伊勢谷友介演じる板橋のクズ男っぷりが加速……第1話の伏線回収も切ない『監獄のお姫さま』第5話

連載・コラム

[2017/11/15 18:00]

漫画家の鈴木詩子が話題のドラマ『監獄のお姫さま』を語るッ

宮藤官九郎が脚本を担当し、小泉今日子が主演を務め、10月からスタートしネットでも話題を賑わせているドラマ『監獄のお姫さま』。女子刑務所の中という過酷な状況でたくましく生きる女たちの群像劇を描いた作品です。今回はそんな同ドラマの第5話の感想を、漫画家の鈴木詩子氏に素敵なイラストとともに熱く綴っていただきました!

伊勢谷友介演じる板橋のクズ男っぷりが加速……

いや〜観ましたか? 火曜ドラマ『監獄のお姫さま』第5話! 脚本・宮藤官九郎で主演が小泉今日子という豪華な組み合わせが話題の、“おばさん犯罪エンターテイメント”ですが……今回はついに元女囚5人+元刑務官1人が、なぜ悪のイケメン社長に復讐することになったのかが明らかになりましたよ!

江戸川しのぶ(夏帆)がついに出産し、赤ちゃんの勇介くんと一緒に刑務所に戻ってきます。突如現れた天使のような存在に雑居房のみんなは夢中になり、交代で面倒を見ながら、まるで自分の子のように可愛がります。勇介くんが初めてしゃべった言葉が「てんけーん!」(刑務官のふたば(満島ひかり)がいつも言っている言葉)だったり、初めてのつかまり立ちが“申し出札”(女囚たちが刑務官に用事があるときに出す札)のスイッチを押そうとして成功したりと、彼は胸キュンな(!?)エピソードとともに刑務所でスクスク成長していきます。クリスマスには、“姐御”こと足立明美(森下愛子)たちがハギレで作った緑色のサロペットや、ふたばからも折り紙で作った手裏剣をプレゼントされる愛されぶりです。

勇介くん(画:鈴木詩子)

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しかし、法律上ではわずか1年半しか刑務所の中で一緒に暮らすことはできません。しのぶは、絶縁状態だった母親にすべてを告白して我が子を引き取ってもらえるように頼みます。もちろん、しのぶに罪をなすりつけて社長の地位を手に入れた板橋五郎(伊勢谷友介)には絶対に渡さないでとお願いするのですが……。

勇介くんの受け渡し当日、雑居房のみんなで別れを惜しんでいると、なんと、しのぶの母親と現れたのは、板橋! しかも、彼は勇介くんを連れ去って行ってしまったのです。も〜ショックですよ! だって、しのぶは勇介くんを守るために罪を被り刑務所に入ったのに……なんたる仕打ちなんでしょうか?

しのぶだけじゃありません。勇介くんは雑居房のみんなの希望であり、一緒に過ごした時間はかけがえのないものでした。これまで協力し合い育ててきた大切な子を、こんなひどい男にシレッと奪われてしまったら、そりゃ復讐したくもなりますよ。

そして、ここまで観てきて気付いたのは、能天気に思えた第1話が、実はめちゃくちゃ切ない話だったということです。第1話は5歳になった勇介くんを元女囚5人+元刑務官1人で誘拐するシーンから始まるのですが、あれは、生まれて1週間の頃から可愛がってきた赤ちゃんとの3年半振りの再会だったんですね……。そんなことはまるで覚えていない勇介くんの生意気な言動にもみんながデレデレだった理由が、第5話を観てようやくわかりました。

それにしても、回を増すごとに板橋のクズ男っぷりが加速していくのがもはや素晴らしいですね。「何様だよコイツ! ふたばたちに、こてんぱんにされてしまえ!」と心から思えます。

さて、来週はついに折り返し地点の第6話。いったいこの復讐劇はどうなっていくのでしょうか?
予告によると、前川清さんが本人役で刑務所に慰問コンサートに来て、馬場カヨ(小泉今日子)とデュエットするみたいですよ! しかも、あびる優さんがシャブの売人役で収監されてくるみたいなので見逃せませんね!

あぁ〜、火曜日が待ち遠しいです!

[鈴木詩子]