“鉄塔マニア”のSSW瀧川ありさがその魅力を熱く語る!「あぁ、鉄塔は今日もがんばってるんだな……」

特集・インタビュー

[2018/6/27 11:30]

シンガーソングライター瀧川ありさの鉄塔熱に驚いた!

透明感あふれるルックスと優し美しい歌声を持つシンガーソングライター・瀧川ありさ。6月27日に“東京”をテーマにしたミニアルバムをリリースし、ますます勢いに乗る彼女だが、その素顔は驚くことに“鉄塔マニア”だという。今回は鉄塔の魅力を聞くためにインタビューを試みたら、想像以上の熱量で語ってくれたので驚いた。そんな彼女の熱い思いが伝わるインタビューをどうぞっ!!

<耳マンのそのほかの記事>

『ポケモンGO』的な感覚で常に鉄塔を探している

——好きな鉄塔の定義とかあるんですか?

定義って言われると、難しいですね(笑)。そもそも鉄塔だけではなくて、基本的には鉄柵とか、工事現場とか、工場とか、重機とか、無機質な感じのものは全部好きです。鉄のひんやり感というか、体温がない感じというか……。とにかく鉄が組み重なっていたり入り組んでいたり、成していれば何でも好きですね。

——成している(笑)。ちょっとよくわからないのですが、金網とかも?

あ! 好きです! 好きです! 今言われて初めて意識しました。写真とかも金網越しに撮ったりします。よく考えたら私、金網大好きですね(笑)。でも送電鉄塔が1番です。あの大きいのを仰ぎ見るのがすごく好きなんですよ。いや、遠くから見て山の上で連なってるのを見るのも良いですね。

アルバムと関係ないインタビューにも真剣に答えてくれる瀧川さん。説明のために、一生懸命に手で鉄塔の形を模してくれた

——なるほど。好きなタイプの鉄塔は?

1番プレーンなヤツですね。

——プレーンなヤツがわからないのですが……。

ジグザグが2個か3個あるヤツが私のなかではプレーンなヤツです。鉄塔って実はいろいろあって、太めのペンギンみたいに2本足で立っているヤツとかもあるんですよ。それはもう地方とかの本当に広くて開けた場所にしかないんですけど、たまに見つけるとテンション上がりますね。「レアキャラ見つけた!」って気分になる。もしかしたら、『ポケモンGO』的な感じで見ている部分があるのかも? 前にインドネシアでライブしたときに鉄塔を見つけたんですけど、それもすごく良かったですね。海外の鉄塔も興味あります!

——ダムでいう黒部ダムみたいに、有名な鉄塔ってあるんですか?

私は鉄塔そのものに詳しくないし鉄塔友達もいないのでよくわからないんですけど、そういうのもあるみたいですね。鉄塔の専門家の人に有名な鉄塔の写真を見せてもらったときは、「なるほど。わかる!」ってなりました。やっぱり人気の鉄塔は良かったです。でも、そこを狙って行くってことはあまりしません。仕事柄移動が多いので、車や新幹線の窓からいつも探しています。高速乗って東京から横浜に行く途中、多摩川あたりかな?そこにぬわーってのがあるんですけど、あそこのはいいですね。私は運転しないから正確な場所はわかりませんがオススメです。いつも通るときはスマホのカメラを待ち構えています。良い写真が撮れるかどうか、その瞬間は真剣勝負なんで。

——瀧川さんはInstagramにたくさん鉄塔の写真をアップされていますが、それも走行中の車窓からの写真なんですか? どれも完成度が高いように思います。

だいたいそうですよ。わざわざ乗りものを降りて、画角決めて……みたいなことはあんまりしません。だいたいパっと撮ります。でも、決めてしっかりと撮るのも楽しいですよね。前にラジオの企画で『鉄塔甲子園』というのをやって、リスナーに鉄塔の写真をTwitter上にアップしてもらったんです。予想以上の応募に驚いたんですけど、どれも素敵な写真ばかりでした。鉄塔って空とのコントラストが良いんですよね。晴れ、朝焼け、夕焼け、全部表情が違う。曇天のときは、雲割ってなんかでっかいのが出てきそうな威圧感があるし、真っ青に晴れているときは、神々しさすら感じられます。

『鉄塔甲子園』に投稿された写真の一例。レベルが高い……

——確かに! すごい写真ばかりです!

