長渕剛好き芸人が語るお笑いとバンド……『あつまれ、バンドマン芸人!』さがね正裕(X-GUN)編

連載・コラム

[2015/11/5 00:00]

お笑いのステージに立ちながら、バンドマンとしてライブ会場を沸かせる芸人たちがいる。今回紹介するのは、X-GUNのツッコミ担当・さがね正裕。“さがね侍BAND”のボーカルとして活動する芸人バンドマンだ!

さがねさん、どーもです!

・『ボキャブラ天国』での成功と苦悩 再ブレイクの兆し
X-GUNは西尾季隆(ボケ)とさがね正裕(ツッコミ)のコンビである。1990年代に放送された人気お笑い番組『ボキャブラ天国』で活躍し、爆笑問題、ネプチューン、くりぃむしちゅー(当時は海砂利水魚)らとともに一時代を築いた。しかし、番組が終了すると露出は激減……。収入がピーク時に比べて1/100になるなど苦しい日々を過ごすが、コンビ名を“丁半コロコロ”に変えたりもしながら(2008年に再びX-GUNに戻す)地道に活動を続ける。近年はダウンタウンの松本人志や後輩のバナナマンが「(X-GUNの)軽いブームがきてる」とコメントするなど、再び注目を集める存在となっているのだ!

左が西尾、右がさがね

・“ハードロック芸人”として『アメトーーク!』にも出演 大の長渕剛ファン
そんなX-GUNは両者とも音楽好きとして知られている。さがねは中学生の頃から洋楽を聴き始めてハードロック&ヘヴィメタルにハマり、特にナイト・レンジャーを愛聴。モトリー・クルー、レインボー、アイアン・メイデンなども好んで聴いてきたといい、人気バラエティ番組『アメトーーク!』の“ハードロック芸人”特集にもリッチー・ブラックモア(レインボーのギタリスト)のコスプレで華麗に登場している。また、さがね(&西尾)は長渕剛の大ファンでもある。長渕に対するあふれ出んばかりの愛情をこのように語ってくれた。

「長渕さんは常に200%。前にくりぃむしちゅーの番組でやってた“長渕剛ファン王決定戦”っていう企画に、“ご本人登場”的な感じで出演されてたんですけど、カラオケボックスでのライブだったのにも関わらず、前日に“リハーサルをやらせてくれ!”って言ってやったらしいんですよ。しかも3時間くらい。すごくないですか? そういう手を抜かないところ……ホントに尊敬してます」
「長渕さんと仲が良いくりぃむしちゅーの上田(晋也)くんに、“長渕さんと一緒に食事どう?”って誘ってもらったことがあるんです。でも、それは断ったんですよ。長渕さんと仲良くなるなんて、おそれ多くて。ヘラヘラしたりしてるところを見るのもなんかイヤだし……。もちろん人間だからそういうところもあると思うんですけど、僕はステージで長渕剛を観てアツくなれればいいんです」

なかなか濃厚である。なお、一番好きな長渕の楽曲は「HOLD YOUR LAST CHANCE」。この曲は、同じく長渕ファンとして知られるブラックマヨネーズの吉田敬も一番好きな曲として挙げているとのこと。

長渕愛を語る。とっても嬉しそう

・高校でバンドデビュー そして“さがね侍BAND”結成
さがねのバンドデビューは高校の頃。周囲がBOOWYのコピーバンドをやるなか、アースシェイカーのコピーバンドでボーカルを担当するというハードロッカー魂をみせつける。そのバンドではライブはやらなかったらしいが、「RADIO MAGIC」を演奏しているリハーサル音源が当時のメンバーによって発掘され、2011年にX-GUNのラジオ番組で流された。そのときのゲストはなんとアースシェイカーの西田昌史(ボーカル)&石原慎一郎(ギター)で、「俺らのデビューのときよりうまいね」と褒められたという。

そして、2011年にロックバンド“さがね侍BAND”を結成。横浜を拠点に活動するロックバンドTOYBOXのメンバーをバックに従え、ここでもボーカルを担当している。“侍”のワードはもちろん長渕のアルバム『SAMURAI』(1998年発売)インスパイアだ。

