宮城マリオ『エアギタリストが弾きたいリアルギター』【第3回:バリトンギターって知ってる?】

連載・コラム

[2016/1/27 19:00]

日本エアギター協会の幹事でもある大御所エアギタリスト・宮城マリオは、実はギターがお上手。そんな彼が弾きたいリアルなギターがここにある。

どぉも!エアギタリストの宮城マリオれぇす。エアギタリストとして活動している僕ですが、昔から本物のギターもちゃんと弾いているんですよね。そんな僕が紹介したいギターは……

これ! ダンエレクトロのバリトンギター!

Danelectro '56 Baritone Electric Guitar!

このダンエレクトロ'56 Baritone Electric Guitarは、1950年代に発売された同社のバリトンギターの復刻モデルである。もちろんマリオさんの私物で、ネックの状態が悪くほぼジャンク品のため1万円程度で購入したらしい。

ホワイトのボディにレトロなリップスティックピックアップをふたつ搭載。ピックアップとブリッジはツヤ消しのクロームが採用されており、アンティークっぽいレトロな雰囲気がステキだ。

ボリューム&トーンのツマミ、ふたつのピックアップを切り替えるセレクタースイッチを搭載。シンプルな構造だ。

バリトンギターって?
とってもシンプルでかわいいこのギター、キュートなマリオさんにピッタリだ。ところで……バリトンギターって一体なぁに? 普通のギターは知っていても、バリトンギターという言葉を初めて聞いた人もいるのではないだろうか。

通常のギターよりも低い音が出るギター
バリトンギターとは、通常のギターよりもスケール(ナットからブリッジまでの距離)が長く、低い音域を奏でることができるギターのこと。ギターよりも低いチューニングで使用され、ギターとベースの中間に位置するような役割を担う。そのため、ギターとして使用するプレイヤーはもちろん、バリトンギターでベースラインを奏でるプレイヤーもいる。1950年代にダンエレクトロが発表し、ビーチ・ボーイズなどが使用して注目されたが、普通のギターに比べるとバンドで使用されるケースは圧倒的に少なく、種類や生産本数も少ない。そのためあまりお目に掛かることがない。そんなバリトンギターを愛するマリオさん……さすがだ。

普通のギター(左)と比べてみた。スケール(ナットからブリッジまでの距離)の長さの違いがわかるだろう。

バリトンギター用の弦。さまざまな種類がある。

通常のエレキギターは1〜3弦がプレーン弦(芯線だけのもの)になっているが、バリトンギター用の弦は3弦も巻弦(芯線のまわりを別の線で巻いたもの)になっている。

マリオが弾いてみた!

ビンビ〜ン!「単音を弾くのも楽しいんですよぉ〜♪ リフに迫力が出ます」

コードを弾いたのときの深い響きェ……。恍惚のマリオさん。

構えてみるとやっぱりデカくてかっこいい! サイコーにキマってますよ。

普通のギターとは違う響き、新鮮な気持ちになれる
「普通のギターじゃないっていうところに惹かれて買ってしまいました。僕は5度下げで使っているんですが(※チューニングの難しい話はまたの機会に!)、やっぱり普通のギターとは全然違う、深い響きですごく面白いんです。歪ませてもいいし、クリーンでも楽しいし。普通のギターに慣れている人も新鮮な気持ちで演奏できるので、いろんなアイディアも出てくるんじゃないでしょうかね。チューニングが変わるので、普通のギターの感覚で弾いちゃってコードを間違えることもありますけどねぇ……ハハハ! 普通のエレキよりも弦は太くなりますけど、アコギの弦と同じくらいの太さなので、アコギを触ったことがある人はあまり違和感なく弾けると思います。今使っていたらカッコいいと思うなぁ。ぜひこの世界観を味わってみてほしいですね。バリトンギターおもしろいですよ!」

実演動画(噛み気味)

【著者紹介】

宮城マリオ
エアギタリスト、ミュージシャン。日本エアギター協会幹事。小学生でピアノを始め、中学生でトロンボーン、高校生でギターの演奏を覚える。大学では音楽を専攻。エアギタリストとしての活動のほかに、バンド活動も展開中!【ライブ予定】2月13日(土)両国サンライズ(エアギター)、2月20日(土)東高円寺UFO CLUB(バンド“冥虫”にてキーボードとベースを担当)、2月22日(月)新宿レッドクロス(バンド“まぼろしのみぎ”でキーボードを担当)

[耳マン編集部]