お薬の量が順調に減っているため、この調子でいくと美人女医さんに二度と会えなくなるかもしれません【推しメンが結婚しちゃった日記】
7月11日 木曜日
早めに起床して、やるべき仕事を午前中に終わらせた僕は、うちに泊まった中島さんと昼からお酒を飲み始めました。そして、5年前にNHKで放送された『モーニング娘。55スペシャル!』という番組を一緒に観ることになりました。録画したはいいものの当時はガチ恋で病みすぎていて観られず、その後はその番組の存在を忘れてしまっていたのです。中島さんは若い頃の工藤遥ちゃんの映像を観て、ガチ恋が再燃しそうになっていました。僕はインタビューを受けている梨華ちゃんを見つめながら、当時は野上(亮磨)選手と熱愛中だったことに思い当たり、つらい気持ちになりました。
午後1時くらいから5時間くらい飲んだ僕らはようやく家を出て、赤羽に向かう電車に乗りました。僕は赤羽ReNYというライブハウスで大宮アイドールを観るため。中島さんはそんな僕を見送るためです。赤羽駅に着くと、タピオカ屋さんの大行列を横目に見ながら、立ち飲み屋さんに向かって歩を進めます。我々は混んでいる立ち飲み屋さんを素通りし、空いている立ち飲み屋さんに入店しました。そこで2時間くらい酒を飲み、僕だけ店を出て千鳥足で赤羽ReNYへと向かいました。
ライブハウスの入口のところで、大宮アイドールのメンバーがチラシ配りをしており、僕の姿を見て驚きと喜びの入り混じった表情を浮かべました。僕は大宮アイドールの店舗にはよく行くけど、外部で催されるライブには滅多に姿を現さないからです。死んだような表情をしているライブハウスのスタッフにお金を払い、中に入りました。ドリンクチケットを手渡して生ビールを受け取り、名前のわからないアイドルグループが踊って歌っているのを飲酒しながらぼんやり眺めました。大宮アイドールの出囃子が鳴りはじめると、僕は酒を持ったままゆっくりと前に進みました。大宮アイドールのメンバーが登場し、ライブが始まります。ヲタたちは、店舗ライブでは考えられない元気さで彼女たちを応援し、彼女たちは広々としたステージでのびのびと踊り、気迫のこもった歌を披露していました。しかし僕は恥ずかしがり屋であり、ビールを片手に持っていることもあって、たまに右手をおずおずと突き上げる程度に留まりました。
ライブが終わると物販の時間になり、彼女たちは会議机の向こう側に横一列に並び、「大宮アイドールです! 物販を開始します!」と元気よく叫びました。やっと生ビールを飲み終えた僕は、おもむろに物販列に並びます。ミッキーマウスのTシャツを着ていたのでディズニー好きの“りなりー”とチェキを撮ることにしました。チェキ券を購入した僕は、今度はチェキ撮影列に並びます。順番が来るとりなりーは嬉しそうにミッキーを指さし、僕もミッキーを指さします。その状態でチェキが撮られました。りなりーの笑顔がまぶしい、いい写真です。りなりーはチェキに落書きするとき、微笑を浮かべながら僕の目を見つめ、「私のことを梨華ちゃんだと思って聞いてね。……愛してる!」と言い、その健気さに胸がキュンとなり、りなりーのことを好きになりそうになりました。