グッドバイブスな楽曲が世界中で話題……バイリンガルシンガーRisa KumonとプロデューサーROROに直撃!
話題のシンガーRisa KumonとプロデューサーROROに直撃!
日英バイリンガルシンガーソングライターRisa Kumonが6月22日にシングル『FREE』を配信リリース。『FREE』はアメリカのシンガーソングライター、デニース・ウィリアムスが1976年にリリースしたスウィートソウルの名曲のアレンジとなっており、Risaのピュアネスかつグルーヴィーなボーカルが印象的な作品に仕上がっています。また、YouTubeで公開された同曲のMVは、11万回の再生数(※2022年9月1日時点)を超えるなど、世界中で注目を集めています。今回はそんな話題のRisaと、彼女のプロデュースを務めるプロデューサー/ラッパーのROROに直撃し、インタビューを敢行。ふたりの出会いやパーソナルな魅力について迫るほか、『FREE』についてもたっぷりとおうかがいしました!
プロフィール
Risa Kumon
長崎県佐世保市出身。音楽好きな父の影響で幼少期からR&B/ソウル/ヒップホップに親しむ。10代からジャズや声楽、ゴスペルを学び、クラブイベントやバーなどで歌い始める。その後単身でアメリカ・ロサンゼルスへ渡り、音楽学校で歌や音楽制作を学ぶ。帰国後はシンガーとしてさまざまなイベントに出演するなど、精力的に活躍。2018年にROROとともにレコードレーベルR2 RECORDZを設立。透き通った歌声やグローバルな魅力で、国内外で人気を呼ぶ。
RORO (Rolandis “RORO” Ramsey)
アメリカフロリダ州オーランド出身。父は1990年代にマイアミベース・エラを盛り上げたプロデューサー/ラッパーの“Lil’ Ko-Chees”で、祖父はシカゴソウルのギタリスト。幼少期からラップやビートを作り、9歳でキッズグループ“5Lil Shorty’s”のメンバーとしてラッパーデビュー。その後は数々のアーティストに楽曲を提供し、プロデューサーとしても活躍。2008年に来日したことをきっかけに、Risaとともに音楽制作を開始する。
不思議で運命的だったRisaとROROの出会い
――RisaさんとROROさんが出会ったきっかけは?
Risa Kumon(以下、Risa):私たちの出会いの場所は沖縄でした。
RORO:沖縄で開催された野外チャリティーフェスティバルに僕がゲストで呼ばれて、Risaもパフォーマーとして出演者だった。そこでフェスのオーガナイザーに「プロデューサーとシンガーだし、英語でコミュニケーションも取れるから、何か一緒に作ったら?」って勧められて、紹介してもらったんだ。初対面だったけどすごく気が合って、すぐに話がスムーズに進んだよ。
Risa:ふたりとも音楽に対する意識が似ているしすごくコネクションを感じて、出会ってすぐに仲良くなりました。
――お互いの第一印象は?
RORO:オー(笑)。それが、すごく不思議な体験だったんだよ。初対面のとき、オーガナイザーの車に乗ってRisaの家の近くまで挨拶に行ったんだ。僕は車の助手席に座っていて、Risaが外から窓越しに「ハロー!」って言って握手をしてくれたんだけど、ふたりともその手を離さないで、しばらくギュッと握ってた。初めて会った気がしなくて、昔から知ってる人みたいな感覚だった。
Risa:お互い目を合わせて、やたらと長い握手だったんです。今思い出しても不思議なんですけど、何かが通じ合っている感じがしました。それから2回目に会うときには、もう一緒に曲を作っていましたね。
――そんな運命的(!?)ともいえる出会いを経て、一緒に音楽を制作していくなかで、どう印象が変わりましたか?
Risa:ROROはとても正義感が強いですし、プロデューサーということもあって、人のクオリティを見るのが上手です。例えばパッと一瞬会った人に対してROROが言ったひとことが、その人のインスピレーションになって、次に会ったときにその人が前より輝いていたりとか、そういうことが多いんです。私も彼のそんな才能に助けられて、自分自身をもっと表現して輝かせることができるようになりました。人のチャームポイントを見つけるのが上手ですね。
RORO:Risaのライブに初めて行ったときも、歌っている姿を観て「彼女はこういう曲を歌って、こういう表現をしたらいいだろうな。そうすれば今よりずっと良くなるだろうな」って、すぐにイメージが浮かんだんだ。
――ROROさんは、人の良いところを引き出す才能をどうやって培ったんですか?
