【遠藤舞×伊藤麻希】アイドルを経てボイトレ講師・プロレスラーとして輝くふたりが語る、セカンドキャリアと美容整形(!?)

特集・インタビュー

[2021/2/26 12:00]

伊藤:今ってSNSが流行ったおかげで整形が身近になって、整形してもおかしくないんだっていう雰囲気になってるのかなって思います。10年前って今ほどSNSも流行ってなかったと思うし、自分はコンプレックスにも気づいてなかったかも。

遠藤:まさに私もそういうことを本に書いてて、自分が現役のときは悩んではいたけど整形をして解決しようっていうことが浮かばなかったんですよね。確かにSNSが流行ってたら違ったのかな。

伊藤:きっとそれはありますよね。整形してる人も当時は今みたいに言ってなかったんだと思います!

――おふたりは整形をしてポジティブになれましたか?

伊藤:私は脂肪吸引(小顔整形)だったんですけど最初めっちゃ腫れて……。

遠藤:やっぱそうなんだ! やりたいと思ってたけど怖いな!

伊藤:腫れて硬くなって、アゴを上げれないんですよ! 食べ物も食べれなくなっちゃって。だからなんだろ、最初のうちはすごい何か悲しくなりました(笑)。

遠藤:あはは!

伊藤:そういうことが起きるよとは言われてましたけど、実際にそういう状況と戦ってみて、すごく悲しくなって。「なんでこういう人生ばっかり歩まないといけないんだ」みたいな、すっごい卑屈になったんですよね。

遠藤:うんうん。

伊藤:それで3ヵ月後くらいにようやくちょっと写真でも変化がわかるようになったんですよね。ほんとちょっとだけ! その程度なんですよね。でもまぁ、やってよかったかなっていう結論には至ってます。

遠藤:「ダウンタイム鬱」ってあるんですよね。私も手術(鼻の美容整形)してから3ヵ月ちょっと経ったのかな。今、瘢痕ができちゃって再手術かもみたいな感じになってるんですよ。ダウンタイム鬱に入るっていうのは知ってたけど、それよりさらにちょっと嫌な経過をしてる感じなんですよね。早く直したいな。

伊藤:そうなんですか……。

遠藤:どちらにせよ劇的には変わらないですよね。費用対効果でみても「めちゃくちゃバッチリ!」っていうケースってあまりないんじゃないかな。

伊藤:それはない!!!

遠藤:お金をかけて痛い思いをしてダウンタイム鬱になって、そのわりに変化は数ミリっていう。整形って魔法じゃないよね!って思いません?

伊藤:わかりますわかります! 例えば1000万、2000万とかそれだけお金をかければ変われると思うんですけど。そうじゃないと「整形して良かったー!」みたいな人生はおくれないですよ。顔のパーツとか配置が変えられないから結局自分なんですよね。

遠藤:ほんとそれ(笑)! 自分からの脱出はできない(笑)! やろうかなと思ってる人は過度な期待を最初からしないほうがいいですよ。経験者からはそう言いたいです!

伊藤:同じくです!

お金だけは何があってもいいように貯めてます!――伊藤

過去なしでは今の仕事は何ひとつできてなかったと思う――遠藤

――セカンドキャリアに関するお話もお聞きしたいのですが、アイドルを経て新たなフィールドで活躍されているおふたりは、新たな一歩を踏み出すことを躊躇している人に対してどういう言葉をかけてあげたいですか?

伊藤:8割9割の人が何かやりたいけどやれないって思っている気がするんですけど、とりあえずやってみろって言いたいです。やってみて失敗するかもしれないですけど、ちゃんと考えて踏み出して継続してたら、大体は成功するんじゃないかと思います! どうなりたいかっていうのを逆算して行動に移すことが大事なんじゃないかなって。

遠藤:伊藤さんは、今のプロレスラーがセカンドキャリアだとしたらサードキャリアって何か考えてます?

伊藤:レスラーをやめたあとのことはまったく想像できてなくて。結婚とかできたらいいかなと思いますけど……相手もいないんで。結局、今をがんばることしか。考えたくないから逃げてるだけなのかもしれないですけど。

遠藤:ボイストレーナーも喉を使う仕事ではありますけど、プロレスラーはもっと身体を使う仕事じゃないですか。だから格闘技とかスポーツをやってる人ってどういうタイミングで次を考えたりするのかなって。

伊藤:確かにいつ怪我をして試合がなくなって、お金が稼げなくなるかわからないっていう不安はずっとあるので、お金だけは何があってもいいように貯めてます! でもバイトとか好きじゃないし絶対できないから、ほかにもバイトをしようとかそういう考えには至らなくて。このままずっと節約生活をしてお金を貯めて、いつかマンション買うとかそういうことになるんですかね……。

遠藤:伊藤さんならできる気がする!

