『BRADIOのファンキーハンター』【第1回:ファンクベースの神ラリー・グラハム編】

連載・コラム

[2015/11/23 12:00]

LIVE REPORT
BRADIOメンバーによる、11月10日に行われたラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステイションのライブレポート!


BRADIOが目指すスタイルの極み

Photo by Jun2

 世界中のベーシストが憧れるラリー・グラハム。俺も間違いなく憧れているそのひとりだ。冒頭でも紹介しているが、ベース奏法でスラップというものがある。ラリーはそのスラップ奏法の開拓者と言われており、ジャンルを超えて多大な影響を与えている。
 会場はビルボード東京。何度か来たことがあるが、ステージのうしろがガラス張りで、都会の夜景がアーバンな雰囲気を演出している。インタビューの興奮冷めぬまま席に着いた。開演直前になりステージのうしろ黒いカーテンが閉められる……いよいよ来るぞ、と。
 バンドメンバーが登場し、まずはドラムのビートから始まる。次々に楽器が重なっていく。ラリーはいないがベースが鳴っている……。どこにいるのかとワクワクしていると、二階席から真っ白な衣装で登場。オープニングからお客さんを楽しませようとする彼のおもてなしを感じる。
 実は以前、BRADIOでラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステイションの『スロウ・アンド・ダウン・ザ・ファンク』を参考にライブ演出を考えたことがあった。なんといきなり1曲目でその曲が来て震えが止まらなかった。ライブ中盤アコースティックベースに持ち替えていたが、あんなにカッコよくアコースティックベースを弾く人も見たことがない。最後は、お客さんも一緒にステージに上がり踊り、歌う。そして演奏が止まっても、歌が続き、そのままメンバーも歌いながらステージを後にした。
 軽いタッチに見えるが、タイトで重厚なベース音。そして熱いメンバーの演奏と、ハッピーで愛に溢れたステージ。BRADIOが目指しているスタイルの極みを見ることができた気がした。ぜひ機会があれば彼らのライブを見てほしい。(酒井亮輔/BRADIO)

ラリーのダンディボイスにやられた

Photo by Jun2

 ファンキーでエネルギッシュなライヴ。ステージが泥臭い16ビートで揺れるたびに“ファンキー”は興奮となって押し寄せてくる。観て楽しい、目にみえるはずのない“グルーヴ”が観えるようなショウだった。
 すべての楽器がドラムのようで、グラハム・セントラル・ステイションとの息の合ったエンターテイメントに自然と笑顔になる。インタビューでの「ファンキーとは?」の問いに音楽でがっつりと答えてもらえた満足感と、ハッピーと言う言葉をライブ中もラリーがよく口にしていたのがとても印象的だった。ハッピーやファンキーを掲げる僕らに近いモノを感じると言ってくれたラリーのステージングは、エキサイティングで情熱的、グルーヴを「伝える」という僕らの目指したいところを改めて体感させてもらえた貴重な時間だった。
 個人的なファンキーポイントはアコースティックセット。アコースティックでもこんなにファンキーなのか!ってぐらいにバンドが備えているフィーリングやグルーヴに感動したし覆された。なによりラリーのダンディボイスにやられた。「俺たちの音楽は絶えずビートを刻んでいるぜ」って具合に、ラストの曲ではその場は締めずに歌いながら去っていく斬新さ。自由度の高さ、これぞファンキー。(真行寺貴秋/BRADIO)


ラリー・グラハムとの“コミュニケーション”で見つけた
今回のファンキーワード

「Funky is free』
by ラリー・グラハム


来月もBRADIOが“Funky!!”に出会いに行きます! お楽しみに!


【協力:ビルボードライブ東京】
ビルボードライブ東京のファンキーな公演は以下!
・12月10日〜11日 レイ・パーカーJr.&レイディオ
・12月25日〜27日 スタイリスティックス
・12月31日 2015 Yearend Disco & Funk Party featuring ダズ・バンド


【著者紹介】

BRADIO
真行寺貴秋(ボーカル)、大山聡一(ギター)、酒井亮輔(ベース)、田邊有希(ドラム)による4人組ロックバンド。楽曲ごとに異なるサウンドを鳴らす楽器陣を軸に、熱唱&ファルセットを使い分ける真行寺の歌声で、観に来たFUNKY PARTY PEOPLEを虜にするエンターテイナー集団。2014年夏には愛知県で行われた大型フェス『TREASURE05X』やT.M.Revolution西川貴教主催の『イナズマロックフェス2014』に出演。2015年、日本テレビほかアニメ『デス・パレード』オープニングテーマを担当。12月31日には『COUNTDOWN JAPAN 15/16』への出演も決定している。

[耳マン編集部]