RORO:小さい頃から自分のなかで自然に備わっていた感覚な気がする。父が音楽プロデューサーで、彼が働いているところをいつも間近で見てたんだ。それで父がピックアップした人たちがどんどん育って良いところを発揮しているのを見て、自然に学んだんだと思う。
――作品を拝聴すると、Risaさんはどこか神秘的で少しミステリアスな印象も受けますが、プロデューサーのROROさんから見たRisaさんの素顔を教えてください!
RORO:Risaは基本的に何に対してもオープンで、いろいろなことを受け入れることができる人。プロデュースをするなかで、人によっては「私はそういうジャンルじゃないから、やらない」っていうスタンスのアーティストもいるけど、Risaはとても柔軟なタイプ。
Risa:もともと小さい頃から、母に「とりあえずやってみてから、できるかどうかを決めなさい」って言われてたんです。だから、子どもの頃からどんなことにも挑戦していたんですよね。それが自分のなかで自然なことだったので、ROROのプロデュースが入るうえでもあまり拒むことはなかったです。
RORO:基本的にはそういう柔軟な性格でありつつ、実は結構ジョークも好きなんだ。僕が言ったアメリカンジョークを同じように返したりするし、すごくファニーな面もあるんだよ(笑)! 人を楽しませることが大好きだよね。
Risa:新しいジョークを学んだら、試してみたくなるじゃない(笑)?
予測不能なセッションも!? 豪華ゲストと軽快なトークを繰り広げる『R2 RADIO』
――おふたりは2015年から『R2 RADIO』というラジオ番組のパーソナリティも務めていて、豪華なゲストが多数登場しています。ラジオの一部の模様は、映像付きでYouTubeチャンネルにもアップされていますが、初めて観る際におすすめの回はありますか?
Risa:この番組を初めて知る方には、ファニーな雰囲気のスキップ・マーティンさん(グラミー受賞シンガー/トランペット奏者)の回をぜひ観てほしいです。彼自身がエンターテイナーでおもしろいので、インタビューをしている私たちも心から楽しみました!
RORO:僕もスキップ・マーティンの回はエキサイトした! 観てほしいエピソードはたくさんあるけど、特にベーシストの日野“JINO”賢二の回かな。彼の素晴らしいパーソナリティがわかるフリーなトークや、生演奏のセッションがすごくおすすめ!
――日野さんとの番組中のセッションは、自然発生的なものだったんですか?
Risa:即興です。打ち合わせなしで、日野さんがベースを弾きだすと「カモン! 入れ! 入れ!」って、彼はいつもまわりにいるアーティストを巻き込んでくれるんです(笑)!
RORO:僕はラッパーだから、フリースタイルに入る準備は常にできてるんだ。考えてみたら、JINOもそうだし父の日野皓正さん(トランペット奏者)もそうだし、いつも彼らのステージに飛び入りすることが多いので、それは必然というか自然なことなんだよね。いつでも準備万端だよ!
Risa:私も、日野さんがウォーミングアップされてるときから、彼の演奏に合わせてハミングしてたので、セッションが始まっても自然に「レッツゴー!」って入れましたね。あの回は私たちのナチュラルな状態が出ています。
――ミュージシャン以外だとイラストレーターなども登場していますが、音楽以外のフィールドで活躍している方からは、どんな刺激やインスピレーションを受けますか?
