ジャケも含めて1970年代最高の名盤のひとつ〜クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング『デジャ・ヴ』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/9/4 12:00]
音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。
第57回:ジャケも含めて1970年代最高の名盤のひとつ
今回ご紹介するのはこちら。
クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング『デジャ・ヴ』(1970年)
まさに1970年代最高の名盤のひとつである。もともとはバーズ、バッファロー・スプリングフィールド、ホリーズという1960年代を代表するビッグバンドに在籍していたデヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グレアム・ナッシュにより結成されたスーパーバンド『クロスビー、スティルス&ナッシュ』。そこにバッファロー・スプリングフィールドでスティーヴンと同じくメンバーだったニール・ヤングが加わり、スーパーミラクルバンド『クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング』が完成する。
4人のそれぞれ異なった個性が圧倒的なまでに高い次元で融合し生み出された奇跡のような1枚である。このアルバム発売前後に起こったウッドストックやオルタモントの悲劇、ビートルズ解散、ジミヘンの死、ツェッペリンの登場など、激動とも言える当時のロック界の張り詰めた空気感を、美しいメロディとハーモニーに乗せてロック、フォーク、カントリーの土臭い香りとともに実感させてくれる。温かな癒しと終末的な緊張感が同居している稀有なアルバムでもある。(次ページへ)