「僕には趣味がそんなにないから、もう一回ちゃんとバンドやってみようかなって思ったんですよね。最初は芸人ばっかりのバンドをやるつもりだったんだけど、TOYBOXが協力してくれて。僕は作詞を担当していて、詞と一緒に曲のイメージをメンバーに伝えるんです。“長渕さんのあの曲みたいに”とか“ファンモンのアレだ”とかね。相方には“それ、パクリやぞ!”って言われたりもしますけど(笑)」

ギターをぎゅいーん! ※ギターはそれほど弾けません。借りものです

ドラムをばーん! ※ドラムも叩けません

・長渕好きがわかるアツい楽曲
さがね侍BANDの楽曲は、さがねのアツい歌詞、歌声が魅力だ。「長渕さんのほかにもサンボマスターやウルフルズ、ファンキーモンキーベイビーズとか、アツいバンドが好き」との言葉にもうなずける前向きな世界観で、「疲れてるサラリーマンの人とかに聴いてもらって元気になってほしい」と、ちょっぴりカッコつけながら歌詞に対する思いを語ってくれた。

初ステージは小規模ライブハウスのブッキングイベント。さがねは「めっちゃアウェーだし、先輩風吹かせてくるバンドとかもいてホンマ嫌やった」と振り返りつつ、「でも慣れてくると楽しいですよね。お笑いでウケたときとは違う興奮があって」とバンドでのステージの魅力を語ってくれた。

バンドはこれまでに、お笑いと音楽を絡めたイベントの企画や、会場限定のデモ音源の制作などの活動を展開してきたが、現在は小休止中。「メンバーとまた音源を作ろうかとも話してます」とのことなので、今後の活動に期待だ!

さがね侍BANDデモCD。ライブ会場で販売中だ

さがね侍BANDのライブの模様

デモCD にも収録される『前に進め』

・お笑いはいつでも新しいネタが求められる 音楽は昔の曲も受け入れられる
お笑いとバンド、それぞれのステージで熱量を感じてきたさがねは、両者の相違点についてこう語ってくれた。
「音楽もお笑いも新しいものを生み出すっていうところは同じですけど、お笑いでデビュー当時のネタをやっても“新ネタがみたい!”って言われる。“この前みたわ、そのネタ!ほかをやれ!”って。でも音楽ってそうはならないですよね。例えばウルフルズが“デビュー当時の曲やります!”って言ったら“うおー!!!!”って盛り上がるじゃないですか。良いものを作ったらずっと残る。そういう部分、音楽はいいなって思いますよね」

確かにお笑いのネタは一度見たら満足してしまう感があるかもしれない。シビアな世界である。そしてこう続けた。

「でも音楽ではヒット曲を出さないと食えない。それに比べて芸人は、ギャラが安くても地方の営業とか、司会とか、少しは稼いだりできる。その部分では音楽のほうがシビアかもしれないですね」

“リビング芸”としてテレビでも紹介された、浅香唯のヴィブラートものまねをリクエスト。じわじわくる

・イジられキャラのハズが……
音楽とお笑いについてたっぷり語ってくれたさがね。しかし……テレビで観るイジられ&切れキャラの彼と全然イメージが違う! ちょっとマジメに話を聞きすぎたのかもしれない。しまった……。もう一回取材をやり直すべきか……そんな気持ちで「お会いすると全然イジられキャラっぽくないですね。めっちゃしゃべりますし」と投げかけてみたところ「テレビのときだってけっこうしゃべってるねん! でも全部カットされてんねん! おもろくないからイジられて終わりや!!」と本来のスタイルで返してくれた。うおー!テレビで観るさがねだ。よかった。

話の節々から、お笑い、そして音楽に対するアツい気持ちがうかがえた。結成25 年を迎えるX-GUNだが、定期的にお笑いイベントを開催しながら今なお“X-GUNの笑い”を追求している。さがね侍BANDでの活動もマイペースながら続けていくというので、長渕好きの人など、気になる人はぜひ会場に足を運んでみていただきたい!!

・串揚げ焼酎BAR“嵯峨根家”オープン
こちらは備考! さがねは2014年2月、西新宿に串揚げ焼酎BAR“嵯峨根家”をオープン。上質な油を使用した串揚げや、ビーフ100%のハンバーグ(ばつぐんバーグ)、こだわりの焼酎など、おいしい料理やお酒がたっぷりと堪能できる。こちらもチェック!

取材が終わり“嵯峨根家”に入っていくさがねさん。ありがとうございましたぁ!

[耳マン編集部]