テンテンコと一緒に駄菓子屋で大豪遊♡ 懐かしのお菓子とともに語るニューEP制作秘話っ
駄菓子を食べながら語るテンテンコ待望のEP『きけんなあなた』制作秘話!!
テンテンコは12月6日に配信EP『きけんなあなた』をリリース。2016年12月にリリースされたミニアルバム『工業製品』ではBOREDOMSのEYEや七尾旅人など豪華アーティストを迎えていましたが、『きけんなあなた』でも京都のエレクトロデュオEMERALD FOURや元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎などコアな音楽ファンが唸るアーティスト陣が参加。今回はそんな同作の制作秘話を、駄菓子屋近くの公園でまったりとおうかがいしましたッ!! 彼女のキュートなグラビアとともにお楽しみください♡
“不倫”をテーマに歌詞を書いてみたら……
——先行配信シングルにもなっていた1曲目の『危険なハイウェイ』は作曲・プロデュースが『Good bye, Good girl.』のプロデューサーでもあるKousuke.T/SungY Parkさんで、作詞がテンテンコさんなのですね。同曲は“不倫”がテーマだそうですが、どうしてこの題材を扱おうと思ったんですか?
そうですね、私は歌詞を書くときに、ただ気持ちや感情を歌うものよりも、その人の一生だったりとかドラマ、物語になっていたり設定があったりするようなものを書くのがすごく好きなんです。今回もそうしようと思い、テーマを何にしようか考えていたときに、“女の人の裏の顔”みたいなものを書きたくていろいろ考えてたら、最近不倫のニュースが嫌でも目に入ってくるというか、やっぱりそういう話題が多かった印象があったので、それならば私も歌詞に書いてみようかなぁと思って、題材にしました。
——なるほど、そういう理由だったんですね。
でも、不倫がいいとか悪いとかはどうでもよくて(笑)、歌詞の題材としておもしろいと思って。本当は“夫がいて、でも不倫をしてる側”で書きたかったんですけど、ずーっと悩んでも書けなかったから、多分自分がまだそういう気持ち……あの、なんか勝手なイメージなんですけど、不倫をしてる人って“大人の女”のイメージがあって。大人の女の気持ちに自分はまだなれてないんだなぁと思ってちょっとショックだったんですけど。なんか、かっこいい歌詞を書きたかったんだけど「無理だー!」ってなっちゃって、それで子ども目線で、危ない恋に落ちていく女の子の歌詞を書いたらものすごく早いペースで書けました、はい。
——2曲目の『SUKUSUKU』、4曲目の『アロエ・ベラ』はEMERALD FOURが作詞・作曲・プロデュースされた楽曲ですね。今回彼らと一緒にやってみていかがでしたか?
EMERALD FOURはオジマサイリちゃんと足立大輔さんのふたりからなる男女のユニットなんですけど、サイリちゃんが歌詞を、足立さんが曲を書いています。サイリちゃんがやっているCASIOトルコ温泉っていうユニットや別のバンドもめちゃくちゃよくて、もともとすごく好きだったんですね。それで足立さんともお話してみたら“歌謡曲を作ってみたい、誰かに曲を提供するっていうのをやってみたい”と言っていたので、今回いい機会だったのでお願いしました。EMERALD FOURはものすごく出来上がった世界みたいなものを持っているので私があまり口出しせず、“ちょっと昔の架空の変なアイドル”みたいなイメージだけを伝えたら、すごくいい曲が送られてきて。私の作品に参加してもらうというよりは、私がEMERALD FOURに参加しているような気持ちでやらせてもらいました。
——3曲目『ROBOT』は榊原郁恵さんのカバーです。テンテンコさんによる堀ちえみさんの『Wa・ショイ!』カバーと同じUKRさんがアレンジを担当されていますね。
はい。2016年に『Wa・ショイ!』をカバーさせてもらってから、テクノ歌謡をカバーしていくっていうシリーズは崩したくないねっていうことになって、今回は私がいっつも絶対カラオケで歌う曲だし(笑)、いい曲だなぁと思っていた『ROBOT』をカバーさせていただきました。アレンジに関してはUKRさんにほとんどお任せしたんですけど、「おしゃれすぎず可愛くて、ちょっとダサい感じもあるやつ」みたいな、1番難しいお願いをした気がします(笑)。そしたら、やはり狙いどおりに素敵にしてくださって。
——カラオケの十八番でもあったんですね(笑)! テンテンコさんの少し無機質で甘いボーカルも楽曲にマッチしていますが、この曲を表現するにあたって歌い方で意識したことはありましたか?
