【インタビュー】デーモン閣下が語る『地獄の再審請求 -LIVE BLACK MASS武道館- 』

特集・インタビュー

[2016/10/20 12:00]

10月26日、聖飢魔IIが開催した武道館公演2デイズの模様を収録した黒ミサ大教典(ライブアルバムのようなもの)が発売となる。なんと耳マン編集部では、書籍『デーモン閣下 悪魔的歌唱論』の取材のため弊社に降臨していたデーモン閣下をキャッチ! 同作について語っていただくという貴重な機会を得た!

聖飢魔IIとしては珍しい(笑)ものすごく音楽率が高い大教典である

———10月26日に黒ミサ大教典(ライブアルバムのようなもの)『地獄の再審請求 -LIVE BLACK MASS武道館- 』が発布されるということで、ぜひ同作に関するお言葉を頂戴したいと思います。同作は魔暦18(2016)年2月に開催された武道館公演2デイズの音源を混ぜたものなんですよね?

そういうことだな。

———聴きどころはどういったところになりますか?

そういう普通の質問を最近受けてないからすごく難しいな……。昨今発布した黒ミサ大教典にはトークがたくさん入っているのだけれども、今回は武道館2デイズで演奏した曲をなるべく被らないように、かつ2枚に収めた結果、ものすごくトークを端折ることになった!

———おもしろかったあのトークも?

そう、カット!……、それ、聴きどころとは逆じゃないか(笑)! いや、ある意味音楽に特化している、聖飢魔IIとしては珍しい(笑)、ものすごく音楽率が高い大教典であるということだな。

———初期の曲が多く収録されているのも信者的には嬉しいんじゃないかと思うのですが。

武道館でミサをやることを発表したのとほぼ同じ時期に、魔人倶楽部IIIという今回の再集結だけのために作った信者の倶楽部、いわゆるファンクラブのサイトにて“初日は第二大教典『THE END OF THE CENTURY』の曲を全部やるからな”という告知をした……このことは、結局一般に向けてはアナウンスしなかったわけだが。第二教典の曲がほぼもれなく、曲と曲の間の『語り』も含めて網羅されているので、確かに昔からの信者諸君にとっては聴きどころかもしれないな。

———『悪魔組曲』などもまとめて聴ける教典はなかなかないですもんね。

あぁ。『悪魔組曲』を演奏したのは、地球デビュー20周年のとき以来だからな、日本では。

———大きな聴きどころですね。

大きな聴きどころだな!

———ところで、閣下的に「ギターが良かった」というのはどの曲ですか?

それはいろんなバランスがあるから難しい……。あっちを立てればこっちが立たずなのだな……。『MASQUERADE』だな!

———なるほど。

ギターバトルがあるじゃないか!

———和尚(ゼノン石川和尚/ベース)的な聴きどころは?

『秘密の花園』だな。まぁベースソロがあるから聴きどころっていうのも変だが、この曲にはベースソロがあって、今作でもいい感じになっているのだ。ベースソロも毎回違うからな、出来不出来が実はある。

———不出来も!?

まぁそうだな。「今日のはそんなにグッとこなかったなぁ」みたいなことはあるのだ。ハッハッハッハ!

———この日は非常に良かったんじゃないかと。

良かったと思うぞ。あとは……うーん。

———『EARTH EATER』も聴きたかったですよ。

おぉ、スラップか。やってないなぁ『EARTH EATER』! 聖飢魔IIでは今世紀になってやってないんじゃないのか?

地獄の再審請求 -LIVE BLACK MASS武道館-

———では、殿下(ライデン湯澤殿下/ドラム)の演奏の聴きどころはいかがですか?

うーん、『GO AHEAD!』だな。あれだけ難しい難解な曲をスッとこう、こともなげに叩く。しかも安定している。おもしろいのはな、うちのグループは基本的にクリックを使わないのだ。

———コンサート中も?

あぁ、よっぽど“同期モノ(コンピュータープログラミングされた音。それを生演奏と同時に再生させることをこう呼ぶ)”がない限りはな。『GO AHEAD!』は今回の武道館で2日間ともやったが、9分もある曲なのにほぼ演奏時間が一緒だからな。いつも同じテンポ感で叩いてるのだな。そのくらい正確なのだ。

———殿下のタイム感のなせる技っていうことですか?

まぁ、そういうことになるな。

———そういうドラマーとはやりやすいですか?

あんまり言うとほかのドラマーに失礼だが……やっぱり一番やりやすいぞ。殿下のドラムが。

———閣下的に「吾輩のこの声を聴きたまえ」みたいな曲はありますでしょうか? MCじゃないところで……。

しまった! それを言おうと思ってたのに。釘を刺されてしまった、ボケに釘を刺されてしまった! ボケ封じだ!! ヴォーカルねぇ、ヴォーカルねぇ、この前の大教典のほうが良いんだよな。フハハハハハハ! 『続・全席死刑 -LIVE BLACK MASS 大阪- 』が実に聴き応え・観応えのある教典なのだ……。で、武道館でね……ヴォーカルは何だろうなぁ……あぁ、『BAD AGAIN -美しき反逆-』だな。「この『BAD AGAIN』は良かった」という言い方もおかしいけれども、やっぱりある程度の出来不出来があるからな。「今日は調子が良いな」とか「今ひとつ声のツヤがないな」とか「ここの伸びが悪いな」とかな。この『BAD AGAIN』は多分“良い『BAD AGAIN』”だ。“良い『BAD AGAIN』”って……何だよ(笑)。

———BADだけど“良い『BAD AGAIN』”であると。

『GOOD AGAIN』かもしれない。

———やはり、『BAD AGAIN -美しき反逆-』のようなバラード曲のほうが声の調子の良し悪しが自己判断しやすいものなのですか?

まぁ、そうだな。そういう言い方もできるし、声の調子の悪いときはそれが目立つとも言える。ほかの曲はまぁある意味、ごまかしやすいところっていうのはあるわけだな。

———『地獄の皇太子』とか?

そうだな。だが……『地獄の皇太子』も最後のほうは難しいんだぞ! そう簡単に歌えねぇぞ!

———そんなこと言ったらどれもそうだと言えますけど……。一般の人間にとっては(笑)。

『地獄の皇太子』はけっこう難しい曲だと思うのだが。まぁいいや別に(笑)。

———じゃあ最後に再度、この黒ミサ大教典のアピールをしていただけますでしょうか!?

『続・全席死刑 -LIVE BLACK MASS 大阪- 』のほうがもっといいぞ! フハハハハハハ!

(インタビュー:ベアー)

[耳マン編集部]