ローバー美々『美々の耳〜韓国エンタメが好きだから〜』【第2回:K-POPブーム以前の韓国の音楽】
日本で韓流ブームが起きる前からその魅力を体感してきたローバー美々による、韓国エンタメ&K-POPファン必見の連載です!
2010年くらいから日本でK-POPブームの兆し
私の記憶では、「日本でK-POPがくる!」と感じ始めたのが2010年くらいだったでしょうか……。実は、以前は新宿などのクラブやバーでK-POPを流すDJ的なこともやっていて、あるクラブイベントの数回目にいきなりお客様の入場規制をしなくてはならない状況になったんです。DJをしながら、頭の中で「K-POPを聴いて踊りたい人がたち増えてる。まさか、日本でK-POPブームがくるの? まさか……?」と浮かんでいました。
1990年代は日本の歌謡曲を踊りながらカラオケで歌う、そんな楽しみ方をしてる人が多くて、私もモーニング娘。や松浦亜弥ちゃんなどの振り付けを完コピしてました。そんな現象がついにK-POPでもチラホラ。クラブでかけるK-POPに合わせて、同時に振り付けをするんです。その頃はKARAや少女時代、スーパージュニアなどの多人数アイドルが韓国でデビューした頃でした。彼らの振り付けを完コピして、クラブで踊る子たちが増えてきたのです。今のCOVER DANCE(カバーダンス)の魁的存在ですね。
このお尻ダンスは、私も真似しました(笑)。
少女時代は、この曲で日本デビューします。少女時代の初来日の収録をどうしても観たくてコネを使い、フジテレビさんのステージに潜入した過去があります(笑)。5メートルの距離でこのパフォーマンスを見たとき、オシッコチビるかと思うほどの感動でした♡
「ソリソリソリソリ」の手を擦り合わせる振り付けをクラブ入場者の全員が一緒に踊っていた光景は圧巻でした。
日本でのK-POPブーム以前はバラードやディスコソングが流行
日本のK-POPブームのスタートはご覧のように、ルックス、ダンス、歌など、すべてが完璧なアイドルでした。が、しかし! 私が韓国の音楽で好きになったのは、日本でのブーム以前の曲。ドラマの挿入歌などで使用されていたバラードやディスコソング的な曲です。その頃、韓国ではどんな曲が話題だったか、いくつかご紹介させてください。
韓国で1990年代後半から2000年代初頭に制作されたバラード曲のミュージックビデオは、「映画を作る予算を投入してるのではないか?」と思うほどの規模と迫力。 大好きなバラード曲は何曲もありますが……ここでは、ミュージックビデオで惹かれた曲をご紹介します。
知っていますか?チョ・ソンモ。兵隊の役を本人が演じています。透明感ある声の持ち主が、ここまで鬼気迫る演技ができるのも韓国エンタメのすごさです。この曲を聴いて、その歌詞を訳すことで韓国語を勉強していた昔。この曲、このビデオに衝撃を受け……K-POPの深さ、込められたメッセージを掘り下げるキッカケになりました。観た方、泣きますよ。戦争映画を観てる気分に。これ、一曲のミュージックビデオですよ! 韓国バラードのミュージックビデオは、人生の無情さを伝える内容も多いです。人生って報われないことのほうが多い。という現実をこれでもか!と……。決して夢は見せない。だから好き!! この曲は苦労した人ほど号泣すると思います。
SeeYa 『Shoes』
この頃、芸能の仕事をしながら、水商売のバイトもやっていてこのミュージックビデオは観ながら泣いてました……笑。自分の人生に重ねてしまった曲です。オフィシャルのミュージックビデオがネット上になかったので貼れませんでしたが、機会があればぜひ観てみてください。
この2曲のミュージックビデオは、日本のJ-POPでは決して観れないレベルの内容です。そして、1990年代は韓国のディスコソングが日本でも流行りました。
この曲には六本木のサパー系飲み屋で、オシボリを振り回してみんなで盛り上がった過去が……(笑)。今聴いても、自然に体が動きます。色あせない曲ですね。韓国に留学中、私の通学のお供の曲でもありました。勉強前にテンションを上げるため、バスの中で聴いたものです。日本で、韓国の曲をカバーし盛り上げた方がDJオズマさん。この『Genuine(純情)』もそうです。DJオズマさんが裸に見える全身タイツで、紅白出禁になった『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』もK-POPアーティストDJ DOCの『Run to you』という曲のカバーなんです。「ナーナーナナナーナナナーナナナー♪」の「ナ」とは、私。という意味。私、私、を押し付ける曲です(笑)。原曲はこちら。
ご覧のように、日本のK-POPブームが起こる以前の1990年代後半から2000年初頭の韓国では、ディスコソングやバラードが流行っていました。もちろんアイドルもいましたが……イマイチ、今みたいなK-POPアイドルブームには繋がらなかったですね。韓国アイドルの魁的存在である、韓国の少年隊(?)ソバンチャなどは、日本でダウンタウンが番組でカバーしてました。知ってるかなあ?
本当は、もっともっと紹介したいアイドル以外のK-POPがあります。今回は字数の関係で、ここまで。そして、これはお伝えしなきゃ! 今、韓国のK-POPはアイドルから少しずつK-HIPHOPにシフトしてきています。アイドルが飽きられるサイクルが異常に早まり、韓国が別のK-POPを世界に広めようと動き出してます。それがK-HIPHOPです。このジャンルも、改めてご紹介したいです。
良くも悪くも、ブームの移り変わりが早い韓国。そのスピード感に必死について行く、これもK-POPを楽しむ醍醐味なんです。老婆美々は、すでに息が上がってます……(笑)。では、次回をお楽し耳~♡