LOW IQ 01&渡邊忍 × ゆってぃの『わちゃわちゃ音楽談義』
ロック界でカリスマ的人気を誇るマルチミュージシャンLOW IQ 01がソロ活動17年目を迎え、自主レーベル“MASTER OF MUSIC RECORDS”を立ち上げた! そして、これまでも彼のバックを務めてきた渡邊忍(ギター)、福田“TDC”忠章(ドラム)、日向秀和(ベース)とともにレコーディングを行い、LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERS名義でミニアルバム『THE BOP』をリリース。ここでは、自主レーベル立ち上げ&リリースを記念して、LOW IQ 01&渡邊忍、そして彼らと親交がありパンク/ハードコア好き芸人としも知られるゆってぃによる鼎談を決行。気心知れた3人によるわちゃわちゃなトークをお楽しみあれ〜!
ふたりとも確実に人力舎キャラ(ゆってぃ)
渡邊忍(以下、忍):ゆってぃはこれまでもこういう対談ってやってきたの?
ゆってぃ(以下、ゆ):いやぁ、初めてです。イチ(01)さんだけに1回目ってことで。
LOW IQ 01(以下、01):おー!いいじゃん! (マネージャーに向けて)その前にちょっと買い物お願いしていい……? ノンアルお願い。昨日TOSHI-LOWと対談があったんだけど飲みながらやっちゃってさ。
忍:だからってまた飲まなくても(笑)。しかもノンアルって。
01:ノンアルって以外といい感じになるじゃん。ちょっと酒も残ってるからテンション上がるの。ノンアル大好き。
ゆ:キリンからCMもらおうとしてますね〜!
一同:爆笑
耳マン:とても仲がよさそうですが、みなさんどんな繋がりがあるんですか?
ゆ:かなり前ですけど、ツネさん(恒岡章/Hi-STANDARD)の紹介で市川さん(LOW IQ 01の本名)と知り合ったんですよ。
01:そうだそうだ。ツネと飲んでるときに「友達呼んでいい?」って言われたんだ。「誰?」って聞いたら「小さいことは気にすんなのヤツ」って(笑)。そのときはゆってぃ知らなくてさ。実際来たときも私服だったし。そのあとなんかの雑誌にゆってぃが出てて、「こういう芸人なんだ」って知ったんだよね。「普段は銀の服(衣装のこと)着ねぇのか!」って。
忍:そりゃ着ないでしょ(笑)。
ゆ:でも今では市川さん、僕が出てるBSの番組もチェックしてくれてるんですよ! 東京03の角田さんとやってるやつとか!
01:お笑い好きなのよ。
ゆ:大阪のお笑い番組の映像、取り寄せたりもしてますもんね。
忍:お取り寄せまでいっちゃってますか……(笑)。
耳マン:忍さんとゆってぃさんはどんな繋がり?
ゆ:ライブのあと、市川さんの楽屋に行くと忍さんもいたりして。
忍:そうそう。共通の友達もいたりね。(スタッフがコソッと来て)……ん? シャツのボタン? わぁほんとだ……外れてる(笑)。
ゆ:何してるんすか(笑)! しかも第2ボタンて。中学生じゃないんだから(笑)。
一同:爆笑
01:ゆってぃやっぱり芸人なんだねぇ。ちゃんと突っ込めるじゃん(笑)。
ゆ:一応、人力舎なんで……。
01:そう言えばさ、ゆってぃは何でツネと知り合いなの?
ゆ:ハタチくらいから仲良くさせてもらってるんです。飲み屋で飲んでたら隣でハイスタが打ち上げかなんかやってて。ツネさんお笑い好きだから、俺を見て「テレビに出てる芸人だ!」みたいになって。
01:マンブルゴッチ(※)時代?
(※)ゆってぃが以前組んでいたお笑いコンビ
ゆ:そうですそうです。
01:そのときから人力舎なの?
忍:なんで気になるのそこ(笑)。
ゆ:は、はい……(笑)。
01:いやぁ、人力舎はいい事務所だよねぇ。俺、芸人だったら人力舎入りたいもんね。
ゆ:市川さんは確実に人力舎キャラですよ。忍さんも。
忍:気合入れない系のタイプのね。
ゆ:ガツガツしてるバンドマンは吉本って感じ。ドンドン前に行く系の人……TOSHI-LOWさんとか。
01:ライブ中に人の上、人の上を歩くタイプね(笑)。
耳マン:おふたりはゆってぃさんのほかにも仲がいい芸人さんっています?
01:ロンブーの亮とかはライブに来てくれてたりするよね。あとダイノジとCOWCOWの善しとか。
忍:僕はそんなにないかなぁ。
耳マン:忍さん、めっちゃしゃべりおもしろいので、芸人の友達が多そうですけど。
01:確実にゆってぃよりおもしろいよね。
ゆ:ライブのMC観てて嫉妬するときありますから。
2 いやいや、僕はバンドマン!(外人っぽい発音で)だから。
耳マン:(笑)。リハーサルとかはもちろん真面目にやってるんですよね?
