世界に羽ばたけDJ RENAぁぁぁ! 大注目の11歳DJにいろいろ聞いてきた

特集・インタビュー

[2016/9/12 17:00]

日本一のDJを決定する大会『DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIP 2016 FINAL』にも出場した若干11歳のDJ=DJ RENAをご存じでしょうか? まだまだ小柄な体格、そしてあどけない表情ながらも……そのプレイは超すさまじい! 今もっとも注目しておきたいDJなのです!

DJ RENA - Virtual Insanity x Walk This Way (Routine)fromDJcityTVonVimeo.

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普段は奈良県で生活しているRENAくんが、先述の『DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIP 2016 FINAL』に出場するために都内に来ているというので彼を直撃! 動画のなかで会い続けてきた彼に実際に会えるなんて……。気になってたアレコレを聞きまくりたい!

・ダンスからDJの世界に飛び込んだRENAくん

早速、RENAくんに根掘り葉掘り聞いてみよう。RENAくんはもともとダンスをやっており、小学校3年生のときに出場したダンスイベントでDJをしていたDJ 443のプレイに感動してDJに夢中になったそうだ。RENAくんのお父さんがかつてDJをやっていたこともあって機材は家にあったといい、YouTube動画を観て練習に励んだそうだ。なお、元DJのお父さんだが、イケイケ感は皆無っ! 素朴でめっっっちゃ優しい雰囲気に包まれていて……そりゃRENAくんも立派に育つわぁ。

・RUN DMCが大好き!

RENAくんに普段どんな音楽を聴いてるのか質問してみた。やっぱり普段は流行ってるアニメものとかアイドル系とかを聴いているんだよね!?
「いろいろ音楽は聴いてるけど……LL COOL JとかRUN DMCとかかなぁ。RUN DMCはロックな感じが好きで、ラップがうまく音にハマってるところも好きです」

なんとクールな! 僕もこんなこと言える小学生になりたかった……。普段は友達とどんなことしてるの?
「遊ぶときはトランプとか……あとは手打ち(バットの代わりに手で打つ野球のこと)とかですね!」

わぁぁ、めっちゃほっこり。だよね、やっぱり小学生だもんね。学校ではどの教科が得意なのかな?
「得意なのは英語。あとは算数と国語ですね。勉強は好きです。特に英語が好きです」

これから間違いなく世界に出て行くだろうRENAくん。やっぱり今から意識的に英語を勉強しているようです。学校に好きな子はいるのかな? へへへ、おじさんに教えておくれ〜。
「好きな子、いないですし、ぜんぜんモテないですよ。バレンタインもひとつももらったことないです(笑)」

なんて恥ずかしい質問をしてしまったのだろうか……。あんなプレイを生み出すんだもの、恋愛なんてそっちのけで日々練習に励んでいるに違いない。絶対に人気者なのに謙遜までさせてしまって。ホントごめんなさい……RENAくん。

・リズム感の良さ、そしてハートの強さ

今度はまじめに、ダンスとDJの似ているところについて聞いてみた。
「似ているところは“リズムキープ”の大切さと、音をハメていくっていうところ。DJもちょっとズレただけでも変になるじゃないですか。ダンスもそれと同じで、ちょっとでもズレたら変になっちゃう」

なるほど。リズム感の良さが彼のプレイを支えているのだ。
「あと、ダンスにもバトルがありますけど、DJもプレイで競い合うところが好きです。チームで踊るショーケースも好きですけど、特にダンスバトルがおもしろいです!」

話しているときはとってもシャイなRENAくんだが、生粋の勝負師ようだ。DJの得意なプレイを教えてください!
「得意なのはボディ・トリック(背を向けてプレイしたり、足の間に腕を通してプレイしたりするテクニック)とジャグリング(2台のターンテーブルで同じトラックの特定パートを繰り返しプレイするテクニック)です。あと僕が編み出したスクラッチのテクニックもあるんです。DJ Q-Bertがやっていた右手のスクラッチを左手でやってみただけなんですけど、まわりのDJたちが“そんな技見たことない”って。名前は考え中です」