Risa:私はアートも大好きなんです! 番組に出ていただいたSFXアーティストのAmazing JIROさんの製作スタジオや、イラストレーターのChocomooさんやグラフィティアーティストのミスター・ドゥードゥルさんのエキシビジョンに行かせていただいたんですが、彼らの世界にどっぷりと入り込む感覚がありました。音楽は人と一緒に作り上げていくことも多いですけど、アートの世界って、自分だけでものを作って独自の感覚を放出しているように見えます。その人の感性や、影響を受けてきたものがすべて出ているなって感じるんですよね。作品を通して、そのアーティストのヒューマンドラマを観ているような気分になります。
RORO:番組で出会ったアーティストには、“本格派”っていうことを感じて、そこをリスペクトしているんだ。これまで、「お金になるから」とか「フェイマスになるから」っていう理由で作られているアートも実際に観たことがあるけど、彼らが作る作品はそれとは違うことがよくわかる。人生がそのままリフレクトされている、鏡のように映し出されているのがアートだと思うし、それが素晴らしいと思う。例えばミスター・ドゥードルは、あんなに有名にもなっていろんな大作も作っているけど、朝起きてから夜寝るまでの間ずっと絵を描いてるって言うんだ。彼に「お休みの日は何してるの?」って聞いたら、「普通、趣味なんかをするんだろうけど、僕の趣味は絵を描くことだから、とりあえず絵を描いている」って言っていて。そういうところが本当にすごいと思うし、僕もインスパイアされて、モチベーションが上がったよ。
世界中で話題の『FREE』はクオリティタイムにぴったりの楽曲
――6月に配信リリースされた『FREE』についても聞かせてください。Risaさんの澄んだ歌声が印象的で、ポジティブで心地よいエネルギーをもらえるようなアレンジに仕上がっています。この曲をアレンジしようと思ったきっかけや、音源制作の際のエピソードがあれば教えてください。
Risa:『FREE』はもともと私も大好きな曲で、特にシャンテ・ムーアのバージョンのレコードをよく聴いていました。音源制作を始めた頃はちょうどパンデミックが始まったタイミングでもあったので、ミュージシャンたちと一緒に、何か開放感があることをしたいよねっていう話になり、“心の解放”がコンセプトになりました。そうしたら、ROROが「Risaには『FREE』が合うと思う」って提案してくれたんです。私はこれまで低音を強く出す曲を歌うことが多かったんですが、彼は私が高音を出せることも知っていて。声質にも合いそうだし、高音を響かせてリラックスできる雰囲気を演出しようということで、『FREE』をアレンジすることになりました。
――コロナ禍という時代に合わせたコンセプトでもあったんですね。
Risa:そうですね。少し前まではクラブの大きいスピーカーで聴きたくなるような、踊れる感じの曲がヒットしてましたが、今はコロナ禍の影響で環境も変わり、おうちにいるときにBGMとしてゆっくり音楽を聴く機会が増えたのかなと思って。それで、私もそんなクオリティタイムにかけられるような音楽を作りたいなと思ったんです。
――私も曲を聴いて、疲れた心が癒されてリラックスできるような気持ちになりました。リスナーからもそういったリアクションは多いですか?
Risa:嬉しいです! 『FREE』をリリースしてから、いろんな意見をいただくんです。「朝、1日の始まりに曲を聴いてます」っていう方や、「夜、その日のすべてをクリアにするためにMVを観てから寝てます」っておっしゃる方もいらっしゃったり。先日は別のインタビューで、「実は私高血圧なんですけど、『FREE』を聴いてたら血圧が下がったんです!」って言われたんですよ(笑)。私もみんながリラックスできる時間に聴いてほしい曲として作ったので、そういうふうにプラスのエナジーとして聴いてもらえてるのだとしたら、本当に喜ばしいですね。
――解放感を出すために工夫したことはありますか?
Risa:浮遊感を出すためにたくさんコーラスを重ねています。ボーカルに関しては自分の好きなように自由に歌わせてもらって、型にはまらずにそのときのバイブスを大事にしながら作っていきました。制作中にヘッドフォンで聴いていると、自分もフワフワしてきましたね(笑)。あとは、私が思う“自由”や“解放”みたいなものをMVでも表現しました。
――MVは自然あふれるロケーションも印象的ですが、撮影場所は?
Risa:山や森のシーンは山梨県のほうだったり、海のシーンは神奈川県の湘南方面だったり、いろんな場所で撮影しました。森や川も自然の状態のままですごく綺麗で、「ツキノワグマが出ました」っていう看板があるくらい人の手が入っていない場所でした。「オー! (熊が出たら)ヤバいね」って(笑)。撮影したのは冬だったので、動物たちは静かに冬眠してたみたいです。
――RisaさんやROROさんも、自然のエナジーからパワーをもらうことはありますか?