01:ギターのフレーズを確認したりしてるときもキャッキャしちゃってね。女子高生みたいになっちゃうのよ(笑)。
耳マン:フレーズの確認でそんなにおもしろいことって起きます(笑)?
01:だっておもしろい質問とかしてくるから!
ゆ:おもしろい質問ってなんすか(笑)!
忍:たいした質問じゃないんですけどねぇ。ひと言多いのかもしれないですね、これは。
01:いやいや、ひと言多いんじゃなくて、“ひと言うまい”んだよ。
ゆ:“ひと言うまい”って新しいジャンルですね。憧れるわぁ。
イチくんの姿勢にはすごく刺激受けてます(渡邊忍)
耳マン:アルバム制作時もこんな感じで和気あいあいと?
01:俺は楽しかったけど……忍はどう?
忍:ベーシックなところはイチくん(LOW IQ 01のこと)が作ったので、僕は華を添えるくらいの感じですよ。サッと仏花そえるくらいのね。
01:いやぁ、忍はプレイも音色もやっぱりすごいよ。グルーヴもあるし。意外にリーダー気質もあるんだよね。仕切るのがうまいのよ。
ゆ:もしかして……乗っとろうと?
01:そうなの!?
忍:いやいや、僕は所詮、雇われ店長タイプだし……。
一同:爆笑
ゆ:でもここらへんのコンビニの中じゃ一番です!みたいな(笑)。
忍:いつも使っていただきありがとうございます!っていうね。前向き系の店長。そういう感じですよ。
ゆ:前向き系の店長(笑)。
忍:でもレコーディングのときはとても真面目にやってますよ。
01:本当かなぁ……。
忍:いやぁ……あんまり集中しすぎてもおかしくなっちゃうから、なるべく楽しもうと思って。今回のレコーディングでも、スタジオにガムテームがふたつあったからリズムに合わせてパカパカぶつけて合ってたら……すごい楽しくなっちゃって。すごい馬っぽくなって。近くに馬事公園もあったし。
耳マン:全っ然真面目じゃない(笑)。
01:(笑)。でもやっぱり信頼関係あってのバンドだからさ。このバンドのメンバーに細かいこと言ったことは一回もないよ。
耳マン:イチさんとゆってぃさんはどんな感じで会ったりしてるんですか?
ゆ:いっつもこんな感じで飲んでますね。時間が深くなってきて市川さんが酔っ払うと、昔の怖かった時代の話を聞くっていうパターンで(笑)。何回聞いても楽しんですよね。
01:TOSHI-LOWもそういう話が好きだよなぁ。中学生のときとかって「あの先輩って強いんですか?」とか聞いてくるやついたじゃん。完全にあんな感じで。
ゆ:TOSHI-LOWさんはヤンキー気質だけど、僕は『実話ナックルズ』とか読んでその真実が知りたいみたいなダサいタイプ(笑)。市川さんはいつも楽しい酔い方をするので、酔うといろんな話をしてくれるんですよね。だからバカなふりしていいろいろ聞き出してます。
忍:バカなふりしてるのバレましたなぁ……。
ゆ:やべぇ(笑)!
忍:イチくんはホントに生き字引だよね。いろんな時代を知ってるし。
01:そういう風に言ってもらえるのって、長く音楽をやって来られてるっていう証だからホント嬉しいよね。しつこくやってきてよかったなって思うよ、マジで。続けてきてよかった。
忍:音楽を続ける秘訣って何なんです?
ゆ:魔法の薬とか……。
忍:お粉でございますか!? ハッピーパウダー的な(笑)!?
01:ハッピーターンのハッピーパウダーうまいけどさ(笑)、真面目に言うと、ライバルがまわりに多いからがんばれるってのはあると思う。
ゆ:ライバル、ごつい人ばっかりですもんね。
01:俺の同期ってみんなまだ現役だもん。自分もまだまだがんばりたいよ。正直言うと、バンドブームってすぐ終わると思ってて、俺もアルバム1枚出せればいいかなくらいの気持ちだった。でもこういう風に続けられるなんて、ホント夢みたい。
耳マン:今作は自主レーベルからのリリースとなりますが、特別な思いはありますか?
01:メジャーだと自分の思いとは違う感時になることもある。それはしょうがないけど、待っててもしょうがないし、やりたいことがあるならやっぱり自分でやっちゃっほうがいいかなって。そういう感じかな。まわりには自分たちでレーベルやってるやつも多いし。
忍:メジャーでしっかりやってきた人が自主レーベルをやるっていうのはすごく意味があることですよね。最初から自主レーベルをやるってのと重みが全然違う。もちろん内容は変わらないだろうけど、説得力っていうか、そういう部分が増すと思うんですよね。こういう姿勢、僕もすごく刺激受けますね。
01:ありがたいねぇ。ゆってぃも独立したら?
ゆ:いやいや! 僕は人力舎に守られて生きてますから(笑)! 絶対辞めない! そんな冒険しないっ!
忍:確かに冒険だよなぁ。僕もそんな勇気ないかも。イチくんが誰もやれないことやってるんだよね。
すごい新鮮で楽しかった。バンドスタイルで(LOW IQ 01)
ゆ:市川さんのソロってポップなイメージがありますけど、今回はめっちゃバンドサウンドになってるじゃないですか? これってなぜなんです?
01:やっぱりLOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERSがどんどんバンドっぽくなってきたからじゃないかな。最初は「ライブやりたいからとりあえず手伝って!」って感じでお願いして。それで「もう一回やって!」「もう一回!」って感じでツアーもやったんだけど、この勢いでレコーディングしたら良い感じにバンドっぽくなるんじゃないかって思ったんだよね。シンプルにガツンとロックしたくてさ。
ゆ:最初は予備知識もないまま聴かせてもらったんですけど、まず忍さんの声が聴こえてきて、さらにTOSHI-LOWさんのコーラスも……。なんだこの豪華なCD!って思いましたよ(笑)。
01:これまでは自分の声をオーバーダビングする作品をずっと作ってきたけど、そろそろほかのメンバーの声も聴きたいなって思ったんだよね。忍は自分の店(ASPARAGUSのこと)ではボーカルもやってるし。
忍:ここでは雇われ店長ですけどねぇ。
01:すごい新鮮で楽しかったよ。バンドスタイルで。
ゆ:後説みたいなのが入ってる曲(2曲目『Snowman』のこと)あるじゃないですか。曲が終わったと思いきや、また始まるみたいな。あれ、いいですよね!
忍:後説って(笑)。舞台のカーテンコールみたいな感じかなぁ。「ありがとうございました!」みたいな。
01:曲も長くなっちゃうけど、あえて入れたほうがドラマチックかなと思って。そういう風に言ってもらえると入れてよかったと思うよね。
耳マン:レコーディングで大変だった曲はあります?
01:全然ないですね。ほとんど一発でOKだったから。忍は結構細かくやってくれたよね? ASPARAGUSではここまで歪みかけないもんね。
忍:確かに歪みは細かく作りこみましたね。オーナーのこと気にしてるんで。イチくんが気持ちなくなるように。
ゆ:さすが雇われ店長っ!
01:『Low IQ High Energy』なんてさ、全然忍らしくないメタルっぽいギターだもんね。
忍:この曲はかなりイケイケにしてます。確かにここまでは歪また音はあまり使わないですね。
01:DIEZELのアンプでさ、イカつい音になってるよね。
耳マン:おっ、真面目な楽器トークですね。
01:一応リットーミュージックさんのサイトだから機材のことも言わないとなと思って!
ゆ:さすがオーナー!
01:だからここまで来れたんだよっ(笑)!
ゆ:でもやっぱりこういうロックっぽい市川さんは、SUPER STUPID(※)世代の僕は嬉しいですよ。「市川さんが帰ってきた!」って感じましたもん。この前のSUPER STUPID復活(※※)は仕事で観られなかったし……。またやってほしいです。
(※)LOW IQ 01が以前に所属していたパンクパンド。1994年に結成、1999年に活動停止
(※※)2015年に開催されたBRAHMAN主宰フェスで同バンドは一夜限りの復活を果たした
01:ゆってぃのためにはやらないわぁ(笑)。
ゆ:え〜! でも昔、僕が結婚することがあったら何かやってくれるって言ってくれたじゃないですか! ツネさんドラム、忍さんギター……
01:で、俺がベースかぁ……。
耳マン:めっちゃ豪華!
01:じゃあゆってぃのバンドの曲コピーしよ(笑)。バンドやってるじゃん。
ゆ:それは勘弁してください(笑)!
忍:イチくんレーベル立ち上げたし、そこからゆってぃのバンド出すのどうです?
01:マジかぁ……。でも世の中、何があるかわかんないからなぁ。
忍:この流れでいっちゃうかもしれないですよ。夢が膨らみますねぇ。
耳マン:……さてさて、そろそろ宴もたけなわってことで。今後のみなさんの予定を聞かせてください。
01:LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERSで9月26 日に渋谷CLUB QUATTRO、28日に名古屋CLUB QUATTROでライブがあります。2箇所だけなんですけどね。今回のアルバムの曲だけじゃなくて、これまでの作品の曲もやるつもりです。
忍:楽しみですね。ASPARAGUSはアルバム製作中。早めに出したいのですっごいがんばってます。Noshowでもちょこちょこ活動してますよ。
ゆ:僕は映画に出ることが決まりました!
01:えっと、馬の役!?
ゆ:誰が馬ですか! 詳細はまだわかってないんですけど、鳥居みゆきが主演ってことだけは知ってます。
忍:それはなかなか良さそうだなぁ。
01:俺も出られないかな!?
ゆ:フラフラしてたらもしかしたら……。
忍:おっ!
01:なんだよそれ! ただのエキストラじゃねぇかよ!
一同:爆笑
(終わり!)
アルバム『THE BOP』2016年7月6日発売!
レコ発ワンマンツアー『BOP SHOW』
・9月26日(月)東京・渋谷 CLUB QUATTRO
・9月28日(水)愛知・名古屋 CLUB QUATTRO
アーティストによる『THE BOP』推薦コメントやライブ詳細はコチラ