「人生だいたいハードコア」DDTプロレスリングのカリスマ・佐々木大輔のパンク/ハードコア愛に迫る

特集・インタビュー

[2020/3/19 12:00]

個性豊かすぎるプロレスラーが集う団体『DDTプロレスリング』にてユニット『DAMNATION』を率い、カリスマ性を遺憾なく発揮している佐々木大輔。そんな彼がパンク/ハードコアのマニアであるという情報をキャッチしたので、今回は寡黙な彼に音楽愛をたっぷりと語ってもらうというレアなインタビューを慣行! 意外すぎる野望も飛び出した、ハードコアなインタビューとなった!

毎週末、高円寺のBASEとBOYをハシゴしてました

――パンク/ハードコアがお好きだとうかがったのですが、きっかけはなんだったのですか?

中学生のときは兄貴の影響で当時流行ってた海外のミクスチャーとかを聴いてたんですけど、高校生になって「どうやらパンクっていうジャンルがあるらしいぞ」ってなって。そこからHi-STANDARDとかBRAHMANとかにいくんですけど、当時みんな聴いてたし、俺はもっと激しいのがいいなと思ってCDを買い漁ってたどり着いたのがThe Exploitedだったんです。「きた!これだ!」ってなって(笑)。

――そこからUKハードコアにハマっていくんですね。

好きですね。Dischargeも好きだし、『UK/DK』っていうビデオを観てChaos UKで震え上がって(笑)。高校1年生くらいはCD屋でパンクって書いてあるものを片っ端から買って、「なんか違ぇな」とか思ったり(笑)。毎週末、高円寺のBASEとBOY(※どちらも老舗パンク専門レコードショップ)をハシゴしてました。

――めちゃくちゃ正しく高円寺を満喫してますね(笑)。初めて行ったハードコアのライブは覚えてますか?

多分、新宿アンチノックで観たBURNING SPIRITS(※鉄アレイとDEATH SIDEによって立ち上げられたイベント。現在も継続中)だったかな。高校生の頃はハードコア好きな先輩がひとりいたんで、その先輩と一緒に西荻窪にあったWATTSは毎週行ってたし、高円寺の20000Vもよく行ってました。

――プロレスとハードコアは並行して好きなったんですか?

高校生の頃はプロレスももちろん好きでしたけど、ハードコア熱のほうがちょっと上でしたね。

――バンドやろうっていう気持ちにはならなかったんですか?

ちょっとボーカルでバンドをやってみたことはあるんですけど、そんなにハマんなかったです。聴いてるほうがいいかなみたいな。プロレスもちょっとやってみっかなって感じで始めたら「お、こっちは意外といけんじゃん」っていう(笑)。

――今バンドやったらしっくりくるんじゃないですか?

実は内緒でやってたりするんですけど(笑)。

――え! そうなんですか!?

2年前くらいに1回ライブもやって。そこから動いてないんですけどね。

――めちゃくちゃ観たい! 客がステージに乱入してきてもまったく怖くない(笑)。事前にもらっていた好きなバンドリストではUK以外にもスウェーデンやフィンランド、南米など世界各国のハードコアがお好きなことがわかりますが、どうやって情報集めてたんですか?

学生の頃はインターネットもそんなに普及してなかったんで、ひたすら新入荷情報をチェックして、とりあえず買って聴いてました。ポップにちょっとだけ書いてある情報を頼りにとりあえず買うっていう。

――お小遣いは全部レコードに?

小遣いなかったんですけど、昼飯代を毎日もらってたんでそれを削って。ラグビー部だったんで、試合に行く日の電車代を多めにちょろまかしたりしてレコード買ってました。

人生だいたいハードコア。プロレスでも「サンキューサンキュー」言いたくない

※バンドTしか着ないのが佐々木スタイル。この日はDEATH SIDE!

――2006年にはメキシコに修行に行かれてますが、現地でライブには行きましたか?

行きましたね。The Adictsが来て、それを観に行ったときはちゃんとしたライブハウスだったんですけど、チラシで見つけた地元のバンドが出るイベントに行ってみたら廃墟みたいなところにたどり着いて(笑)。まわりはガンガンにマリファナ吸ってるし、「日本人だろ? 酒奢ってくれよ」ってせびられたり、「パンクには国境はない! 一緒に飲もう!」って肩組まれたり(笑)。

――メキシコのハードコアバンドってどんな感じでした?

とりあえず音が汚い。ライブハウスも廃墟だから機材はめちゃくちゃ(笑)。みんなものすごく金ないんで、鋲ジャンもスタッズじゃなくて、代わりに空き缶のプルタブがついてるんですよ(笑)。(次ページへ)

張江浩司