替えのパンツを持参して挑んだ初めての野外アイドルフェス【推しメンが結婚しちゃった日記】
元モーニング娘。の石川梨華に10年以上“ガチ恋”を続けているドルヲタのふちりんによる完全ノンフィクション連載。梨華ちゃんに健気に恋をする彼が、2017年3月13日に結婚した彼女への想いを、結婚が近いという報道があった2017年元旦から振り返り繊細に紡ぐ。【ガチ恋……アイドルにガチ(本気)で恋をすること】
8月1日〜4日
替えのパンツを持参して挑んだ初めての野外アイドルフェス
8月1日 水曜日
先日自宅にいるときに放屁しようとしたら、うんこを漏らしてしまいました。僕は「このうんこ漏らしをただの悲しい思い出にしたくない!」と思い、おもしろおかしくTwitterに投稿しました。それで今日やや久しぶりに魔女っ子バーに行ったところ、魔女っ子が嬉しそうな顔で「ふちりん、うんこ漏らしたの?」と尋ね、僕は苦笑いしながら「うん、そうなんだ」と答えました。
8月3日 金曜日
「僕は明日、生まれて初めてTIF(野外アイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL』)に行くのだ」、そう思ったら、緊張で体がぷるぷる震えました。「熱中症で倒れないように気をつけないといけないな……。そういえば昔、ガッタス(梨華ちゃんが所属していたフットサルチーム)を観に行ったときに熱中症で倒れて救急車で運ばれたっけ」と、つらい思い出が蘇ってきました。二日酔いと寝不足が原因のひとつだった可能性が高いです。「明日のTIFにそなえて酒を飲まずにしっかり眠ろう。あと、またうんこ漏らすかもしれないから替えのパンツを持っていこう」と思いました。
8月4日 土曜日
早朝、TIFでうんこを漏らす前に自宅で残尿を漏らしてしまい絶望的な気持ちになりました。僕は股間の湿りを感じて泣きそうになりながら「やはり替えのパンツは必要だな……」と思い、替えのパンツをかばんのなかに押し込みました。
TIFの物販会場に入るときに持ち物検査をされました。係の人に替えのパンツを見られてしまい、とても恥ずかしかったです。「こいつはなんで替えのパンツを持っているんだ?」と思われたに違いありません。なんで替えのパンツを持っているかって? うんこやおしっこを漏らすかもしれないからです。
TIFの物販会場は全面アスファルト敷きで直射日光が照りつけ、日陰がほとんどなかったため、まさに灼熱地獄でした。極度の汗っかきである僕は汗が止まらなくなり、大宮アイドールのみおぽん(柚木未桜ちゃん・18歳)のチェキ券を買っただけで会場から逃げ出しました。
物販会場から逃げ出した僕はフェスティバルステージの近くの木陰に座って汗を落ち着けました。せっかく高いチケットを買ってTIFに来たのに「汗だくでみっともない」という理由だけでチェキを撮らないというのはいかがなものか。そう思い、勇気を出してふたたび灼熱の物販会場に足を向けました。
ふたたび物販会場に入るときにまた持ち物検査を受け、替えのパンツを見られたけれど、2回目なので大丈夫でした。物販会場の温度は、日陰の芝生の上とくらべたら10度くらい高く感じられます。やはり汗が噴き出してきます。僕はできるだけ汗をかかないように、忍び足でゆっくり歩いていきました。
とうとう大宮アイドールの物販ブースにたどり着きました。長い列の最後尾に並びます。アイドルたちが真夏の太陽のもと、キラキラと輝いています。暑さによる発汗に、緊張による発汗がくわわり、滝のように汗が流れます。僕はそれを何気ないようにタオルでふき取りつづけました。そしてついに僕の番がやってきてみおぽんとチェキを撮りました。みおぽんは笑顔で「暑いから気をつけてね!」と言ってくれて、「なんて可愛くて優しいんだ。尊い……」と感動しました。
フェスティバルステージで、知らないアイドルが歌って踊っているのを木陰に立って遠巻きに眺めていたら、誰かが左肩を叩いた感触がありました。振り向いてみると、大きなセミさんが肩にとまっています。ミンミンと鳴き始めました。僕は「うおー!」となり、あわててTシャツの左袖をパタパタしたところ、セミさんは空に飛んでいきました。僕は空を見上げながら「ごめんね。長生きしろよな」とセミさんに語りかけました。
熱中症ではなかったと思うけど、僕は体力がないのでほとんどの時間、人けのない芝生の木陰で体育座りをしていました。せっかくTIFに来たのにまともに観たアイドルは大宮アイドールだけでした。アイドールはいつもどおり最高でした。大きなステージで歌って踊るみおぽんの眩しい笑顔と、白くてスラっとした色っぽい脚が忘れられません。うんこもおしっこも結局は漏らしませんでした。