『BRADIOのファンキーハンター』【第2回:スウィート・ソウルの雄スタイリスティックス編】

連載・コラム

[2015/12/29 18:00]

LIVE REPORT
BRADIOメンバーによる、12月22日に行われたスタイリスティックスのライブレポート!


「声こそが最高の楽器」と実感させる、圧巻のステージ

Photo by Masanori Naruse

 ファルセットをひとつの持ち味として歌唱スタイルに取り入れている以上は、スタイリスティックスは外せない。最大の“お手本”だ。そんな彼らの魅力にとりつかれた俺の“歌声を開発してくれた”という憧れが、目の前で終始、スウィート(純粋)でソウルフル(心の込もった)な歌声の波を全身に浴びせてくれた!
 衣装にもかなり力を入れているスタイリスティックス、グルーヴィなバンド演奏の中、今回はおそろいの真っ赤なキラキラスーツで登場だ(※写真は別日の公演のもの)。“つかみ”で会場を沸かしてみんなをひとつにしたあとは、甘茶系だけじゃないディスコナンバーメドレー。名曲のオンパレードだ。さらにはクリスマスソングのプレゼントにカバーもあり、紳士的で日本への愛も随所に伝えてくれる場面も。聴かせるだけじゃく真似したくなるような小気味いいダンスパフォーマンスでも魅せてくれる。
 その中でもお客さんをいじったりするお茶目な一面もあったりと、ライブ運びはさすがのひと言だ。日本語を交え、沸かせどころや高揚感のポイントもしっかり押さえており、会場からは「よっ!待ってました!」と言わんばかりの嬉しそうな拍手と歓声がしばしば。スタイリスティックスと日本の強い"音楽の輪”という素敵なつながりを感じさせてくれた。これぞグルーヴってやつだ!
 そしてやはりハーモニーの調和とハロルドの透き通る純粋なプラチナボイス、4人の抜群のバイブスは会場全体を埋め尽くしていた。ライブならではの演出とも相まって、最後には“どんなに歳をとっても歌を歌っていたい自分”を大いに刺激してくれた。それはベテラン=スタイリスティックスからの言葉だったのか、「声こそが最高の楽器」だという極論が頭をよぎって聞こえてきてしまうほどの圧巻のステージだった。(真行寺貴秋/BRADIO)

彼らのような“立ち振る舞い”を目標にしたい

Photo by Masanori Naruse

 スタイリスティックスへのインタビュー、そしてライブを観させていただける機会をいただきビルボードライブ東京に行ってきた。正直なところ僕はスタイリスティックスをガッツリ聴いてはいなかったが、もちろん『愛がすべて』などの有名曲は学生のころたくさん聴いていたので、ファルセットとハーモニーがすばらしいグループなのはわかっている。
 いよいよライブがスタート。さっきのインタビュー時の柔らかい雰囲気とは違ったオーラを持った4人が登場だ。ファルセットの煌びやかさ、ハーモニーの気持ちよさ、バックバンドの心地よいグルーヴはもちろん素晴らしかったのだが、今回のライブで最も目を奪われたのはステージでの立ち振る舞いだった。パフォーマンスはもちろんのこと、お辞儀をするときの頭を下げる、頭を上げるタイミング、水を飲むタイミング、曲中OFFのときの表情、すべてにおいてそれは「Show」だった。
 今回彼らのステージを観て、たくさんのメッセージとヒントを受け取ったと思っている。僕の質問を音で返してくれた。30年後、彼らのような“立ち振る舞い”ができるミュージシャンになれていることを目標にしたいと思った。 みなさまもそんなスタリスティックスをぜひ聴いてみてください。(田邊有希/BRADIO)


スタイリスティックスとの“コミュニケーション”で見つけた今回のファンキーワード

「ファンキーとはグルーヴだ」
by スタイリスティックス


来月もBRADIOが“Funky!!”に出会いに行きます! お楽しみに!

【協力:ビルボードライブ東京】
ビルボードライブ東京のファンキーな公演は以下!
・2016年2月20日〜21日&23日 アル・マッケイ・オールスターズ plays music of アース・ウィンド&ファイアー
・2016年2月22日 メイシー・グレイ


【著者紹介】

BRADIO
真行寺貴秋(ボーカル)、大山聡一(ギター)、酒井亮輔(ベース)、田邊有希(ドラム)による4人組ロックバンド。楽曲ごとに異なるサウンドを鳴らす楽器陣を軸に、熱唱&ファルセットを使い分ける真行寺の歌声で、観に来たFUNKY PARTY PEOPLEを虜にするエンターテイナー集団。2014年夏には愛知県で行われた大型フェス『TREASURE05X』やT.M.Revolution西川貴教主催の『イナズマロックフェス2014』に出演。2015年、日本テレビほかアニメ『デス・パレード』オープニングテーマを担当。12月31日には『COUNTDOWN JAPAN 15/16』への出演も決定している。

[耳マン編集部]