K-POPアーティストたちはなぜ歌&ダンスの実力があるの!? ローバー美々『美々の耳〜韓国エンタメが好きだから〜』【第4回】

連載・コラム

[2016/1/26 15:40]

日本で韓流ブームが起きる前からその魅力を体感してきたローバー美々による、韓国エンタメ&K-POPファン必見の連載です!


韓国のプロダクション訪問で目の当たりにした
K-POP育成アーティストたちの実力
もう、5年くらい前になります。K-POPブームと日本がザワザワした時期に、韓国の芸能プロダクションを3日かけて、10社以上訪問しました。日本の芸能関係の方に「美々ちゃん、K-POP詳しいんだよね? 韓国好きなんだよね? 韓国、行ってくれないかな? 紹介したい方々がいる」といきなり連絡が入り、“何だかよく状況がわからないけど行ってみるか!”と渡韓したのです。

韓国に着いて、空港で待ってくださっていた方々の人数とオーラにビックリ(笑)。ひとり優しい女性もいらしたので、その女性の後について韓国の高級車に乗せていただきましたが、まさに“ドナドナドーナドーナー♪ 子ロバをノーセーテー♪”状態です。どこ行くのかも、今から何するのかも、誰に会うのかもわからない状態でした。

そして、高級そうなお店の前に車が止まりました。入ってみると、韓国の映画で観たサロン(細長いテーブルにお酒やフルーツが盛りだくさん。男性の横には綺麗なお姉さん。カラオケではなく演奏etc)みたい……。一番のお偉いさんの(?)オーラをまとった男性に御挨拶をすると、「美々ちゃん、まあ。飲みなさい」とすぐに韓国式の一気♡ ワンショットグラスにウイスキーストレート……w でも私お酒強いんで……負けず嫌いなんで……何よりも韓国の方々はお酒で仲良くなるのも知ってますので、グッと飲みました。そしてフルーツを食べて、また飲んで、フルーツ食べて♡ そこにいらっしゃる偉い(?)方々の返杯、返杯、また返杯をクリア! すると、一番偉い方から「美々ちゃん、歌いなさい」とご指名です。

「はい!」と私。もちろんK-POP好きで自信はありますので、チェヨン『トゥリソ』とKARA『Mr.』を振り付けとともに、韓国語でご披露させていただきました。「変な日本人が来た!」と偉い方々も認めてくださり、「K-POP、本当に詳しいんだね。明日からプロダクションを回るから、良い子がいたらスカウトしなさい」と何故かスカウトをすることになったのです。事情を把握せず渡韓しましたが、どうやら、日本の芸能関係者に新人K-POPアーティストを紹介したいという主旨だったようです。

次の日、ホテルまで高級車が迎えに来てくださり、「では、行きましょう!」とプロダクションを回る回る。小さいプロダクションから、大きいプロダクションまで……。行く先々でお茶が出るから尿も出る出る。プロダクションに着くたびにトイレを借りまくり(笑)。そして「美々ちゃん! 近くのスタジオに来て」と呼ばれ、新人の子たちのダンスや歌をたくさん見学しました。私はビデオカメラを持って行ったのでその子たちの映像は今でも保存してあります(もしかしたら、大物になってる子の新人時代が?)。

韓国語が少しできるので、そのときビデオを回しながら新人や練習生の子たちに質問したのですが、全員が「日本でデビューしたいです!」と日本市場を視野に入れた準備をしていて驚きました。まだ中学生や高校生の子たちですが、私が彼らの年頃のときには「はい。韓国でデビューしたいです!」なんて思いもしなかった。日本の芸能界には興味があっても海外進出なんて微塵も……。そして、その子たちは「学校が終わったら、すぐ練習室に来て8時間レッスンします。学校以外は練習しています」って言うんです! ちなみに、韓国の子どもたちの憧れの職業の2位が「芸能人」。芸能界を目指す子たちは、このようなプロダクションのレッスンだけではなく、大学で声楽や演劇などを選んで技術を身につけたりもしています。

禁欲=運を貯める行動!?
K-POPアーティストたちのストイックさ
1日8時間ものレッスンもしていれば、歌やダンスがヘタなわけがないんです。あとは“運”。韓国の芸能界のサイクルの速さはご存じのとおりです。その中で残るのは、実力あることが前提の“運”のみなんです。上手なのは当たり前で、上手がスタートなんですね。そのうえ、合宿所でグループ共同生活をしていたりするので、私生活も律しています。

ちなみに、このときにご紹介いただいた方々、後に知りましたが……韓国の政界や財界、芸能界などを調停する本当にすごく偉い方々だったのです。今でも、私なんかのK-POP眼力を信用していただき、推薦する子を贔屓してくれています。感謝です。もちろん、そこには金銭は発生しません。私のK-POP愛を認めてくださってる賜物です。好きだから、売れそうだから、韓国の宝になりそうだから、という気持ちをご理解いただいてます。

その偉い方々がプロダクションに来ると知ったら、子どもたちは全力で自分たちを売り込みます。認められるかどうかは運。今でも必死に歌い踊る子たちの姿を忘れていません。

切磋琢磨された子たちによって、自然とクオリティが高くなるのは当たり前。下手な人は認められないんです。K-POPは外貨を稼ぐ国の財産ですから。そんななか、今年来ると思っているのがiKON。運を感じますし、推しています。

リーダーのB.I君はチェリーボーイでキスもしたことがないそうです……(泣)。小さい頃から事務所が用意した合宿所で生活し、私生活を管理され、芸能界に身を捧げて来た男性は20歳でも……(泣)。そのぐらい真面目にK-POPアーティストをやってるから、ダンススキルもラップや歌のパフォーマンスも高いんです! 禁欲という運を貯める行動。そういう子たちに神様が運というご褒美をくれるんです。ちなみに女性問題で、失墜したK-POPアーティストもたくさん知っています……。残念ですね、もったいない。良い女性を選ぶ目がほしいです。

先述の話題で、日本の女子高生はiKONのB.I君が大好きみたいです(笑)。売れるね。絶対♡ ではまた、次回をお楽し耳〜♡

【著者紹介】

ローバー美々
高校生で芸能界デビューを果たし、レースクイーン、NHK教育テレビのお姉さん役などを経て、1994年に日本テレビのバラエティ番組『ロバの耳そうじ』に出演。セクシーニュースキャスター“ローバー美々”として人気を博す。その後、韓国への語学留学をきっかけに韓流エンタメの魅力に取りつかれ、現在は“K-POP洗脳家”を名乗り韓国エンタメの普及に励んでいる。韓流エンタメチャンネル『Mnet Japan』番組審議委員長、K-POPカバーダンスイベント『DREAM ON! 』司会としても活躍中!

[耳マン編集部]