DJ Q-Bertって“スクラッチの神”とも言われてますよね……。それをいとも簡単に真似できるなんて。改めてすごいぜRENAくん。大人の前でも臆することなく実力を発揮できるハートの強さもストロングポイントだと思うけど、プレイ中に緊張したりは……?
「基本的に緊張はしないですね。でも受賞したときにコメント言わないといけないときは緊張します。自分で声を出さないといけないから……。ターンテーブルだと自分の声を出さなくていいから緊張しないんです」

堂々たるDJプレイに反して、喋るのは苦手だというRENAくん。ターンテーブルを“自分の声”として操っているなんて、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか! 今後はどんな DJになりたい?
「A-Trak(史上最年少の15歳でDMCチャンピオンに輝いたDJ)の最年少記録をやぶりたいです! がんばります!」

・「好きなことを好きなだけやらせてあげたい」

DJに対してチャラついたイメージを持っている人もいるかもしれないが、RENAくんからはまったく(!)そんな印象は受けない。とにかく真面目でストイック、何よりもDJが大好きだという気持ちがビシビシと伝わってくる。取材にはお父さんも同席してくれたが、お父さんが語ってくれた「好きなことを好きなだけやらせてあげたい。でも決めたことは中途半端で終わらせないでほしい」という教育方針も、こんなにもしっかりとしたRENAくんをつくり上げた大きな要因だと感じた。RENAくん、喋るのが苦手なのにお付き合いいただいて本当にありがとう! 以下では、そんなRENAくんが挑んだ『DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIPS』の模様を紹介しましょう!

・DJ RENA、大人顔負けのプレイでオーディエンスを魅了!

(Photo by Yu Takahashi)

日本一のDJを決定する大会『DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIP 2016 FINAL』が8月27日に渋谷のWOMBで開催され、DJ RENAは東海地区代表として同大会に参加した。この大会で優勝したDJは、日本代表として世界一のDJを決定する世界大会『DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS』に出場できるというわけ。がんばれDJ RENA!

2012年にいったん休止となった『DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIPS』は、新体制により2013年に復活。今年は6分間のDJテクニックを競う“シングル部門”に加え、トーナメント形式の“バトル部門”が復活したことでも話題となった。DJ RENAは多くのDJがどちらかの部門を選らんで参加するなか、両部門にエントリー。そのプレイに注目が集まった。

バトル部門が復活したことでゲストアーティストの数も減り、オーディエンスたちも出場者たちのパフォーマンスにより集中している様子……そんななかDJ RENAがプレイ! バトル部門では体操服と赤白帽子という自らのキャラクターを存分に生かしたコスチュームで登場し、相変わらずの大人顔負けプレイでオーディエンスを魅了! 1回戦ではDJ MAMURUを破ったものの、準決勝でDJ NORIHITOに敗退してしまった。惜しい!

シングル部門では、これまたランドセルを背負った“登校スタイル”で登場。6分間の“流れ”を意識し、ジャグリング、スクラッチなどのテクニックを織り交ぜた圧巻のプレイを展開。ここでも彼を上回るDJが多く、惜しくも入賞を逃したが、第一目標だった「小学生のうちにジャパンファイナルの舞台に立つこと」の想いを叶えたと同時に、11歳(小学生)がDMC JAPANの歴史上、初めてファイナルの舞台に立ったという微笑ましい足跡を残した。

今大会では、即興性の高いバトル部門が復活したことで場数をこなしているベテラン勢が同部門に流れ、次世代のターンテーブリストたちがシングル部門に多く集った印象があった。そんな次世代ターンテーブリストの最前線をいくのは間違いなくDJ RENA! 今回は残念な結果となったが、彼がA-Trakの最年少記録を破ってくれると信じたい。世界のトップに立った日には、ぜひともまた取材をさせてもらいたいです! がんばれRENAくん! 応援してます!

【取材協力】
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[耳マン編集部]