バー店主とアイドルの意外な共通点 歌舞伎町『酔っこら処』店主ほりゆーこさん【たのしいドルヲタ図鑑・7人目】
7人目:バー店主とアイドルの意外な共通点 歌舞伎町『酔っこら処』店主ほりゆーこさん
今や日本中、いや世界中に生息するドルヲタ(アイドルヲタク)たち。本連載では、そんなドルヲタのなかでも特にエッジが効いた個性的な人々を紹介していく。今回紹介するのは、新宿・歌舞伎町のバー『酔っこら処』の店主を務めながら姉のような気持ちで献身的にアイドルを応援する女性、ほりゆーこさん。ドルヲタのお客さんも多い同店に潜入し、アイドルのポスターに囲まれながらお話をうかがった。バー店主とアイドルの意外な共通点とは?
ほり ゆーこさん
年齢 | 28歳(元モーニング娘。加護亜衣、辻希美と同学年) |
出身地 | 東京都 |
星座 | おうし座 |
血液型 | B型 |
趣味・特技 | 飲酒 |
現在の本現場 | 乙女新党(田尻あやめ推し) |
属性 | 現場系ヲタ |
鑑賞スタイル | コールを入れたりフリコピをしながら楽しく鑑賞 |
[※本現場(ほんげんば)……メインで行っているライブ(現場)、大切なライブのこと]
[※推し……“イチ推しメンバー”の略で、グループ内で特にひいきして応援しているメンバーのこと]
[※コール……ライブやイベントの曲中で演者の名前を叫んだり、かけ声や合いの手を入れること]
ほりさんは新宿・歌舞伎町のバー『酔っこら処』の店主
ほりさんは28歳で新宿・歌舞伎町のバー『酔っこら処』の店主を務め、日曜日以外はほぼ毎日ひとりでカウンターに立ち、お店を回している。同店は2012年2月に新宿・ゴールデン街に開店し、当初から彼女(当時22歳)は店主を務めていた。そもそもどうしてバーの店主になろうと思ったのだろうか?「バイトを探していたら知り合いがゴールデン街のお店を紹介してくれて、(ゴールデン街の)街並みも見ずに何の情報もないままバイトを始めることになったんです(笑)。友人や親にも“そんな危なそうなところで働くの!?”とか“女の子なのに大丈夫?”って言われたりしたんですけど、私はあんまり細かいことを気にしないタイプなんで“大丈夫だよ、多分。なるようになるよ”っていう感じで(笑)、実際働いてみたらすごく楽しくて。その後、そのとき働いていたお店のオーナーから“新しいお店をオープンするから店主やらない?”って言われて、やることになりました」。可愛らしい見た目やおっとりとした口調からは想像のつかない、おおらかで豪快な回答がとてもかっこいい。
ゲイの友人がきっかけでアイドルにハマる!?
「あまりにも衝撃的だった」
そんな彼女がアイドルと出会ったのは意外なきっかけからだった。「新宿二丁目のお店でゲイの友達のお誕生日パーティーがあって、ゲイの子が20人くらいいるなかで私と友達のふたりしか女がいない、という状況で参加したんです。そのときに、ある男の子がももいろクローバーの『ココ☆ナツ』に合わせてダンスを踊ってたんですよ。それで、曲のサビの部分で踊りながら店を出て周りを一周して戻ってくるっていうパフォーマンスを披露してて、それがあまりにも衝撃的だったんです(笑)。そこで“なんだこの曲!”と思って次の日からYouTubeでももクロの動画を漁り始めたのがきっかけです(笑)」。もともと音楽が好きでライブやフェスに足を運ぶことも多く、高校時代にはお笑い芸人の追っかけをしていたほりさんがドルヲタになるのに時間はかからなかった。彼女は2012年8月に西武ドームにて行われたももいろクローバーZのライブ『ももクロ夏のバカ騒ぎ SUMMER DIVE 2012 西部ドーム大会』で現場デビューを果たし、そのライブの楽しさに衝撃を受け、その後から“現場系ヲタ”にすくすくと成長を遂げたようだ。
いつの間にか『酔っこら処』はドルヲタが集まるお店に
「人と人の間をつなぐ役割になれたときが一番嬉しい」
ほりさんのドルヲタ具合が濃厚になるにつれ、気が付けば『酔っこら処』には“モノノフ”(ももクロファンの愛称)やドルヲタのお客さんが口コミなどで来店するようになり、いつの間にか“ドルヲタが集まるお店”となっていったようだ。そんな彼女に、お店をやっていて楽しかったことや良かったこと、一番のやりがいを聞いてみた。「お客さんが新宿でライブやイベントがあった帰りに『酔っこら処』に寄って、ときには興奮状態で(笑)その日のお話をしてくれるのがとっても楽しいんです。人と人をつなげることがすごく好きなので、お店で初めて会ったお客さん同士が同じ話題で盛り上がって “今度現場で会いましょう!”って意気投合して帰って行ったり、仲良くなって一緒に来店してくれたりするのを見ると、本当に嬉しいことだなって思います。私は今の仕事が本当に好きなんですけど、向いてると思ったことは正直一度もないんです(笑)。基本的に人見知りな性格なので、初めてお会いする方だと目を見て話せないというか、緊張してぎこちなくなっちゃうんですよね。でも、お店のカウンターに立つとあんまり人見知りせずに自然に話せるようになるんです。このお店のなかにいると自分らしくいられるというか、やっぱりホームだなぁと。なので、自分にとってホームと思える『酔っこら処』が人と人をつなぐ場になったり、自分が人と人の間をつなぐ役割になれたときが一番嬉しいし、それがやりがいですね」。