人間を“虫ケラ”呼ばわり!? 安達祐実の強烈オタク演技に女優としての底力を感じた『海月姫』第5話

連載・コラム

[2018/2/15 12:00]

漫画家の鈴木詩子が漫画原作で話題のドラマ『海月姫』を語るッ

東村アキコの漫画を実写化したドラマ『海月姫』が2018年1月より“月9”枠でスタート! 同作はクラゲを愛しすぎてしまった筋金入りの“クラゲオタク”の倉下月海(芳根京子)が主人公。そんな彼女がひょんなことから女装美男子の鯉淵蔵之介(瀬戸康史)と童貞エリート・鯉淵修(工藤阿須加)の凸凹兄弟に出会い、「自分には一生縁がない」と思っていた恋を知り、新しい自分を見つけていく“シンデレラコメディー”。月海とともに男子禁制のアパート・天水館で暮らすオタク女子“尼〜ず”の個性豊かなキャラクターも見どころのひとつです。今回はそんな同作の第5話の感想を、漫画家の鈴木詩子氏にキュートなイラストとともに綴っていただきました!

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安達祐実の強烈オタク演技に女優としての底力を感じずにはいられないっ!

いや〜東村アキコ原作の月9ドラマ『海月姫』第5話、みなさんご覧になりましたか? 今回は、尼〜ずのオアシス・天水館を守るために立ち上げたクラゲモチーフのファッションブランド・ジェリーフィッシュのショーをやろうとみんなで奮闘するのですが……ドレス作りの人手が足りず、千絵子さん(富山えり子)の友達でドールマニアのノムさん(安達祐実)が助っ人として加わります。

安達祐実演じるノムさん(画:鈴木詩子)

彼女は人形を愛しすぎるがゆえに自分のなかで「人形>人間」という方程式ができあがっていて、しかも人間のことを“虫ケラ”だと思っているという強烈なキャラなんですよ。
も〜その、安達さんが演じるノムさんが最高すぎるんです! 「〜でしゅ」や「どっふ〜!」といった独特でパンチの効いたワードをあんなにナチュラルに言えるなんて……本当に女優としての底力を感じます。

こんなに女優力を問われる難しい役はそうそうないと思うので、例えば大竹しのぶさんや米倉涼子さんなど、さまざまな実力派女優にもノムさんを演じてもらって、誰が1番ノムさんの本質を掴めるか競い合ったらおもしろいのに!と妄想して、ひとりで興奮してしまいました。

そして、今回ついにまややの素顔が公開になりました。ファッションショーのモデルを務めるまややは、本当に美しくてため息が出ましたね。内田理央さんが演じてるのだから美しくて当たり前なんですが、コンプレックスを抱えた冴えない女性が実は美しかったという展開にはやはりグッときてしまいますし、本当は人前に出ることなんて苦手なまややが、天水館を救うために戸惑いながらも困難に挑むその姿は感動的で、胸に迫るものがありました。

ドレスにジュースをこぼして汚してしまうなどのトラブルに見舞われながらも、なんとかショーは大成功。ショーでまややとともにモデルを務めた蔵之介は、鯉淵慶一郎(北大路欣也)のパーティからお客さんやマスコミを連れてくるため、会場の天水館にギリギリで現れます。そんな彼に月海が「来てくると信じてはいたけど、本当は不安だった……」と涙をみせると、蔵之介がいきなりキス! この、原作にはないシーンにとってもドキドキしてしまいました。しかも、ふたりのキスを修が目撃してしまうのです……。この3人の恋のゆくえも気になりますね。

そして、ついに蔵之介の母親・リナ(若村麻由美)も絡んできて、ますますストーリーがうねってきましたよ! 一体どうなっちゃうのでしょうか? 来週の月曜日が待ち遠しいです!

[鈴木詩子]