『推しメンが結婚しちゃった日記』第2回:マスコミには非暴力・不服従の態度で臨みたいです

連載・コラム

[2017/3/31 17:00]

元モーニング娘。の石川梨華に10年以上“ガチ恋”を続けているドルヲタのふちりんによる完全ノンフィクション連載。梨華ちゃんに健気に恋をする彼が、2017年3月13日に結婚した彼女への想いを、結婚が近いという報道があった2017年元旦から振り返り繊細に紡ぐ。(ガチ恋……アイドルにガチ(本気)で恋をすること)


1月1日 日曜日

「マスコミには、非暴力・不服従の態度で臨みたいです」

 大宮アイドールの新年立食パーティーでやけ酒を飲んでいると、ヲタ友の中島さんから電話があり「これから大宮に行きます」と言ってくれました。中島さんは、モーニング娘。'17の工藤遥ちゃんにガチ恋をしているおじさん(ガチ恋おじさん)です。よくガチ恋の苦しみや絶望について語り合う仲です。元旦なので電車が動いており、午前5時半に中島さんが新宿から大宮に到着しました。

 ふたりで大宮駅東口のあるラーメン屋・来々軒に行き、カウンターに並んで座りました。ふたりともチューハイを頼みました。中島さんは飲みながら、梨華ちゃんに何があったのか、僕の心を傷つけないように優しく詳しく教えてくれました。
「一時は死ぬことも考えました」と僕は中島さんに告げました。
「記事には謎の関係者の証言しか証拠的なものがないし、事実じゃないかもしれません。それで死んだら無駄死にですよ」と中島さんにいさめられ、その通りだと思ったので死にませんでした。「関係者って誰だよ! 名を名乗れよ! ひきょうもの! 僕は田中太志と申します」と思いました。

中島さんが撮影した来々軒の写真

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 中島さんは、「元旦からこんな記事をぶっこんでくるなんて、インターネットで力を持ちつつあるふっちさんを潰しにかかってるんじゃないですかね」と言いました。きっとそんなわけはないんだけど、僕はかなり酔っぱらっていたため、「そうかもしれませんね!」と熱く同意しました。
 いずれにせよ、僕の心が鋭利な刃物で深くえぐられているのは確かでした。僕はガンジーとマーティン・ルーサー・キングの名前を出し、「新年早々こんな暴力的な記事をぶっこんでくるマスコミには、非暴力・不服従の態度で臨みたいです」と鼻息荒く語りました。

 午前7時過ぎまで飲んで、来々軒を出ました。外はもう明るくなっていました。いつもだったら大宮の氷川神社に初詣に行くところだけれど、そんな気分にはなれませんでした。こんなときに大吉を引いてもむなしいだけです。大宮駅の改札で中島さんに手を振って別れ、家に帰りました。そして扇風機を繰り返し殴ったあと、睡眠薬を飲んで深い眠りに落ちました。

ふちりんの部屋にある扇風機とリラックマの人形

1月2日 月曜日

 1月2日になりいくらか落ち着きを取り戻した僕は、元旦の出来事は夢ではなかったことを確認しノートパソコンを立ち上げ、Twitterを開きました。正直言ってツイートするのもつらいような精神状態だったけれど、がんばってツイートをしました。「ここで沈黙したら、言葉の暴力をふるってきたマスコミに屈することになる。マスコミを攻撃したりせず、ただ梨華ちゃん大好きツイートを続けることが、非暴力・不服従という態度だ」、そう思いながら。

ふちりんが1円で買って読んだガンジーとマーティン・ルーサー・キングの伝記


【著者紹介】

ふちりん●1980年生まれ、埼玉県出身。おひつじ座のA型。2003年頃より当時モーニング娘。のメンバーであった石川梨華へのガチ恋を開始。その赤裸々な想いを綴ったブログやTwitterが一部のアイドルファンの間で人気を呼ぶ。趣味は読書やサッカー観戦、アイドル鑑賞、ベースを弾くこと。好きな作家は村上春樹、太宰治、中村文則。

ふちりん

1980年生まれ、埼玉県出身。おひつじ座のA型。2003年頃より当時モーニング娘。のメンバーであった石川梨華へのガチ恋を開始。その赤裸々な想いを綴ったブログやTwitterが一部のアイドルファンの間で人気を呼ぶ。趣味は読書やサッカー観戦、アイドル鑑賞、ベースを弾くこと。好きな作家は村上春樹、太宰治、中村文則。