなーって書いてて思った。
まだまだあるけど、書けないこととかまだ書かないほうがいいこととかいろいろあるからこの辺にしとこ。
良いことも悪いことも、そんとき思ったこととか感情を思い出して、嘘のないように3回に渡って書いてみた!
てことでじゃね。
(※次回は10月中ごろ公開っつー話!)
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