力強い歌声とギャルマインド(!?)に元気出まくり……しぶとく生きる77歳・美川憲一のワンマンライブをレポート!
海外セレブのようなコーデが満載……77歳・美川憲一のSNSがクール!
楽しい音楽・エンタメ情報をお届けするウェブサイト『耳マン』読者のみなさまは、歌手の美川憲一がInstagramやブログ、YouTubeで素敵な写真や文章、動画を発信していることはご存知でしょうか。
美川さんのInstagramやブログはオシャレな彼らしくファッションについての投稿が多く、全身のコーディネートも事細かく紹介されています。鮮やかなカラーリングの全身グッチコーデや、バレンシアガやヨウジヤマモトにアディダスを組み合わせたラグジュアリーストリートなスタイリングは、海外セレブのようでとってもクール。また、写真に添えられたコメントは美川さん独自の言葉遣いで綴られていて、不思議と“美川ボイス”で脳内再生されるところもクセになるのです。
YouTubeでは、『M-1グランプリ2021』決勝で美川さんの代表曲『さそり座の女』を取り入れたネタで話題を呼んだお笑いコンビ・モグライダーとコラボレーションを展開するなど、柔軟な活躍で幅広い層を楽しませています。現在77歳の美川さんですが、年齢や性別の枠にとらわれない独創的なファッションや、新しいことにも積極的に挑戦するバイタリティは、見ている人にも勇気を与えてくれます。
「大変な時代だからこそ、しぶとくがんばっていくのよ」
SNSをつうじて美川さんの魅力にハマッてしまった当編集部は、6月7日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催されたワンマンライブ『美川憲一コンサート2023〜あなたへ愛の讃歌〜』に潜入! 開演前に行われたマスコミ向け囲み取材と、ライブの模様をレポートします。もっと端っこ歩きなさいよ〜(平成にブームを巻き起こした『タンスにゴン』のCMより)♡
美川さんがワンマンライブを開催するのは、2022年6月の東京・中野サンプラザ公演以来、約1年ぶり。今回のライブについて彼は「私の元気な姿を観ていただいて、元気になってお帰りいただきたい。大変な時代だからこそ、しぶとくがんばっていくのよ。私もしぶとくがんばっているんだから、というメッセージをみなさんにお伝えしたいと思います」とコメント。また、2024年6月でデビュー60周年を迎えることについては「しぶといでしょ〜。自分でも嫌んなっちゃうのよ、本っ当にねぇ」と冗談交じりにボヤきつつ、「昭和40年にデビューして、60年もやってこれるなんて思いませんでしたから。やっぱり諦めずに前を向いてしっかり歌い続けてきて良かったですし、歌があったからこそやってこれたと思います。お化けはねぇ、そんな簡単にくたばんないのよ!」と、“美川節”を効かせながら意気込みを語りました。
美川さんはSNSをマメに更新することで、時代遅れにならないように意識しているそう。発信する上での楽しみについて「投稿するとすぐ返事が来て、なんだか親近感が湧くっていうか。フォロワーの方々も、そういう形で見ていただいてるんじゃないかなと思っています」と語り、Instagramやブログでは「お洋服がありすぎるので、古いものを出して着るのもやってみようかな」と、懐かしのアイテムのコーディネートを披露することも思案中だそう。なお、他者のSNSをチェックすることはないようで、「あんまり、人のは関心がないの」と、ゴーイングマイウェイな彼らしい気持ちを明かします。
そんな彼の若さを保つ秘訣は「私はやっぱりおしゃれが好きですから、おしゃれをして自分磨きをしていくことが、元気の秘訣かなぁって思いますね」とのこと。「自分より上(の世代)にはまだ黒柳徹子さんとか、たくさんいらっしゃいますから、そういう方を目標に。声の続く限り、頻繁にボイストレーニングをして、稽古して、声だけは出るように。私多分ね、杖ついてでも歌うと思うわよ!」と、キッパリと言い放つ姿が素敵でした。
歌謡曲、演歌、ブルース、シャンソン……表現力の幅広すぎ問題
ライブは平日の昼に開催されたものの、1,900名のファンが駆けつけ、会場は後方まで満員。紳士淑女のみなさまが瞳を輝かせて開演を待つ様子には、心にグッと込み上げるものがありました。ステージは4部構成で、第1部はキラーチューン『さそり座の女』で幕を開け、歌謡コーラスグループ純烈もカバーし、若いファンにも支持を受ける『お金をちょうだい』や、禁断の恋を彷彿とさせる歌詞が印象的な『おんなの朝』など、ライブでの人気が高い曲が披露されます。
第2部ではグレーの無双の着物で登場し、『北国夜曲』『納沙布みれん』『東京ホテル』などの演歌をしっとりと歌い上げます。第3部は打って変わって白地にキラキラのラインストーンが散りばめられたスーツ姿で、『新潟ブルース』『柳ヶ瀬ブルース』『生命のブルース』といった哀愁漂う楽曲を披露し、芯のある渋い歌声を響かせます。
第4部は、黒と赤のヒョウ柄に、これまたたくさんのラインストーンがあしらわれたゴージャスなドレスで登場。『愛の讃歌』『生きる』などのシャンソンを披露し、表現力の幅をみせつけます。77年の歳月のなかでさまざまな苦楽を乗り越えてきたであろう美川さんだからこそ響かせることのできる、繊細かつ重厚感のある歌声に、会場は感動に包まれました。
憂鬱をも跳ねつける美川憲一の強気バイブスこそ、現代人に必要!?
美川さんのライブは、ご本人の意気込みどおり、観ている人に元気を与えてくれる素晴らしいエンターテインメントでした。曲と曲の間にはユーモア&毒舌あふれるトークで笑わせてくれたり、前向きな言葉で鼓舞してくれたりと、元気どころか生きる活力までもらえます。暗いニュースが多い昨今ですが、憂鬱をも跳ねつけるような美川さんの強気なバイブスは、現代人にこそ必要なのかもしれません。初見の人でも楽しめる工夫が凝らされているので、演歌や歌謡曲に馴染みがない若い世代にこそ、美川さんのステージを観てほしいです!
『美川憲一コンサート2023〜あなたへ愛の讃歌〜』セットリスト
1.『さそり座の女』
2.『幸せになりたい』
3.『お金をちょうだい』
4.『おだまり』
5.『おんなの朝』
6.『北国夜曲』
7.『納沙布みれん』
8.『東京ホテル』
9.『駄目な時ゃダメよ』
10.『別れてあげる』
11.『みれん町』
12.『新潟ブルース』
13.『釧路の夜』
14.『柳ヶ瀬ブルース』
15.『生命のブルース』
16.『火の鳥』
17.『こころに花を』
18.『愛の讃歌』
19.『生きる』
20.『歌いつづけて』
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