ベースなのに弦が4本じゃないものがあるのはなんで?『教えてミュージさん!Vol.2』

連載・コラム

[2015/12/1 16:04]

バンドに関する疑問をズバッと解決する「教えて!ミュージさん!」。今回は「ベースなのに弦が4本じゃないものがあるのはなんで?」です。「ギターは弦が6本、ベースは4本だと思ってたけど……」そんな疑問を持っている人もスッキリすること間違いなしです。

1、5弦ベース、6弦ベースなどがある
オーソドックスなベースは確かに弦が4本ですが、近年ではそれ以上の弦が張られているベースもたくさんあります。弦が5本のベースは「5弦ベース」、6本のものは「6弦ベース」といい、5本以上の弦が張ってあるベースは総合して「多弦ベース」とも呼ばれます。

5弦ベース
6弦ベース

2、ドリカムの中村正人は6弦ベース
国民的な人気を誇るDREAMS COME TRUEのベーシスト、中村正人氏が弾いている楽器を見て「あれってベース?」と思っている人もいるのでは? そうなんです、中村氏が使用しているのは紛れもないベースで、6本の弦が張られた6弦ベースなのです。現在はほかにもたくさんのベーシストが5弦ベースや6弦ベースを使用しており、多弦ベースもまったく珍しくはありません。

中村正人が表紙を飾る『ベース・マガジン』2014年9月号

3、低い音が必要になってきた!
どうして多弦ベースが出てきたの? それはズバリ、低い音が必要な音楽が生まれてきたからです。1980年代にシンセサイザーを主体にした打ち込みの音楽が流行し、それまでよりも低い音が必要とされる音楽が次々に生まれました。そこでベーシストたちも低い音を求めるようになり、4弦ベースよりも低い音が出せる5弦ベースが人気を博しました。5弦ベースは4弦ベースに太い弦を1本追加し、低い音を出せるようにしたものなのです。
(※6弦ベースは5弦ベースに細い弦をさらに1本追加したものです)
さらに、ベース奏法も発展し、ハデなテクニックを駆使するプレイヤーたちも現れ、ギターのように幅広いサウンドを得られる6弦ベースを使用するベーシストも増えました。現在もベーシストたちは楽曲に合わせ、4弦ベースだけではなく、さまざまなタイプのベースを選んでいるのです。ちなみに、ドリカムの中村氏もバラエティ豊かな彼らの楽曲に対応できるよう、6弦べースを使用しています。

4、すごい多弦ベースがある
5弦、6弦ベースだけでなく、7弦や8弦ベースもあります。動画のベーシストが使っているのは11弦ベース。ここまでくるとベースという楽器の枠を超えている感もありますが……このように個性豊かなベーシストたちも世界中にたくさんいます。

11弦ベースでのプレイ……。すごい

いかがだったでしょうか? ベースは地味だと思われがちですが、まったくそんなことはなく、ベーシストたちはさまざまなタイプのベースを駆使して個性豊かな演奏を楽しませてくれています。「ベースは弦が4本」というのはいまや常識ではありません。個性豊かなベーシストたちのプレイにもぜひ注目して、音楽を楽しんでみてください。今日(11月11日)はベースの日! なおさらベースに耳を傾けて低音を堪能しましょう!!

[耳マン編集部]