突飛な言動は承認欲求が原因?  “ユーチューばばぁ泰葉”の動画を観て考えさせられたこと……

連載・コラム

[2018/5/30 13:20]

漫画家の鈴木詩子が芸能ニュースを考&察!(妄&想)

漫画家の鈴木詩子氏に気になる芸能ニュースを考察(妄想)してもらう同コラム。今回は、YouTuberとして新たに活動を開始した歌手・タレントの泰葉に注目!

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“ユーチューばばぁ泰葉”の動画を観て考えさせられたこと……

いや〜みなさん、 “ユーチューばばぁ泰葉”という名前でYouTuber活動を始めた泰葉さんの動画を観ましたか?

泰葉さんといえば最近、Facebookで知り合った初対面のイラン人男性と婚約して破局したり、ブログでTOKIOの元メンバー山口達也さんの騒動をなぜか姉の立場から語ったりしていましたね。

このような突飛な行動は“人目を引きたい、構ってほしい”という承認欲求が元になっているように思うのですが、実際に泰葉さんの言動についてワイドショーなどで話題になっていましたし、ある意味本人の思惑どおりだったのではないでしょうか?

しかし、泰葉さんが意識的にYouTuberとして“おもしろいこと”をした途端、私には微妙に思えてしまって……。動画の内容は、小学生向けの漢字ドリル『うんこ漢字ドリル』を泰葉さんが解き、間違えたら水をかぶるというものなのですが、これってもしかして大ヒットした『うんこ漢字ドリル』と以前話題になった“アイスバケツチャレンジ”を掛け合わせて、両方の人気にあやかろうという作戦なのでしょうか? “ユーチューばばぁ”ってネーミングもどうかと思いますし、正直言っておもしろく思えなかったんですよね……。

泰葉(画:鈴木詩子)

この動画を観て、「泰葉さんにとっての幸せって何なんだろう?」と、つい考えさせられてしまいました。なんだか、泰葉さんが行動すればするほど幸せから遠のいているように見えるんです。彼女はとにかく年をとっても目立ちたいし、チヤホヤされたいという気持ちが強いんだと思います。でも、そんな感情は泰葉さんでなくとも、もしかしたら誰にでも生まれてきてしまうものかもしれません。本当にやっかいですよね。

もしおばさんになっても目立っていたいなら、例えばヒョウ柄全身タイツでお馴染みの作家・タレントの岩井志麻子さんのように、自分のことよりまわりの人たちを楽しませる余裕やサービス精神がないとダメなのではないでしょうか。やっぱり自分のことでいっぱいいっぱいだったり、構われたいから話題性のある事柄にいっちょかみしている間は、負のループが続いてしまうような気がするんですよ。

周囲の人々に対してサービス精神を持ちながら自分自身も楽しむことが幸せループへの第1歩なんじゃないかな?なんてことを、泰葉さんのYouTubeを観て考えてしまいました。

鈴木詩子

すずきしいこ●漫画家。代表作『女ヒエラルキー底辺少女』は実写映画化・舞台化された。アイドルやプロレスに造詣が深く、ポップでキュートなイラストや独自の視点から綴られるユーモアあふれるコラムも人気を博している。