『BRADIOのファンキーハンター』【第2回:スウィート・ソウルの雄スタイリスティックス編】

連載・コラム

[2015/12/29 18:00]

人気上昇中の若手ファンキーロックバンドBRADIOが、より“Funky!!”なバンドを目指すべくファンキーなヒト・コト・モノに出会いに行く連載!


Hi! Funky Party People!! 貴秋です! 寒さ吹き飛ばすぐらいにファンキーしているかい!? 今回は、そんな肩寄せ合う季節を極上のコーラスワークでスウィートに演出してくれるソウルコーラスグループ、スタイリスティックスに会いにきたぜ!!

スタイリスティックス。左からエアリオン・ラブ、ハロルド“イーバン”ブラウン、ジェイソン・シャープ、ハーバート・ムレル。Photo by Masanori Naruse

彼らはアメリカのコーラスグループで、1970年代から前線で活躍し続ける、フィラデルフィアソウルの代表的なグループだ! リードボーカルを務めたラッセル・トンプキンスJr.の脱退などメンバーチェンジを繰り返しつつ、持ち味であるハーモニーと、現リードボーカル=ハロルド“イーバン”ブラウンの純粋なまでのファルセット(裏声)で、今なお最高に甘いソウルを届けてくれている。それに止まらずディスコなナンバーまでも堪能させてくれる、ファンキーさも兼ね備えたグループだ!

彼らの楽曲には現在でも歌い継がれるソウルのスタンダードナンバーが多数あり、日本でも男性整髪料『GATSBY』のCMで起用された『愛がすべて』(1975年/CM曲はアレンジバージョン)はお馴染みだろう。そのほか、小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』ほか邦楽ナンバーもカバーされたアルバム『カヴァー・ウィズ・スタイリスティックス』(2013年)の発表や、多くの日本公演など、親日家らしい面もうかがわせてくれる。

そんな彼らの生み出すハーモニー、音楽の中に眠る”スウィート・ファンキー”を求め、ドラムの有希と一緒にレッツハンティング!!

会場はビルボードライブ東京。左がドラムの田邊有希、右がボーカルの真行寺貴秋。

スタイリスティックスのファーストアルバム『スタイリスティックス登場』(1972年)と DVD『Sweet Soul Music The Stylistics』(2006年)を手にワクつくふたり。(CDとDVDは真行寺の私物)

INTERVIEW

いざ、インタビュールームへ!

貴秋&有希:よろしくお願いします!
スタイリスティクス一同:こちらこそ。
貴秋:まず、最初に聞かせていただきたいのですが……僕のこのアフロヘアー、何点ですか?
ハロルド:ワオ! 200点だ!
一同:ハハハ! そうだな!
貴秋:めっちゃ嬉しい! スタイリスティックスと言えば、日本の曲のカバーも収録しているアルバム『カヴァー・ウィズ・スタイリスティックス』(2013年)をリリースしましたが、日本の曲で気に入ったのはどの曲でしたか?
エアリオン:『未来へ』(Kiroro)だね。この曲はハーモニーも歌詞の物語もすごく美しいんだ。
ハロルド&ジェイソン:うん、とても良い曲だよね。
貴秋:これからも日本の曲をカバーしてくれますか?
エアリオン:今回の来日ツアーでは『サドゥンリー~ラブ・ストーリーは突然に~』(小田和正)しかやらないけど……もし機会があればやってみたいよ。

エアリオン・ラブ

貴秋:楽しみにしています。今もとてもリラックスされていますが、みなさんライブ前はどうやって過ごしているんですか? 歌の練習をしたりとかはしますか?
エアリオン:みんなでお茶を飲むくらいかな。
一同:ハハハ!
ハーバート:朝起きてからすでにライブの準備が始まってるんだ。メンバーによってシャワーを浴びたり、喉をストレッチしたりそれぞれ違うけど、基本的にはライブの日の朝からみんなしっかり準備をしてるよ。あと僕らはライブの前にはみんなで祈りを捧げるんだ。
有希:祈りですか! 僕らはライブ前、円陣を組んで“オー!”ってやります!
ハーバート:それはいいね!

ハーバート・ムレル

貴秋:僕は歌のハーモニーが大好きなんですが、自分がコーラスをやろうと思うとヘタくそなんです……。みなさんのように美しいコーラスをするにはどういう練習をすればいいですか?
エアリオン:イヤートレーニングができるアプリがあるんだ。それがオススメだよ。コーラスをしたときの音の並びも確認できるんだ。ハーモニーの勉強にもなるよ。
貴秋:アプリ!? 早速ダウンロードしないと!
ハロルド:ハハハ! アプリを使うのもいいけど、自分が次に歌うメロディを常に頭のなかでイメージできるように練習するといいと思うよ。
ジェイソン:曲全体のピッチを頭の中にインプットするんだ。そして、自分で歌うことに集中しすぎずにコーラス全体で“ひとつの形”になっているっていうイメージを持つといいと思う。
ハーバート:そうだね。好きなことであれば絶対に上達するから、がんばって取り組めば良い結果は必ず出ると思うよ。

ハロルド“イーバン”ブラウン

貴秋:ありがとうございます! あと、僕はみなさんにも影響されてファルセットをよく使うんですが、スタイリスティックスのスタイルはどうやって生まれたんですか?
エアリオン:どうやって自分たちの声とバンドのサウンドを調和させるかっていうのを考えたときに、ファルセットが一番合うと思ったから生まれたスタイルなんだ。それでみんなもファルセットに合わせていった感じだよ。
貴秋:そうだったんですね。DVDを観てもっと勉強します。
エアリオン:ハハハ! いいね!

ジェイソン・シャープ

有希:僕らはバンドを長く続けていくことが目標なんですが、みなさんのように長く活動していく秘訣は?
ハーバート:これだ!っていう秘訣はないけど、みんなで常にクリエイティブでいることが大切だと思う。お客さんが喜んでくれたからそれで納得してしまうんじゃなくて、常にクリエイティブな姿勢を持っていること。常にゼロになってバンドみんなで考えて、自分たちが生み出したものを愛していく、大好きになっていくことが大事なんだ。
有希:とても深いお話をありがとうございます!
貴秋:最後に、“ファンキー”とはなんですか?
ハロルド:ファンキーとはグルーヴだね。
貴秋:ありがとうございました!!

BRADIOとスタイリスティックスとのナイス!なコミュニケーション!

[耳マン編集部]