RORO:僕はアメリカのフロリダ出身で、まわりにビーチや湖、湿地帯がある環境だったんだけど、正直あまり自然に興味を持ってこなかった。でも、日本に来てからはRisaが自然が好きなこともあって、山や温泉やいろんな場所に行くようになって、こんなに綺麗なところがあるんだって気づいたんだ。それからは日本の自然の美しさや癒しの力を知ることができて、日々のなかでも自然に対してすごく意識するようになったよ。
Risa:私も、もともと長崎県の佐世保っていう自然があるところで育ったので、それが自分のなかで心地よい場所としてインプットされてるんです。植物やお水があるところから、波動やエナジーをすごく感じるので、『FREE』のMVでも自然や生命とのコネクションを表現したいなと思いました。自然や生命と繋がることができたときに、自分の存在感や価値というものをすごく感じられるんです。あとは表現をすることが大好きなので、MVでも表現者としてキャラクターを作りました。
――MVのRisaさんは女神のような雰囲気ですが、これもご自身のアイデアなんですか?
Risa:そうですね。自分で考えたものを、スタイリストさんやヘアメイクさんに作り上げてもらいました。私のなかの“自由”は先ほど言ったように自然や生命とのコネクションと、それを受けて何かを創造することだと思い、アジアの創造神みたいなイメージが浮かんだんです。あと、この曲はもともとグローバルに届けたいと考えてもいたので、“私は日本人”っていうこともしっかり入れたくて、アジアを感じる衣装を着たり、ススキなどの植物を写して四季を表現しています。
――YouTubeにアップされているMVには海外のフォロワーからのコメントも多いですが、どんな反響がありますか?
Risa:やっぱり「Beautiful」っていうリアクションが多いですね。海外のメディアに取り上げていただいたときも、“日本らしさが美しく出てる”っていうことがタイトルに打ち出されていて、自分の意志が伝わっている感じがして嬉しかったです。
RORO:海外の人が日本のイメージを考えたときに、最近だと東京や大阪などの大きい都市の印象があると思うけど、今回のMVでは日本の美しい自由な空間、自然があるところも出したいと思った。海外の人はそういうところをなかなか見る機会がないと思うので、知ってもらえるきっかけにもなればいいなと思ったんだ。だから「日本ってすごく綺麗だね」っていうレスポンスがあったときは、僕もとっても嬉しかったよ。
日本人のアーティストとしてグローバルに活躍したい
――今後のリリースやライブの予定は?
Risa:現在アルバムを準備中で、『FREE』はそのアルバムからのシングルカットというイメージです。これまでに私がインスピレーションを受けたジャンルやカルチャーを私らしいサウンドに演出していく予定です。アルバムをリリースした際にはライブもしたいですし、海外でもツアーをしたいと思っています。
――今後の音楽活動で挑戦してみたいことや、展望があれば教えてください。
RORO:僕はプロデューサーとしてもっといろんな楽曲を作りたいし、新しいアーティストと新しい音楽も作りたい。ただ、スタンダードで平凡な音楽はやりたくなくて、僕が突き詰めたい表現をやっていきたいんだ。あとはプロデュース以外に、僕自身もアーティストとして精力的に活動したい。オリジナルの楽曲もたくさんあるので、それもリリースしたいんだ。
Risa:この『FREE』と次のアルバムで、私らしいオリジナルな表現をどんどん出していきたいと思っています。日本人のアーティストとしてグローバルな活動にも力を入れたくて、海外を見据えた活躍を目標にしています。嬉しいことに、『FREE』はいろんなサイトでチャートにも入っているので、みなさんにもっと聴いてもらえるようにアピールしていきたいです。
RORO:『FREE』は iTunesやSpotifyなどのストリーミングでも配信しているので、ぜひ世界中のみなさんに聴いてほしい!
リリース情報
★Risa Kumon『FREE』配信リリース!
各種配信サイトはこちら!
最新情報はRisa Kumonのオフィシャルサイトをチェック!
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