デジタル化が進む大槻ケンヂ、50代から始めたSNSライフを語る「コピペを教わったときは魔法だ!と本気で思った」

特集・インタビュー

[2020/5/19 12:00]

InstagramやYouTubeを開始……デジタル化が進むオーケンに迫るッ!

筋肉少女帯・特撮のほか、オケミス名義でソロ活動も展開するほか作家としても人気を博し、全世代のサブカルボーイズ&ガールズにカリスマ的人気を誇る“オーケン” こと大槻ケンヂ。常に一挙手一投足から目が離せない彼だが、最近はInstagramやYouTubeを始めるなどITを駆使してさらなる進化を遂げているように見受けられる! 原稿が手書きであることも知られアナログなイメージが強い彼だが、いかにして今日のデジタルオーケンになっていったのか!? その真相に迫った!

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――今回は大槻さんが最近InstagramやYouTube、noteなどのSNSを始められたとのことで、デジタル化する大槻さんについて迫りたいと思います。iPadでSNSの更新をされているそうですが、導入したきっかけは?

これまでリハの音などを機材を駆使して取り込むことができず、ラジカセの前にスマホを置いて丸っと録音していたんです。それをやっていたんだけれども、あるとき「これはないな〜」と思って、今年の正月にiPadを買ってみました。

――InstagramやYouTubeについては書籍で勉強をされたそうですが、どんな本でしたか?

500円くらいで買える、サルでもわかる的な本です。

――若いバンドマンにSNSについて教えてもらうこともあるんですか?

あります! インスタライブはNoGoDのボーカル・団長に。でも後輩だけじゃなくて、先輩ミュージシャンの小川美潮さんにはAirDropのやり方を教えてもらいました。みんな詳しくて勉強になりますねぇ。

――Instagramに投稿をする際、意識していることや心がけていることはありますか?

インスタは写真サイズですね。スクエアじゃないとうまくはまらない!

――写真を投稿する際はフィルターをかけたり色味を調整したりしていますか? “盛れる” アプリなどご存知でしたら教えてください。

スマホ内のと、『LINE Camera』だけです(きっぱり)。

――おすすめのインスタグラマーやYouTuberは?

プロレスラー・格闘家の船木誠勝さんのYouTubeをたまに観ます。

――そういえば先日、『耳マン』のInstagramアカウントの投稿に大槻さんが「いいね!」をつけてくださっていたことに気づいたのですが、これってもしかして今流行りの“匂わせ” ですか……?

『耳マン』Instagramの通知欄

「見てるぞ!」という、警告です。

――SNSを始めて起きた不思議(オカルト)な体験を教えてください!

それはやはり、“コピペ”というのを教えてもらったときは、「魔法だ!これは霊術だ!」と本気で思いました。あれテクノロジーじゃないでしょ? 魔法ですよ。

――大槻さんは普段、ファンの方のSNSを覗いたり、エゴサーチをすることもあるんですか?

たまにあります。理由は、ファンの方々はものすごい速さで誤字脱字を指摘してくれるので。それが助かります。

――SNSを始めたことで、今後作品づくりに影響することはありそうですか?

あるでしょう。インターネットサイン会や、Zoomでバンドミーティングなどもあると思いますよ!

外出自粛でも「ネットでエンターテイメントしなければ」!

――新型コロナウイルスの影響でさまざまなライブやイベントが延期・中止となり、外出自粛が求められる日々が続いています。大槻さんが積極的にネットでの活動を行っていることは、こうした現状のなかで、直接会えなくても多くの人に楽しんでほしいという思いからなのでしょうか。

そうです。これまでライブにおけるレスポンスで自己存在を認識して生きてきたので、今はネットでリアクションをいただくしかないし、エンターテイメントしなければ、と思いました。

――3月にはオケミスで無観客レコーディングライブを、4月には特撮でライブ配信もされていて、Instagramでは無観客ライブについて「アイデアが浮かんできました」と書かれていましたが、今後ライブ配信をされる際には新しい試みをすることもありそうですか?

はい。先日、プロレスの無観客試合配信で“30分間にらみ合い” というのがありました! スゴい! 新しいムーブとアイデア!! ロックのライブもなんでもできる!と。なので、今後はそういった無観客や配信ならではの新しい何かをするかもしれません……!

――YouTubeで配信されている『オーケンの、ミュージシャンみんなどうしてる?』を始めるに至ったきっかけは? 実際にこの企画を始めてみてどんなことを感じましたか?

本当にバンド仲間に会う機会がなくなったので始めました。そしたら、電話のほうがしゃべりやすいこともあるなぁと思いましたね。

――外出自粛期間中にぜひ聴いてほしい大槻さんの作品があれば教えてください。

4月20日より配信を開始した特撮の新曲『オーバー・ザ・レインボー〜僕らは日常を取り戻す』は、ぜひ聴いてほしいです。

――大槻さん自身が最近触れた芸術作品で特に印象に残ったものはなんですか?

エンタメだけどiPadで映画『イエスタデイ』を観ました。おもしろい!

――芸術作品に触れる以外にも、自宅での有意義な過ごし方があれば教えてください。

ローカルのニッチすぎるラジオ番組を探したり、ヌンチャクをふったりするのもいいんじゃないでしょうか。あと散歩ってすごく開放感がありますね、近所でも。

――こうした現状ですが、大槻さんが今後挑戦してみたいことや、やってみたいことがあれば教えてください!

YouTubeの動画編集とか。あと、ライブやツアーを念頭に置かないアルバムを作ってみたいです!

大槻ケンヂ

おおつきけんぢ●1966年生まれ、東京都出身。1988年、ロックバンド筋肉少女帯のボーカルとしてメジャーデビュー。同バンドのほかにロックバンド特撮、ソロプロジェクト・オケミスなどで音楽活動を展開。作家としても活躍し、1994年『くるぐる使い』、1995年『のの子の復讐ジグジグ』にて優秀なSF作品に贈られる星雲賞を2年連続で受賞。おもな著書に『ステーシーー少女ゾンビ再殺談』『グミ・チョコレート・パイン』がある。

耳マン編集部