ドラムの人ってどうやって練習してるの?『教えて!ミュージさん!Vol.3』

連載・コラム

[2016/1/30 12:00]

バンドに関する疑問をズバッと解決する「教えて!ミュージさん!」。今回のテーマは「ドラムの人ってどうやって練習してるの?」です。「ギターみたいに家で練習できなくない?」そんな疑問を持っていた人もスッキリすること間違いなしです。

1、そもそも自分のドラムセットを持っている人は少ない
弦楽器や鍵盤系などと違って、アマチュアで自分のドラムセットを持っているドラマーは多くありません。防音室があるような人でなければ自宅で思い切り叩くことは到底できませんし、ドラムセットは大小さまざまなサイズのドラムやシンバルで構成されているため、練習ごと、ライブごとにセットのすべてを運搬するのも難しいでしょう。
一般的にドラマーが持っている機材と言えば、スネアドラム、キックペダル、スティックのようです。バンド練習のときにはこれらをリハーサルスタジオに持っていき、常設のドラムセットのスネアドラムやキックペダルと取り替えて使用しています。

スネアドラム
キックペダル

2、いろんな練習用アイテムがある!
では、ドラムセットを持たないドラマーたちは家でどんな練習をしているのでしょうか? 現在はさまざまな練習用アイテムがあり、それらを駆使して自宅練習に励んでいるのです。
練習用アイテムとしてポピュラーなのが「トレーニング(練習)パッド」です。消音素材で作られた、ストローク(スティックを振ること)の練習用アイテムで、ゴムやシリコン製、メッシュタイプなどさまざまな製品があります。このトレーニングパッドを使って、自宅でルーディメンツ(スネアドラムの基礎的な練習)などを行ないます。近年では、本物のドラムに近い叩き心地を再現しているトレーニングパッドもあります。
そのほかにも、ドラムの打面に乗せて消音効果を得る「消音パッド」を使ったり、ドラムのヘッド(打面に用いられる皮)を消音タイプの「メッシュヘッド」などに取り替えたり、スティックの先に消音キャップを付けて机などを叩いたり……さまざまなアイテムを使った練習法があるようです。

トレーニング(練習)パッド

3、エレクトリックドラムがすごい
多様な消音アイテムが開発される一方で、「エレクトリックドラム」(「電子ドラム」「エレクトロニックドラム」とも言う)も人気です。これは先述したトレーニングパッドを電子化したような機材で、パッドを叩くと本物のドラム音に非常に似た電子音が出ます。ヘッドフォンをして使用するのですが、近年のモデルでは叩いた音の強弱もリアルに再現されており、その再現度の高さには驚かされます。さらに練習機能も充実しており、カラオケ音源に合わせて叩いたり、リズムどおりに叩けないと音が出ない機能など、上達に役立ちます。

エレクトリックドラム

4、本を叩いたり、太ももを叩いたりも!
週刊誌や書籍などをトレーニングパッドのように叩いて練習する、というのもドラマーあるあるのようです。また、手でひざや太ももを叩き、足で地面を軽く踏みつけて音を出す“疑似ドラム”もいい練習になるようです。

ドラマーの自伝を読むのも勉強になる!

5、リハーサルスタジオの「個人練習」を利用する
とは言え、やはり生のドラムを叩かなくては実践の現場で活躍できません。ドラマーたちが生のドラムを叩いて練習する際には、リハーサルスタジオの「個人練習」というサービスを利用する人が多いです。この個人練習は多くのリハーサルスタジオが用意している料金プランで、ひとり(またはふたり)で利用する場合にスタジオ代を安くしてくれるというもの(基本は前日または当日予約)。トレーニングパッドなどで基礎練習を行なったのち、リハーサルスタジオの個人練習を利用して生ドラムで実践する、といったドラマーが多いようです。バンドをやっている人の場合は、個人練習のスタジオ代に加え、バンドのみんなで練習したときのスタジオ代もかかってきますので、金銭的に大変な部分もあるようです。

6、レッスンに行く
ギターやベースなどと同じく、音楽学校やスクールのレッスンに行く方法もあります。レッスンでは講師の指導のもと、生のドラムを叩いてしっかりと練習できます。もちろん学校やスクールによって価格や環境が異なります。

いかがだったでしょうか? ドラマーに向けたさまざまな練習アイテムが発売されているのですね。また、ドラマーたちは他のパートのメンバーよりもスタジオ代がかかりがちなこともわかりました。ドラマーの恋人がいる人は、相手に多少お金がなくても許してあげてくださいね。

[耳マン編集部]