女囚たちの『ごはんの歌』がいい歌に聴こえてくる……クドカンマジックにため息の『監獄のお姫さま』第4話

連載・コラム

[2017/11/8 18:45]

漫画家の鈴木詩子が話題のドラマ『監獄のお姫さま』を語るッ

宮藤官九郎が脚本を担当し、小泉今日子が主演を務め、10月からスタートしネットでも話題を賑わせているドラマ『監獄のお姫さま』。女子刑務所の中という過酷な状況でたくましく生きる女たちの群像劇を描いた作品です。今回はそんな同ドラマの第4話の感想を、漫画家の鈴木詩子氏に素敵なイラストとともに熱く綴っていただきました!

女囚たちの過去が次々と明らかに……

いや〜観ましたか? 火曜ドラマ『監獄のお姫さま』第4話! 脚本・宮藤官九郎で主演が小泉今日子という豪華な組み合わせが話題の、おばさん犯罪エンターテイメントですが……今回は女囚たちの過去が次々と明らかになってきましたよ!

夏帆演じる“姫”こと江戸川しのぶ(画:鈴木詩子)

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カヨ(小泉今日子)の旦那(赤塚雅秋)がついに刑務所に面会にやってきます。一見優しい雰囲気で、息子にお弁当を作っている話をしたり、「(カヨに刺されたことを)恨んでないし、怒ってないし」と話すのですが……そのケロッとした様子から、あぁこの人は自分も悪かったとまったく思っていないし、反省もしていないことが伝わってきます。妻より仕事ができなくて、当てつけのように浮気をして開き直るという最低の行為をしておいて、その態度はなくない?とモヤモヤしながら観ていたら……ダメ押しで一方的に離婚届を突きつけてきたんですよ。あぁ、きっとコレにハンを押してもらうためだけに来ただけで、カヨを心配する気持ちなんてまるでないんだ……と感じ、冷え切ったふたりの空虚な会話が悲しかったです。

そして、千夏(菅野美穂)の幼少時代も明らかになります。父親の会社が倒産し、母親に女手ひとつで育てられ、スーパーの試食品で食いつなぐような極貧生活を送り、お金のないみじめさ、大切さを噛み締めます。その反動で彼女は高校生の頃から高利貸しを始め、有名アナリストに登り詰めたのでした。

明美(森下愛子)も実は夫の暴力団組長(高田純次)にハメられてしまい、罪を被り服役していたとわかります。

鬼刑務官のふたば(満島ひかり)も、普段は1ミリの隙もないような振る舞いなのに合コンではデレデレだったりと……登場人物それぞれの新たな一面を知ったことで想像が膨らみ、より立体的に物語が頭に入ってくるようになりました。

ついに姫(夏帆)の妊娠もバレてしまい、雑居房のみんなに「未来の社長です。この子を守るためにここに来たんです」と告白。その発言を受けて千夏が「あんたって本当にお姫さまだね」と言うのですが……。

それまで姫のことを悲劇のヒロイン気取りで嫌いだった千夏は、出会った頃にも同じことを言ってるんですね。ですが当初は“世間知らずの考えの甘い社長の娘”的なニュアンスだったのが、今は“誇り高い勇気ある女性”と言う真逆の意味に変わっていたのが印象的でした。タイトルにもなっている“お姫さま”というワードを使って、スマートに物語の点と点を繋ぐ展開に痺れてしまい、ため息が出ました。

産気づいた姫は担架で病院へ運ばれます。カヨが窓から「頑張ってね!姫」と叫ぶと、晴れやかな笑顔でグーサインを返す彼女に、刑務所での成長を感じずにいられませんでした。そして、雑居房のみんなで『ごはんの歌』(食事のときに毎回流れるテーマソング)を歌って見送ります。間抜けなユルい歌詞なんですが……過去にいろいろあった女たちが姫の無事を祈りながら歌っていると思うと、なぜかすごくいい歌に聴こえてくるのが不思議でした。これがクドカンマジックなのでしょうか!?

あ〜今回も夢中で観てしまいました! さて、来週はどうなってしまうのでしょうか? 火曜日が待ち遠しいです!

[鈴木詩子]