オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、初の映画出演や愛してやまないK-POPを語る! 真逆だと思っていた “クズ役”で「そのまんまの自分が出せた」

特集・インタビュー

[2022/10/26 12:00]

ロックバンドOKAMOTO’Sのドラマーで、DJやファッションモデルとしても活躍するオカモトレイジ。キュレーションを手がけるエキシビジョンマッチ『YAGI』や、独自のセンスとユーモアが光るSNSなど、あらゆるシーンで注目を集めています。そんな多才な彼が出演する映画『もっと超越した所へ。』が10月14日に公開。同作は、“クズ男”を引き寄せてしまう4人の女性の恋愛模様と、彼女たちの意地とパワーが引き起こすミラクルを痛快に描いたストーリー。レイジさんは“ノリで生きるフリーター”の万城目泰造役を演じています。今回が本格的な演技に初挑戦となるレイジさんへ映画のことはもちろん、熱いK-POP愛や推しているアイドルについてもたっぷりとお話をうかがってきました!

ノリでオファーを受けたら、セリフの量に驚愕……!

――本格的な演技は今回が初めてとのことですが、オファーがあったときはどんな心境でしたか?

本当にな〜んも考えないでふたつ返事で「お! おもしろそうっすね〜」って感じのノリでOKしました。俺は映画を観に行くのが大好きなんで、自分が出演して映画館で舞台挨拶をする側になることを考えたら「ウケんな〜」と思って。原作を知らないし、脚本も読んでいない状態で「いいっすよ〜」って言ったんですけど、実際に台本を見たらエグいくらいセリフがあって……。「これはマジで気合入れないとダメだな。なんとなくじゃ絶対にこなせないな」って感じました。自分の運の良さだけでどうにか乗り切れるレベルではないということを痛感しましたね。

――脚本の根本宗子さんや監督の山岸聖太さんからは、「そのままのレイジさんで出てほしい」と伝えられたそうですが、役柄とご自身で似ている部分はありましたか?

万城目泰造という役柄自体は自分とはまったく真逆の人生を歩んでいるタイプでした。劇中に「俺はまだ25(歳)だし……」っていう泰造のセリフがあるんですけど、俺は25歳のときには結婚したくて、実際に26歳で籍を入れて、27歳で子どもが産まれているので、そこも含めて「そのままでいいって言われてもなぁ……」って。でも、そんな疑問を抱きつつセリフを何回も反復して練習しているうちに「意外と俺のしゃべり方って普段からマジでこういう感じかも」って、客観的に思えるようになってきて(笑)。

――(笑)。

「俺ってこんな頭悪そうなしゃべり方してたんだ」って気づきました(笑)。泰造の口癖の「〜〜系?」っていう言葉も、普段からしょっちゅう言ってるんですよ。泰造は自分と真逆だと思ってたけど、意外と真逆じゃなかったし、結果的には割と自分のそのまんまの感じが出せたんじゃないかなと思いますね(笑)。

――本格的な演技は初めてとのことですが、どのように練習しましたか?

初演技でセリフもどうやって覚えたらいいのかわからないから、練習のために自分の部屋でセリフを読み上げた声をDTMのソフトで録って、“ドラマCD”のような音源を作ったんですよ。恋人役の伊藤万理華ちゃんのセリフも女性の声に加工して入れて、環境音も入れたものを自分で作って、撮影前はそれをひたすら耳コピしました(笑)。

――音源を作って、しかも耳コピで練習するのは、ドラマーのレイジさんだからこそできることですね。

俺だからこそできるようなことをやらないと、絶対に追いつけないと思ってやりました。撮影中はその音源ばかりをずっと聴いていました。そのぶん、好きな音楽を聴けなかったからそれがキツくて大変でしたね。

――レイジさんはすごく身近に女優さん(妻の臼田あさ美さん)がいらっしゃいますが、奥様に練習に付き合っていただいたりは……?

そうそう、臼田あさ美は意地悪でね〜(笑)! 「どうしたらいいの?」って聞いたら「(臼田さんのモノマネをしながら)あんま練習しすぎないほうがいいよ」って。「あんまり練習しすぎて自分のなかでガチガチになっちゃうと、監督とのイメージが違ったときに臨機応変に対応できないから。絶対そんなに練習しすぎないほうがいいよ」って言われましたね。だから、今回はあんまり本読みに付き合ってもらったりはしてないです。

――泰造と恋人の安西美和役を演じた伊藤万理華さんとは、もともとご友人だったそうですね。

本当にたまたま万理華ちゃんが友達だったので、演技に初挑戦するうえでかなり救われました。普通ではありえないくらい、プライベートで練習にも付き合ってもらって。もしこれで相手役が全然知らない人だったら、本読みをしたあとにすぐ本番なわけじゃないですか。そうなると、絶対に無理だったなと思いますね。相手役が万理華ちゃんで本当に良かった。

――伊藤さんとは公園で一緒に練習をしたり、プリクラを撮ったりしたそうですが、そのときにはどんなことを話したんですか?

