ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』第25回:足立区モンスターハンター(5)
足立区で生まれ育ったあらぽん(ANZEN漫才)が足立区のリアルをつづっていく新連載!
漢字中との抗争
A中とつるむようになったのはA中crewの半分がサッカー部だったということもだいぶ大きかった。他の中学の猛者、サッカー部の猛者たちの情報を常に情報交換しながら仲よくなっていった。情報交換で毎回出てくるのはA中が潰したいと言っていた漢字の中学校(以下、漢字中)だ。A中が漢字中を嫌う理由がわからなかったのでまとめくんになぜ潰したいのか聞いてみた。
あら「漢字中となにがあったの?」
まとめくん「サッカーの試合で9番が挑発してきたんだよね」
あら「あの小さいやつか、確かにあいつ生意気だね」
まとめくん「あともうひとりガタイいいやついて、そのふたりがむかつく」
漢字中は自分の部活(サッカー部)でも戦ったことのある中学で、確かに試合前や試合中に挑発的な言動は多々あった。
あら「なるほどね。それで潰したいんだ」
まとめくん「3年の部活が全部終わったらいこうか」
あら「OK」
今思うとサッカーで決着をつけるのが筋だなとは思うが、そこはキラキラ時代ならではかもしれない。そしてまた別の日、まとめくんから電話がきた。
まとめくん「漢字2中の竹原って知ってる?」
あら「知ってるよ。たまに遊ぶ。なんで?」
まとめくん「ロン毛が話したいって言ってるんだよね」
あら「もめ事?」
まとめくん「微妙なラインだね」
あら「電話番号教えていいか聞いてみるわ」
なにがあったかわからなかったが竹原の番号を教えた。しばらくすると、今度はロン毛から電話がかかってきた。
ロン毛「竹原って強いの? あいつまじムカつくんだけど」
あら「どうしたどうした?」
電話越しのロン毛は完全に頭に血がのぼっていた。
ロン毛「あいつ強い?」
あら「強いと思う。一応漢字2中の頭だね」
ロン毛「知り合いなの?」
あら「知り合いというか保育園時代の幼友達の友達でたまに遊ぶんだよね」
ロン毛「やっていい?」
あら「1回、あっちの感じみてもいい? また折り返すよ」
そして保育園からの幼友達に電話してみた。
幼友達「まじ勘弁してよ。意味わかんないよ」
あら「ごめん、どうした?」
幼友達「おれもよくわかんないけど女関係のこと聞いてきて知らないから知らないって言ったらキレだしたよ」
あら「なるほど、態度が嫌だったってことか」
幼友達「別に最初は普通だったけどね」
あら「会わせろって言ってんだけどどうする?」
幼友達「来てもいいけど、もめ事は勘弁してほんとめんどくさい」
あら「じゃ話し合いにしよう。おれもいくから!」
幼友達「わかった。頼むね」
そしてロン毛と竹原と和解の話し合いをすることになった。が、しかし、なぜか当時の僕のまわりの中学(本連載中に出てくるアルファベット系中学)のなかで喧嘩が1、2位なんじゃないかと言われていた本郷が話し合いに参加することになった。めんどくさくなる率2000%だったがなんとか何事もなく納めようと思い、もしものときに止める要因で吉井も呼んで待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所は漢字2中のテリトリー内だった。なんとなくの地理しかなく、言われた場所になかなかたどり着けずみんながイラついていく。そしてここで事件が。ようやくたどり着いた場所に竹原と幼友達がいない。すぐに電話をかけてみた。
あら「あれ? どこいる?」
幼友達「ごめん、遅いからゲーセン来ちゃった。駄菓子屋のとこのわかる?」
あら「だいぶ戻るね。わかった。今行くわ。まじでいてね」
この件でロン毛のイラつきはピークを迎え、もめ事数は10000%を越えた。さらにそこに本郷がロン毛をあおりまくる。
本郷「ロン毛なめられてるけどいいの?」
ロン毛「だいぶね」
本郷「それでいいの? A中の頭が」
ロン毛「煽ってくんなよ」
本郷「丸くなりましたねA中さん」
ロン毛「まじうぜーわ」
まとめくん「一旦落ち着こう。次いなかったらそれで決めよう」
ロン毛を落ち着かせながら目的地に到着すると、ハンドルが絞られて赤と白のビニールテープが巻かれた自転車がとまっていた。
あら「大丈夫いる。1回、話してくるから待ってて」
まとめくん「わかった」
竹原「おう! 久しぶり」
あら「ごめん、めんどくさくなって」
竹原「あいつなんなの?」
あら「喧嘩はまじでなしで頼む。こっちもなしでって言ってるから」
竹原「ゲーム終わってからでいい?」
あら「いいよ。とりあえず話してくるわ」
ゲームが終わるまで竹原を待つことになりしばらくして竹原と幼友達が店から出てきた。(次回へ続く)