ジャケも含めて1970年代最高の名盤のひとつ〜クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング『デジャ・ヴ』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/9/4 12:00]
そして内容も素晴らしければジャケットも素晴らしい。ブラウンを基調とした落ち着きのある雰囲気で、一見するとクラシック音楽のジャケットのような格調の高さも感じさせるが、音楽性ともしっかりと調和していて、またセピア色の写真のおかげでメンバー全員がまるで歴史上の偉人のようなオーラを醸し出しているのがいい(実際偉人だけど)。ただ真ん中にいる犬のせいかミュージシャンというよりは金脈を掘り当てたどっかの探検隊のようにも見えるが。
そんなクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング&ドッグの『デジャ・ヴ』はまさにその素晴らしい内容に見合った評価をされ、結果爆発的なヒットに繋がった。僕も当然当時のロック界をリアルタイムで体験してはいないが、さまざまな情報とこの『デジャ・ヴ』のようなアルバムに漂う空気感から当時の香りを感じることができている。
つまり1970年前後のロック界の独特すぎる空気を感じるのにこれほどうってつけのアルバムはない。まさにこの時代だからこそ生まれた奇跡の名盤だ。