「最近、何にハマってんの?」とか聞いて、いつもどおりの趣味の話をしていましたね。そのときは万理華ちゃんが「鉱石にハマってる」って言ってました。あとは、アイドル時代のことなどバックボーンを聞いたり。万理華ちゃんは元アイドルで役者もやっていて、自分でエキシビジョンもやっているので、「音楽もやればいいのに。あとはもう曲作るだけなんじゃん?」みたいな話もしていましたね。

――ほかの共演者の方との交流はどうでしたか?

万理華ちゃん以外の出演者とは、撮影で一緒だったのが1日だけだったんです。全員揃った状態で同じ日に同じタイミングでクランクアップしたんですが、そこで初めてみなさんとしゃべって。撮影で全員が集合したのはその日だけなんですけど、すごくいい空気で、8人全員が仲良しでLINEグループもできました。撮影が終わったのが1年前くらいなんですけど、そのLINEグループが今でもとどまることなくマジでずっと動いてるんですよ。

――1年間も! すごく仲良しなんですね。

すげえ仲良くて、とにかく空気がいい現場だったなと思います。菊池風磨くん(Sexy Zone)がすごくLINEを送ってくるくせに実際はシャイみたいで、プロモーションのときとかに会うと全然話さないから「可愛い!」と思って……(笑)、ファンになりそうです。「シャイなんだ〜! あんな『anan』でセックス特集の表紙とか出てるのにシャイなんだ〜!」とか思うと、マジでハマるかもしんない……。俺、同性のアイドルもいけるんで、本当にハマりそうになってますね。

――完成した映画を観て、どんな感想を持ちましたか?

好きなタイプの作品で、もし自分が出ていなくても「すげえおもしろかった」って思う内容だったんで、超良かったです。こういう最後の最後にわけわかんないことが起きるような映画が大好きなんですよ。おもしろいコンテンツを作ることは映画じゃなくてもできるけど、限られた時間のなかで「このシーン、マジで忘れらんないな」みたいな場面を作るのは映画だからこそできることだと思っているんです。『もっと超越した所へ。』はそんなシーンがあって、良かったです。

――映画がお好きなレイジさんが、観客として観たとしても好きな作品なんですね。

俺は超好きですけど、この映画、世の中的にはみんなどう感じるんだろう!? 俺は映画を観ること自体はもちろん好きなんですけど、家ではほとんど観なくて“映画館に行く”のが好きなんですよ。女子高生向けの“青春キラキラムービー”みたいな作品を渋谷のHUMAXとかに夕方頃に観に行くと、JK(女子高生)がめっちゃいるんです。それで、上映後に「意味わかんなくな〜い?」とかしゃべってるのを聞くのも含めて、超好きなんですよ(笑)。だから、この映画も観終わったあとにそんな会話が生まれるのかな〜って。大体の人がエンドロール終わったあとに「え、なに!? どういうこと?」っていう反応だと思うんです。観客からそんな会話が出てきそうで、それも楽しみですね。世の中の反応が気になるので、逆に俺が感想を聞きたい気持ちです。まだ完成した作品を1回しか観てないのですが、もう1回観たらもっとディープな話に感じたりもするんじゃないかなと思います。

――レイジさんが思う本作の見どころは?

やっぱりグリルズ(歯に装着するアクセサリー)が出てくるシーンですかね。あのシーンはほかのアクセサリーだったとしてもおもしろいと思うんですけど、ただなんの説明もなくグリルズが出てくるっていうのが、いちグリルズファンとしては「あぁ、もうグリルズもここまできたか」という気持ちで嬉しかったですね。俺は数年前からグリルズを身につけるようになったんですが、こんなに一般層にも届くフィールドに出るなんて。例えば、泰造がD.Oさんぐらいゴリゴリのラッパーみたいなキャラクターだとしたら話が別ですけど、そうじゃないのにグリルズが出てくるのがポイントですよね。俺が日頃からグリルズをつけているという理由だけでは、作品への登場をOKにはできないと思いますし。

――本作でグリルズを知る方も多そうですね。

「グリルズってなんだ?」ってなると思うんですけど、そんなニッチなジュエリーが映画でサラッと扱われるようになったのはめちゃめちゃ嬉しいことだなと思います。「グリルズ、ありなのかも」って思ってもらえれば嬉しいです。グリルズが全国ロードショーの映画でこういう扱われ方をするのは日本初だと思うんで、そこは見どころです!

「俺ってここまで好きだったんだ」って、自分でちょっと引きました

――レイジさんがハマっている音楽についても聞かせてください。レイジさんはK-POPがお好きですが、2022年で特に興奮した出来事はありますか?