全然、普段カラオケで歌ってるテンションで録ったんですけど(笑)、でも改めて録音するとなるとちょっぴり歌うのが恥ずかしい歌詞だなぁと、一瞬思いましたね(笑)。これを人間っぽく歌うと熱すぎちゃうから、少し無になってロボットっぽく歌いました。
——5曲目『夜間飛行』はPellyColoさんが作曲・プロデュースで作詞はテンテンコさんが担当されていますが、この曲のテーマなどはありますか?
あんまり私ばっかりが歌いすぎない曲がやりたかったっていうのがあって。1980年代のとある歌謡曲ですごくいい曲があって、それを参考にしておしゃれな感じに作ってもらった曲です。昔のアイドルや音楽ファンの方はもしかしたら気付くかもしれないので、元ネタ探しも楽しみにしてください! 歌詞は、曲がすご〜くおしゃれだったので、私の中でおしゃれな乗り物だと思う“飛行機”を題材にしました。ドラマ『古畑任三郎』で安全地帯の玉置浩二さんが犯人の回があって、私それがめちゃくちゃ好きなんですけど(笑)、その舞台も飛行機の中なんです。飛行機って密閉空間で空を飛んでいて、無機質な感じだけど機内はラグジュアリーになっていたり、お金持ちの人は自家用ジェットを持っていたりとか、そういう豪華だったり不思議な感じが好きなんですよね。
憧れの坂本慎太郎との仕事で気付かされたこと
——6曲目『なんとなくあぶない』は元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんが作詞・作曲を担当されています。今回彼が楽曲提供することになったきっかけは?
これまで何度か坂本さんと同じ空間にいたことはあったんですよ。私がDJをしているときに(フロアに)いらっしゃるなぁ、みたいなこととか(笑)、坂本さん主催の新年会に出席させてもらったりとか。その会はスナックみたいな場所で開催されたのですが、そこで坂本さんがすごい昔の歌謡曲を歌ってて、素晴らしいなぁとか感動したり。でも、ご挨拶程度しかさせていただいたことがなかったんです。それで今回EPを制作するにあたって、私、ゆらゆら帝国も坂本さんのソロの作品も好きですし高校生くらいの頃から憧れの存在だったので、お仕事でご一緒できたらいいなぁという気持ちがありまして。「無理だろうな〜、絶対断られる〜」とは思いながらも、断られる前提でホームページからメールを送りオファーをしたら、思ったよりもすぐ返事が来て承諾してくださり。
——おぉ……! そこからはどのようなやりとりを?
本当に1ヶ月間、もう毎日のようにずーっと曲についてメールをし合っているような状況でしたね。『なんとなくあぶない』はもともと坂本さんがストックしていた曲なんですよ。私が「ゆらゆら帝国の楽曲で坂本さんが歌っている曲ももちろん好きなんですけど、『恋がしたい』とか『ボタンが一つ』とか女性や子どもが歌っている曲もすごく好きなんです」っていう話をしたら、「ちょうど女性に歌ってもらおうと思ってたけど使わなかった曲があるよ」って言われて。それを聴かせてもらったらすごくよくて。そこからはアレンジを好きにしていいよと言われたので、坂本さんのエッセンスも残しつつ私のエッセンスも入れたかったので、その擦り合わせを何回も確認しました。最終的にふたりで共通していたのは“音をなるべく少なくしてスカスカにしよう”っていう案で、それを間に入ってくれたアレンジャーさんが的確にやってくれて、すごくいいアレンジになりました。坂本さんのギターもものすごく浮遊感があって、全体的にちょっと気持ちの悪いような感じも出ていますね。
——テンテンコさんのボーカル録りの際には、坂本さんがディレクションをされたんですか?
ボーカル録りのときも坂本さんは来てくれました。録り終えたとき、私は自分を抑えた歌い方で、若干ウィスパーボイスっぽい感じの声を重ねた録音がいいかなぁと思っていたら、坂本さんは、私がただ1本で録って音程も何もいじってないそのままの、生々しい録音のものをいいって言ってくれて。結局その録音を収録したんですけど、改めてできあがったものを聴いてビックリしました。自分がちょっと気持ち悪い感じ?がして。
——テンテンコさん的には意外な感覚だったんですね。
私はいつもレコーディングのとき、Aメロを録って、Bメロを録って、って区切りながら歌って録音するんですけど、『なんとなくあぶない』は本当に丸々1曲を歌い続けて録音したものなんですよ。それって私の中でこれまでで1度もないんです。これまで、全部切って録っていいところをあり合わせしてたので自分の中では恥ずかしさもありつつ、「このやり方もいいかも!」と新しい方法を発見できたなって思いました。あと、坂本さんが「(ボーカルを)あんまり綺麗に整えすぎないほうがいいよ」っていうアドバイスもくれたので、そういう、機械でいじりすぎないとか、当たり前のことなのかもしれないけど忘れてたことを気付かさせてくれたというか。勉強になりましたし、自分の幅も広がりましたね。
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