小泉今日子の“ある宣言”や女囚たちの団結力に感動……あびる優の売人役も妙にハマッてた『監獄のお姫さま』第6話

連載・コラム

[2017/11/22 19:00]

漫画家の鈴木詩子が話題のドラマ『監獄のお姫さま』を語るッ

宮藤官九郎が脚本を担当し、小泉今日子が主演を務め、10月からスタートしネットでも話題を賑わせているドラマ『監獄のお姫さま』。女子刑務所の中という過酷な状況でたくましく生きる女たちの群像劇を描いた作品です。今回はそんな同ドラマの第6話の感想を、漫画家の鈴木詩子氏に素敵なイラストとともに熱く綴っていただきました!

小泉今日子の“ある宣言”や女囚たちの団結力に感動……豪華ゲストも出演の第6話!

いや〜観ましたか? 火曜ドラマ『監獄のお姫さま』第6話! 脚本・宮藤官九郎で主演が小泉今日子という豪華な組み合わせが話題の、“おばさん犯罪エンターテイメント”ですが…今回は馬場カヨ(小泉今日子)が重大な決断をする見逃せない回だったんですよ!

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刑務所の中で1年半、自分の子どものように可愛がり一緒に暮らしてきた勇介くん(夏帆演じる“姫”こと江戸川しのぶと伊勢谷友介演じる板橋吾郎の子ども)を吾郎に連れ去られてしまった女囚5人は深刻な“勇介ロス”になってしまい、何をしていても勇介くんのことを思い出してしまいます。姫はショックのあまり雑居房に戻ってから3ヶ月間、1度も笑っていません。

美容師の資格を取るために修業中のカヨは、しのぶのことが心配で、ついぼんやりしてしまい……気がついたら練習中に角刈りのカットばかりを10体ほど仕上げてしまう始末。これまでもカヨによる“何かに気を取られてしまい同じものをいくつも作ってしまう”というドジっ子表現は何度か登場しましたが…角刈り10体は初めてです(笑)。

小泉今日子演じる馬場カヨ(画:鈴木詩子)

そして今回発覚したのが、吾郎は子どもができにくい体質で、現在の妻である晴海(乙葉)が妊娠する確率はかなり低いと医者に告げられていたことです。なるほど! 後継者が欲しい吾郎が、奇跡的にできた勇介くんをどうしても自分のものにしたかったのはそういう理由があったからなんですね……。

一方カヨは、旦那がFacebookで知り合った女性と再婚の準備をしている事実を知ってしまい、これまでずっとためらっていた離婚届についに記入をします。そしてある決意を固め、夕食のときに「板橋吾郎に復讐します。月に代わってお仕置きします!」と宣言します。すると、“姉御”こと足立明美(森下愛子)、“女優”こと大門洋子(坂井真紀)、“財テク”こと勝田千夏(菅野美穂)もカヨの提案に乗ることに決めました。 時間は腐るほどあることだし、計画を練りに練って、出所したらみんなで復讐することを誓ったのです。

女囚たちはみんな帰る場所もなく失うものもなければ、帰りを待っている人もいません。やけっぱちに思える決断ですが、妙に清々しいシチュエーションにはグッときてしまいました。そして、夕食のデザートに出されたヨーグルトで姫を交えたみんなで乾杯をします。そこで、久しぶりに姫の笑顔が見られてホッとしました。

あぁ……こうやってこの復讐劇が始まったのか、と興奮しましたよ〜! ほかにも、第6話では違法薬物の売人役で出演したあびる優が妙にハマッていたり、前川清が本人役で出演していて、とても豪華でした! しかも彼がカヨとデュエットするシーンもあったんですよ。ふたりでしっとり歌う島倉千代子の『愛のさざなみ』は胸に沁みました……。それにしても、なぜこの計画に、刑務官の若井ふたば(満島ひかり)が加わることになったのでしょうか? その辺の理由が明かされるのも、非常に楽しみですね! やっぱり来週の火曜日が待ち遠しいです!!

[鈴木詩子]