ついに100日目……話題沸騰『100日後に死ぬワニ』ラストはどうなる!?

連載・コラム

[2020/3/19 19:27]

連載当初から大きな話題に

イラストレーターのきくちゆうきが自身のTwitterアカウントに連載している四コマ漫画『100日後に死ぬワニ』が、2019年の12月12日の連載当初から大きな話題になっている。同作はタイトルのとおり「100日後に死ぬであろうワニ」が過ごす「何気ない日常」を描いた漫画であり、来たる3月20日で「100日後」=ラストを迎える。読んだことがない人からすると、その少し切ないタイトルから「自分の死を悟ったワニが残り少ない時間をどう過ごすのか」というような、センチメンタルで人生観に訴えかけるような作品をイメージするのではないだろうか。

しかし、その内容はワニや仲間たちの「日常」にフォーカスしたほのぼのとしたもの。ポップで可愛い絵柄であることや、回を重ねても一向に死の気配がないワニに対し、どのような結末を迎えるのだろうかとハラハラしているファンも少なくない。同作にはファンが作成したパロディ漫画やイラストも多く、「100日後」を迎える3月20日には、ニコニコ生放送で『「100日後に死ぬワニ」の最後をみんなで見守る放送』が配信されることとなり、反響の大きさを物語っている。

きくちゆうき Twitter

どんなストーリー展開なの?

前述のとおり「100日後に死ぬであろうワニ」が過ごす「何気ない日常」が描かれているだけなので、これまでに一本の大きなストーリーが描かれているということはない。例えば、1日目(1回目)のエントリーはただ主人公であるワニがテレビを観ながら笑っているだけの四コマで終わり。2日目では、ワニが通販で布団を買うだけの話で終わっている。ほかにも友達と遊んだり、ラーメンを食べたり、恋をしたりなど、読者の身にも起きているような普通の日常が展開されるだけだ。

特徴的なのは四コマ目のあとの枠外で、毎回「死まであと◯◯日」とのカウントダウンが行われ、徐々にその日が近づいていることを匂わせている。ただ、ワニ自身これまでに自身の死を自覚している描写はなく、前述の通販で布団を購入するエピソードでは、商品の到着が1年後になるとコールセンターの担当者に言われるもそれを快諾。事故に遭って入院している友達のねずみから「人はそんな簡単に死なねーよ」と言われたときには、それを笑って真に受けていたりもする。これらのことから、少なくとも主人公であるワニは自分に死が訪れることを自覚していないのだろう。

どんな死が待ち受けているのか……

これまで、あくまで日常で起こりそうな範囲での死の匂いを感じさせる描写はあったものの、ワニの死の核心に触れるような回は見受けられない。ワニは職場を変えたり、デートをしたり、ゲームの大会に出場したりと、いたって普通の毎日を過ごしている。そんな彼が死ぬことは、これまでのストーリー上からはとても信じられず、Twitter上では3月20日に訪れるであろう彼の死が受け入れられないという読者も散見される。

ラストの予想合戦も白熱しており、ワニが想いを寄せている先輩の女子ワニが誰かから言い寄られていることを何者かに相談しているシーンを伏線と考え、それに絡んだ何らかの事件が起こるのではないかと予想している読者や、「100日後に死ぬワニ」とは、主人公のワニではなく、その先輩ワニなのではないか、もしくは度々電話で登場している母親ではないかと予想する読者もいる。少なくとも主人公のワニに死が訪れるのであれば、慢性的な病気が原因ということよりも、事故であったり、何かしらの事件に巻き込まれたり、もしくは自ら命を絶つ、といった死因になるのではないかと思われる。

みんなが3月20日を待っている。

どんな結末であれ、ワニの死まであと数日。ラストを目前にしてもなお、ワニはゲームをしたりバイトをしたり、テレビで桜の開花情報を観ていたり、いたって普通の日常を過ごしている。

あの明るくてどこか抜けているワニがどのような最後を迎えるのか、数多くのファンが見守っている。これまでのエントリーのように何気ない日常のなか、最後のコマで突然亡くなるのか。それとも、これまででは考えられないほどの凄惨な最後を迎えるのか。3月20日以降も「死から1日」とのカウントアップが始まり、他のメンバーの視点で物語が続くといった方向性もあるだろうか。

これまでのエントリーを順に見返して、これまでのおさらいをするのもいいだろう。ラストが来ないでほしいという気持ちもありつつ、3月20日を迎えるのが待ち遠しい気持ちもあり複雑な心境だが……ワニが迎える結末を静かに見守りたい。

綾小路 龍一