『鉄塔甲子園』を始めたときは、ファンの方も「何言ってるんだ?」みたいな感じだったと思うんですけど、「やってみたらハマリました」って人もたくさんいたんです。だから鉄塔の良さをまだ知らない人は、ぜひ1度改めてちゃんと見てもらいたいですね。

「鉄塔は孤独の象徴みたいな存在だから、向き合うとすごく癒やされる」

——鉄塔の1番の魅力ってなんですか?

私、実は“東京コンプレックス”なんですよ。東京のど真ん中で生まれて、小学校1年生のときからランドセル背負って山手線に乗っていました。世界一の乗車率の満員電車に小学1年生が毎日乗るって辛いですよね。鍵っ子だったしひとりっ子だったので、小学生にしてひとりで牛丼屋さん行ったりが当たり前だったんですよ。だから、たくさん人がいるのにずっと孤独だった。鉄塔って雨の日も風の日も同じ場所にずっと立っていて、孤独じゃないですか? 鉄塔はそういう孤独の象徴みたいな存在だから、向き合うとすごく癒やされるんですよ。「あぁ、鉄塔は今日もがんばってるんだな」って。

鉄塔の魅力を言語化しようと試みる、やはり手が鉄塔風の瀧川さん(話している間は常に手で鉄塔を模されていました)

——そんな瀧川さんの孤独を癒やしてくれる1番好きな鉄塔は、どこにあるんですか?

私には東京コンプレックスがあるので、鉄塔には田舎への憧れも感じています。でも、それでも1番はどこかと聞かれたらやっぱり東京タワーなんですよね。私は東京が好きであり苦手です。だからこそ、その東京の象徴であり、人であふれ返る東京のど真ん中に立っていつも孤独そうにしている東京タワーからは悲しみが感じられます。もしかしたら、そんな東京タワーに昔の自分を重ねている部分があるのかもしれない。

——貴重なお話ありがとうございます。では、鉄塔の話はこれくらいにして、新しくリリースされるミニアルバム『東京』についてお聞かせ下さい。

はい。あの、また鉄塔の話になっちゃうんですけど、いいですか(笑)?

——え? アルバムのPRはしないんですか?

そもそもこのアルバムは、東京出身の私の東京への思いがコンセプトになっているんですよ。その思いの根幹って鉄塔に感じる孤独感とか悲しさと繋がっている気がするんです。東京っていろんな人がいるじゃないですか? 電車で泣いている子とか見かけると「大丈夫かな?」ってすごく不安になるし、イライラしているサラリーマンがいると「そうだよね。いろいろあるよね」って思う。「みんな大変なんだ。みんながんばってるんだ」って、東京は前向きになれる場所です。でもその反面、たくさん人がいるのに孤独も感じてしまう。そういう東京の複雑な部分を歌っているのが、このアルバムなんです。

——なんだか、鉄塔への思いと似ていますね。

はい(笑)。これまでの作品のなかで、私の“鉄塔観”が1番出ているアルバムが『東京』ですね。見てください、ジャケットの東京っていう字、鉄塔っぽくないですか? 私が赤い衣装着ているのも、無意識ですが東京タワーに影響受けてます(笑)。

瀧川ありさ『東京』初回生産限定盤ジャケット

——そうだったんですか。アルバムと関係のない内容で申し訳なく思っていたのですが、実は密接な関係だったんですね。

この鉄塔インタビュー、タイミング良かったです(笑)!

瀧川さんはこの日も東京タワー風の(!?)真っ赤な衣装をお召しになられてました。今回は熱いお話をありがとうございました!!

瀧川ありさ ミニアルバム『東京』

瀧川ありさ『東京』通常盤ジャケット

<初回生産限定盤> 2,500円(税込)(SECL-2182~2183)
CD+DVD+リリックポストカード封入   ※トールサイズジャケット仕様
<DVD内容>
1.『night light』レコーディングドキュメンタリー映像
2.ジャケット写真撮影・MusicVideo撮影 ドキュメンタリー映像
3.『東京』Music Video Lip Scene Only ver.

<通常盤>1,800円(税込) (SECL-2184)
CDのみ

ワンマンライブ『この街で』

【東京公演☆】
2018年7月15日(日)
会場:代官山LOOP
時間:open 17:00 / start 17:30
問合せ:ディスクガレージ 050-5533-0888

2018年7月16日(月・祝)
会場:代官山LOOP
時間:open 17:00 / start 17:30
問合せ:ディスクガレージ 050-5533-0888

【大阪公演】
2018年7月21日(土)
会場:阿倍野ROCKTOWN
時間:open 17:00 / start 17:30
問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888

料金:前売 3,800円 当日 4,300円
※全公演別途ドリンク代必要
※整理番号付き

沢野奈津夫@HEW