できるだけ人を呪わないようにしないといけません【推しメンが結婚しちゃった日記】

連載・コラム

[2017/12/15 12:00]

元モーニング娘。の石川梨華に10年以上“ガチ恋”を続けているドルヲタのふちりんによる完全ノンフィクション連載。梨華ちゃんに健気に恋をする彼が、2017年3月13日に結婚した彼女への想いを、結婚が近いという報道があった2017年元旦から振り返り繊細に紡ぐ。【ガチ恋……アイドルにガチ(本気)で恋をすること】


5月24日 水曜日

「できるだけ人を呪わないようにしないといけません」

 梨華ちゃんの夫の人が、僕の家にあいさつに来る夢を見ました。夫の人は甲高い声でどこかの地方の方言をしゃべり、何を言っているのかよくわかりませんでした。また、僕のことは知らないみたいでした。僕は最終的に、「公の場で梨華ちゃんとのノロケ話をするのだけはやめてください」と泣きながらお願いしました。
 梨華ちゃんの夫の人は、夢の世界では、梨華ヲタひとりひとりに挨拶に行っているようでした。彼は「いやあ、結婚したことでやっと公に梨華ちゃんのことを話せるようになりましたよ」と屈託なく言うので、「悪い人ではないんだろうな……。繊細さがないけど……」と思いました。

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 夜、ひとりで大宮駅近くの歩道を歩いているとき、手を繋いでいるラブラブな若いカップルを前方に見ました。「梨華ちゃんもこういう時期を経て、結婚に至ったんだよなあ……」と思い、ひどく憂鬱な気持ちになりました。のろのろ歩いているそのカップルを横から追い抜くとき、僕は心の中で悪態をついてしまいました。しかし今は反省しています。人を呪わば穴ふたつ(他人を呪って殺せば、自分もその報いで殺され、墓穴がふたつ必要になる)なので、できるだけ人を呪わないようにしないといけません。

(画:ふちりん)

5月25日 木曜日

美人女医さんの個別診察会(心のクリニック)

 今日は美人女医さんの個別診察会(心のクリニック)に行ってきました。梨華ちゃんのディナーショーにしっかり参加したことや、日々なんとか生きていることを話すと、美人女医さんは笑顔で「うん、よくがんばってる!」と褒めてくれました。嬉しかったです。僕のことをそんな風に褒めてくれるのは、この世界で美人女医さんひとりだけです。

 ディナーショーで梨華ちゃんと握手をしたとき「これからも応援しています」と告げたけれど、「結婚おめでとう」とは言えなかったことを報告すると、美人女医さんは「いいんですよ、それで。無理して祝福する必要はありませんよ」と断言してくれたので、気持ちが少し楽になりました。
 「ご当地アイドル(大宮アイドール)のほうには行ってますか?」と訊かれ、僕は「けっこう行っています」と答えました。美人女医さんは微笑を浮かべ、「それは良いことですね。気は紛れますか?」と言い、僕は「そうですね、行っている間は」と答えました。いろんなところに行って、いろんな人に会うようにするといい、とのことでした。

 「梨華さんが結婚してからは、結婚報道におびえることがなくなったので、その分、気持ちが楽になっています」と告げると、美人女医さんは同情的な表情になって「報道が今日来るかもしれない、明日来るかもしれない、と思っていると辛いですもんね」と言い、「おびえることがなくなったのは良いことですね」と笑顔で付け足しました。
 それから美人女医さんは、申し訳なさそうな顔になり、「結婚報道の後は、妊娠報道があるかもしれないですが、それは大丈夫ですか? 結婚よりは受け入れやすいですか?」と尋ねました。僕は「そうなってみないとわからないですね……」と答え、「挙式もハネムーンもまだなので、当分の間は妊娠しないと思います」と推理を披露しました。


【著者紹介】

ふちりん●1980年生まれ、埼玉県出身。おひつじ座のA型。2003年頃より当時モーニング娘。のメンバーであった石川梨華へのガチ恋を開始。その赤裸々な想いを綴ったブログやTwitterが一部のアイドルファンの間で人気を呼ぶ。趣味は読書やサッカー観戦、アイドル鑑賞、ベースを弾くこと。好きな作家は村上春樹、太宰治、中村文則。

ふちりん

1980年生まれ、埼玉県出身。おひつじ座のA型。2003年頃より当時モーニング娘。のメンバーであった石川梨華へのガチ恋を開始。その赤裸々な想いを綴ったブログやTwitterが一部のアイドルファンの間で人気を呼ぶ。趣味は読書やサッカー観戦、アイドル鑑賞、ベースを弾くこと。好きな作家は村上春樹、太宰治、中村文則。