伊藤:でも頭を使えば夢は叶うなって本当に思います。自分はプロレスラーなって、しばらくしてから海外でも活躍したいと思うようになったんです。そうなるにはどうすればいいかも全部逆算して、行動に移したんですよ! 例えばTwitterで発信すると海外からも反応があるかなとか。それで海外から声がかかったときのために日頃の練習をちゃんと毎日がんばっておこうとか。そういう計算をして、Twitterを英語でがんばる、日頃の練習をがんばる、そういう形でやっていったら意外と達成できました。

遠藤:その話、素晴らしすぎる! 自分が毎日やっていることが何のためになるのかわからなくて無力感を日々感じて暮らしていたり、働いている人ってけっこう多いと思うんですよね。でも、今やってることってその先の目標のためだからっていう風に、ゴールを見据えたうえで努力をすることで、日々の無力感とかそういうものからきっと解放されるんだろうなって思います。

――おふたりはアイドルをやってよかったと思っていますか?

伊藤:私はよかったなって思ってます。私、入場するときに歌って踊りながら登場するんですよ。歌とかダンスとかって絶対にプロレスに役に立たないだろうなって思ってたんですけど、それがめっちゃ海外でウケたりして、やってよかったなあって。

遠藤:それはめちゃくちゃ生かされてますね。

伊藤:あとはキャラクターの作り方もアイドルで学んだので、それがプロレスで生かされて、名前を覚えられやすいほうのレスラーになれたとも思います。人前に出る基礎みたいなのを全部アイドルで学べたから全然無駄じゃなかったなって。

遠藤:私はアイドルをやってる最中はなんでアイドルの門叩いちゃったんだろうって後悔したこともあって。

伊藤:わかりますー!!!

遠藤:めちゃくちゃ共感してくれてる(笑)! でも現状すごく幸せで、やりたいことをやってお金を稼いで、ちょこちょこした悩みはあれど基本的には過ごしやすいなって感じてるんです。これって全部、過去を重ねたうえでの現状だなって。アイドルをやってたから音楽も仕事になったし、本も出版できるようになったし、過去なしでは今の仕事は何ひとつできてなかったなって思うんですよね。

伊藤:うんうん。

遠藤:伊藤さんが人前に立つ基礎を学べたって言ってたのも本当にそのとおりだと思ってて、もともと私はコミュ障で人前に立ったりするのがめちゃめちゃ苦手な人間だったんですよね。でも人間って数をこなせば慣れるというところもあって、アイドルをやったことで強制的に人前に慣れさせられたんです。今思うとそれってめちゃくちゃありがたい経験だったなって。

伊藤:私もそういうタイプだったので本当によくわかります。

遠藤:だから人見知りで悩んでたり、なんか明るく振る舞えないとかいう人はみんなアイドル1年ぐらいやればいいのにって(笑)。

伊藤:それは間違いないですね!

遠藤:ね! 本当にそう思う!

プロフィール

遠藤舞:1988年7月31日生まれ、東京都出身。2006年より、フジテレビの番組から生まれたアイドルグループ・「アイドリング!!!」のメンバーとして活動。在籍中はリーダーを務め、高い歌唱力、トーク力を武器に活躍。2014年からはソロシンガーとして活動し、2017年に芸能界を引退。現在はボイストレーナーとして多くのアイドルグループや歌手に歌唱指導をする傍ら、レコーディングの仮歌、CMのナレーション、オーディションの審査員など幅広いフィールドで活躍中。鋭い洞察力が発揮されたnote、Twitterの投稿も人気を博している。

伊藤麻希:1995年7月22日生まれ、福岡県出身。2011年にLinQ加入。2017年6月にLinQとしての活動を終了させた後は、エンターテインメント集団・トキヲイキルのメンバーとして舞台出演など幅広く活躍しながら、東京女子プロレスでプロレスラーとして活動中。熱のこもったパフォーマンスで「新時代のカリスマ」と呼ばれ、2019年10月には東京女子プロレスのインターナショナルプリンセス3代目王者に輝く。今後の東京女子プロレスの注目の大会は東京・後楽園ホールにて開催される『Still Incomplete』(4月17日)と『YES! WONDERLAND 2021~僕らはまだ夢の途中~』(5月4日)。会場で伊藤のエモい試合をぜひ体感してみてほしい!

耳マン編集部