冬の定番曲として取り上げられることは少ないが……〜DREAMS COME TRUE『SNOW DANCE』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/10/23 17:00]
そして吉田美和のまさに雪が舞うような何ともいえない浮遊感を感じさせる歌唱。しっかりと聴き手に冬をイメージさせてくれ、相変わらずすごいボーカリストであることを思い知らされる。さらにこのシングル盤では同曲のアカペラバージョンとアコースティックバージョンも収録されており、吉田美和の声の魅力に集中して聴きたいときはこちらがお勧めである。ちなみにこの曲のミュージックビデオは代官山の街を吉田美和が歌いながら練り歩くというもので、カメラ1台ノーカットでの撮影だったらしい。
ジャケットもまた何ともスタイリッシュでオシャレな雰囲気である。ポイントは当時のメンバーのひとりである西川隆宏が額縁つきの肖像となってそれを吉田美和が持ち歩いているところと、吉田美和の背中の散っていく羽。意味はまったくわからない。ただメンバーのひとりが肖像になっているというのは何だかシュールでおもしろいし、都会的な雰囲気のなかに天使の羽というファンタジーな要素も画面のなかでしっかりと調和している。位置関係などのバランスもいい。羽に関しては2000年を目前にした時期だっただけにいろいろ想像しようと思えばできるが、とりあえずはこのオシャレさを楽しんでおけばいいと思う。
冬の定番曲として取り上げられることは少ない曲だが、間違いなく名曲である。今一度この名曲が再発見されてほしいと思うこのごろの秋。
・・・・・・。
冬に取り上げるべきだった。