もっと心の広いヲタクになって、推しの幸せを自分のことのように喜べればいいのにな……【推しメンが結婚しちゃった日記】

連載・コラム

[2018/7/20 12:00]

元モーニング娘。の石川梨華に10年以上“ガチ恋”を続けているドルヲタのふちりんによる完全ノンフィクション連載。梨華ちゃんに健気に恋をする彼が、2017年3月13日に結婚した彼女への想いを、結婚が近いという報道があった2017年元旦から振り返り繊細に紡ぐ。【ガチ恋……アイドルにガチ(本気)で恋をすること】


9月13日〜18日

もっと心の広いヲタクになって、推しの幸せを自分のことのように喜べればいいのにな……

9月13日 水曜日

 梨華ちゃんが入籍してから今日でちょうど半年が経ちました。僕は部屋に飾ってある梨華ちゃんの生写真に向かって、喜びと哀しみで泣きそうになりながら語りかけます。「梨華ちゃん、結婚半周年おめでとう。楽しくやってるかい? 優しくされてるかい? 僕はというと未だに恋人ができず、ほかに好きな人もできません。相変わらず梨華ちゃんのことが大好きです。ごめんなさい」。

<耳マンのそのほかの記事>

9月14日 木曜日

 以前、あるインターネットで「ふちりんはとうとうインターネットでの梨華ちゃんTO(トップオタ)になったな」と書かれているのを見て、感慨深い気持ちになりました。継続は力なりだなあ、と。しかしインターネットではTOかもしれないが、イベント会場などの現場ではまったくTOではなく、ひとりでひっそりと梨華ちゃんを眺めています。
 そういえば昨日、めでたく『ドラクエ11』で世界を救いました。ときどき「ゲームのなかで世界を救ったところで、一体何になるんだろう……」というむなしさにとらわれ、死んだような表情になりましたが、僕は自称ホイミスライムなのでがんばりました。『ドラクエ11』をやっている間は梨華ちゃんのことを少しだけ忘れられたので、感謝しています。

9月16日 土曜日

 今日は行きつけのメイドカフェに行って、生ビールとホルモン炒めを注文しました。生ビールが来てしばらくすると梨華ちゃん似のメイドさんがホルモン炒めを持ってきてくれて、彼女はそれをテーブルに置き、いろいろとお話をしてくれました。そして彼女は「私が長々と話をしたせいでホルモン炒めが冷めちゃってごめんなさい」と謝ったのだけれど、「ほかほかのホルモン炒めを食べることより、あなたと長々と話をすることの方が、僕にとっては価値があるのです」と思いました。
 梨華ちゃん似のメイドさんはその長い話のなかで、こんこん(モーニング娘。OGの紺野あさ美)の子供が生まれたことを教えてくれました。「コウノトリさんお疲れさまでした。ようこそ! この最悪で素晴らしい世界に! ともに生きましょう」と僕は心のなかから語りかけ、生ビールをぐいぐいと飲みました。
 モーニング娘。OGの人が結婚したり妊娠したり出産したりすると、梨華ちゃんのブログに「次は梨華ちゃんだね!」という趣旨のコメントを寄せる人がたまにいるけど、それはセクハラなのではないだろうか、と思います。僕はそういうコメントはしないようにしています。次も前もクソもない。結婚はしたいときにすればいいし、子供は生みたいときに生めばいい。僕はそれを、つらくても受け入れるだけです。

9月17日 日曜日

 もうすぐ野球のペナントレースが終わってしまうらしいことを知り、「やだ! 終わらないで! 300試合くらいやって! そして休みなく次のペナントレースが始まって!」と思いました。そうすれば梨華ちゃんが野上選手と結婚式を挙げることもなければ、海外に新婚旅行に行くこともありません。そして梨華ちゃんのブログでその幸せそうな日記を読むこともない。僕の心が傷つくこともありません。ああ僕は、なんてわがままなヲタクなんだろう。もっと心の広いヲタクになって、梨華ちゃんの幸せを自分のことのように喜べればいいのにな……。

9月18日 月曜日

 Twitterを見ていたらハロプロが20周年を迎えるらしいことを知りました。おめでとうございます。アイドルたちもヲタクたちもどんどん結婚して子供をつくっており、僕だけ取り残されたような悲しく寂しい気持になることがあります。それでも、悲しみや寂しさを乗り越え、妬んだり不幸を願ったりすることなく、みんなの幸せを祈ることができたらいいなあと思っています。

ふちりん

1980年生まれ、埼玉県出身。おひつじ座のA型。2003年頃より当時モーニング娘。のメンバーであった石川梨華へのガチ恋を開始。その赤裸々な想いを綴ったブログやTwitterが一部のアイドルファンの間で人気を呼ぶ。趣味は読書やサッカー観戦、アイドル鑑賞、ベースを弾くこと。好きな作家は村上春樹、太宰治、中村文則。