元HKT48・兒玉遥、卒業後に性格が変わった!?　ひとり旅マスターし「私、めっちゃ元気じゃん！」

ひとり旅をマスターした!?　セブ島で入院した失敗談

――この連載のなかで、「10代からアイドル活動をしていたので、卒業後に一般常識を知らず苦労した」という話をよく聞きます。兒玉さんは卒業後に困ったことはありましたか？

確定申告がよくわからないです！　お母さんにめっちゃ質問しています（笑）。

――確定申告は元アイドルじゃなくてもわからないから大丈夫ですよ！　ほかにも何かありますか？

なんだろう……？　なんでも自分でやるのが、もともと好きだからなぁ……。

――「新幹線や飛行機の乗り方がわからなくて困った」というのが、“元アイドルあるある”という印象です。

あっ、ひとり旅はけっこうマスターしたんですよ！　韓国とかタイもひとりで行っちゃう。行動力がすごいんです。「でも思い立ったら即行動」なせいで失敗したこともあります。旅行から帰った翌日に友達とまた旅行をする予定だったんですけど、飛行機が到着する時間を間違えて、友達との旅行の出発日に日本に戻ってくるスケジュールになっちゃって……。空港まで荷物を持ってきてもらえないか、お母さんに慌ててお願いしました（笑）。見切り発車すぎるとダメですね。ちょっとは考えなきゃだめ！

――「旅行から帰った翌日にまた旅行」という元のスケジュールのアクティブさのほうが気になってしまうんですが……！

つい詰め込んじゃうんですよね（笑）。セブ島に1ヵ月だけ留学もしました。日本人がいると甘えちゃうから、日本人が少なそうな学校を調べて。だから基本的な英語は話せるようになりました。とはいっても勉強だけじゃなくて、週末はかなり遊んでいたんですけどね。遊びすぎて体調を崩して、現地で入院もしちゃったんですよ。看護師さんの言うことが全然わかりませんでしたが、意外となんとかなりました（笑）。

――逆にそれだけアクティブな人が、よく大所帯のアイドルグループにいられましたね。

グループにいたときは、どちらかというと引っ込み思案だったかもしれません。自分を抑えていた感じかも。だから自分でも驚いています。「私、めっちゃ元気じゃん！」って（笑）。

アイドル経験があるから、舞台のドキドキも楽しめる

――『改竄・熱海殺人事件』は、つかこうへいの代表作を中屋敷法仁が演出した舞台です。クセの強いセリフ回しや長台詞など、なかなか演じるのが難しそうな舞台ですが……。

シリアスな場面もあれば、コントっぽい掛け合いもあって、バリエーション豊かなお芝居が求められる作品だと思います。どれだけ振れ幅を出せるかが、今回の課題ですね。

――舞台は稽古の期間が短くて大変そうに感じますが、それくらい詰め込んだスケジュールはアイドル時代でもう慣れっこでしょうか？

稽古期間中は演じることに集中させてもらえるのが、ありがたいです。アイドルはコンサート前でも取材とか歌番組とか他のお仕事があって、どうしてもステージだけに集中していられないじゃないですか。でも舞台はみっちり作り込んだものを本番で出せるから、すごく幸せです。

――そこで「幸せ」と感じるのは、今までの経験値があるからこそですね。

「辛いけど、これは乗り越えられる辛さだ」って思えるんですよね。どんなに悩んでもつまずいても、本番は来ますから！　アイドルを経験して、場数は本当に踏ませてもらえました。もちろん今も舞台に立つときは緊張するんですが、そのドキドキも楽しむことができるのは、アイドルをやっていたからかもしれません。あと、ステージに立つと、気持ちが全部「楽しい」に変わるんですよ。稽古場のほうがほかの役者さんに見られていて緊張するかも（笑）。

――今後の女優としての展望を教えてください。

とにかく経験を積んで成長していきたいです。いろんな役を演じたいんですが、早いうちに学生の役ができたら嬉しいですね。今年で24歳になるので、まだ学生役ができる間に作品として残しておきたいなって。あとはファンの方とのイベントも定期的に開催したいです。やっぱり応援してくれている方々は「この気持ちって届いているのかな？」と不安に感じるときもあると思うんです。でも私は本当にみなさんの応援に支えられているから、「受け取っていますよ。どうもありがとう」って言える場を大切にしていきたいですね。アイドル時代と形は少し変わるかもしれませんが、みなさんとの関係はずっと保っていきたいな。

――『改竄・熱海殺人事件』は福岡公演もあるので、HKT48の地元のファンの方々も観に行きやすいですね。

そうなんですよ！　地元で凱旋公演ができて本当に嬉しいです。福岡から東京は遠いので、来るのが難しいことも今まであったと思うんですけど、今回は良い機会なので。ぜひ私の見事な滑舌を味わってください（笑）！

兒玉遥

1996年9月19日生まれ、福岡県出身。2011年7月、HKT48の第1期生オーディションに合格。センターポジションを務め、『第8回AKB48選抜総選挙』では第9位に輝くなど、HKT48のエース的存在として活躍する。2019年6月に同グループを卒業し、エイベックス・アスナロ・カンパニーへ所属。女優としての活動を本格化する。