俺が1番好きなRed Velvetというグループのカン・スルギがソロデビューしたことですね。K-POPにハマってから、もう4年ぐらいずっとその子が好きなんです。今回、やっとソロデビューすることになって、めっちゃ楽しみなわけじゃないですか。それで、まずソロデビュー曲『28 Reasons』のティザー映像を見たら、めちゃくちゃ映画のサンプリングネタが多かったんですけど、俺が好き系の映画ばっかりモチーフにしていたんですよ。そのあとに発表されたMVも観たら、パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』や『親切なクムジャさん』とか、俺が1番好きな映画をサンプリングしていて。これはもう「(俺の好みに)寄せてきてる!?」って思って(笑)、最近はそれに1番痺れましたね。ちなみに、今日着てるのは俺が作ったスルギのTシャツです。表はスルギの“S”なんですけど、(背中を見せながら)裏にもこうやって『28 Reasons』って曲のタイトルを入れていて。バレないようにオタク的な活動をしています。

――馴染んでいて気がつきませんでした! とてもオシャレですね。

ほかには、NewJeansも良かったですね。芸能事務所のSMエンターテインメントにいたミン・ヒジンっていう、K-POPを従来のイメージから今の洗練されたお洒落でスタイリッシュなイメージに変えていくのに貢献した超凄腕クリエイティブディレクターが、BTSが所属するHYBEという事務所にヘッドハンティングされたんですよ。超大手から超大手に移って「どうなるんだ!?」って思ってたら、「ミン・ヒジンがゼロからプロデュースした女性アイドルグループをデビューさせます」っていうアナウンスだけされて、「ヤバいことが起きるぞ……」と思いました。これまでのK-POPアイドルはデビュー日が決まったらニュース出しをしてティザーを出して、メンバーの画像を公開して……というふうに小出しにしてデビュー日までもっていくんですけど、ミン・ヒジンはそういう従来のやり方を全部無視して、サブスクにも音源が入っていない状態でデビュー日に突然NewJeansのMVをボーンって出したんです。その感じが「ヤバすぎ!」と思って、衝撃でした。

――NewJeansの楽曲の印象は?

デビューアルバム『New Jeans』の楽曲は、もう大好きでしたね。いわゆるEDMでサビ前にドロップがあって、サビで踊って……みたいな展開にはもう飽きてたんで、ああいうマジでいい曲が出るっていうのは最高です。New Jeansはコンセプトが“音楽”らしいんで、そこもいいですよね。

――最近はK-POPアーティストのコンサートに行かれましたか?

最近はKep1erの日本デビューショーケース、あと『SMTOWN LIVE 2022』にも2日間行きましたね。NCT127のドームツアー、TWICEのツアーにも行きました。やっぱりそのなかでも1番好きなカン・スルギが来たんで、『SMTOWN』が印象に残ってます(笑)。月額制の『bubble』というサービス(※チャット形式でK-POPアーティストからメッセージが届くアプリ)があって登録しているのですが、それでスルギが東京にいるときに、「ドン・キホーテでこれ買ったよ」ってシャンプーの写真が送られてきて。「絶対もっといいシャンプー使ったほうがいいよ」って思いつつも同じものを買って、それで毎日髪の毛を洗っています(笑)。匂いが好きです。

――素晴らしいエピソードです(笑)。Red Velvetが日本でライブをやるのは2020年2月以来になるので、かなり久しぶりでしたよね。

俺は3、4年前に開催された『SMTOWN』で観た以来なので、かなり久しぶりに行くことができました。Red Velvetが登場した瞬間に泣いちゃって。「俺ってここまで好きだったんだ」って、自分でちょっと引きました。若干キモかったなと思います(笑)。

――思いがあふれてしまったんですね。OKAMOTO’Sとしてバンド活動をするうえで、K-POPアーティストと共通していると感じる部分はありますか?

バンドメンバーとは中1からずっと一緒にいるんで、そう考えると練習生時代を長くともに過ごすという感覚は似ているのかもしれないです。OKAMOTO’Sでいうと、12歳から練習生期間の7年を経て19歳でデビューして現在に至る、みたいな。そう考えると、OKAMOTO’Sが2010年デビューって相当“いにしえ”なんですよ(笑)。2010年デビューでいまだに続いているK-POPグループってほとんどいないんじゃないかな。

――レイジさんはバンド以外にもDJやモデルなどのさまざまな活動を行っていて、今回も初の本格的な演技に挑戦されましたが、今後何か新しく挑戦してみたいことはありますか?

俺は自分からアクティブに動いているように見えると思うんですけど、実はずっと受動的というか、“言われたからやる”という感じなんですよ。今回の芝居だってそうだし、DJだってオファーがなければできないし。自分のイベントも「スケジュールが確保できて、予算もあるんでなんかやってください」とか言われない限り、組まないし。もちろんオファーがあったら、精一杯がんばりますけど。本当に全部みなさんのおかげなんです。だから、これから挑戦してみたいことは“断る”っていうことですかね。なんでもノリでオファーを受けて本当に意味わからない現場でDJすることもあるんで。超越しすぎてるから、ちょっと落ち着きたいっていう感じですかね(笑)。

オカモトレイジ(OKAMOTO’S)プロフィール

1991年生まれ、東京都出身。中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO’Sのドラマー。2010年にCDデビュー。幅広い音楽的素養を生かし、DJとしても活動中。ファッションモデルとしての活動やMVのプロデュース、自身でエキシビジョンを手掛けるなど、マルチな活躍をみせている。

映画『もっと超越した所へ。』

TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
https://happinet-phantom.com/mottochouetsu/

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耳マン編集部