圧倒的名盤だが気になるのはジャケット右下……〜ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー『チープ・スリル』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/10/16 12:00]
アメコミ風のポップなジャケットは漫画家のロバート・クラムの手によるもの。各曲のイメージをコマ割りにしてそれぞれ表現しており、本当に漫画を読んでいるように隅々まで見て楽しめるおもしろいジャケットである。ちなみに日本盤のライナーノーツの表紙ではわざわざジャケットの登場人物のセリフなど、細かなところに至るまで日本語に訳してくれている(CDのサイズだと見づらいが、「イイゾー!」とか「やりきれないなあ」とか書いてある)。
それにしてもひとつ気になるのはジャケット右下に描かれているヘルズ・エンジェルスのマーク。ヘルズ・エンジェルスとはアメリカのヤベー暴走族チームのことで、多くの犯罪行為を行っているヤベー連中である。あまり詳しく彼らのことを知っているわけではないが、ロックの歴史上有名な大事件である『オルタモントの悲劇』(ローリング・ストーンズ主催のライブにおいて観客のひとりがヘルズ・エンジェルスのメンバーに殺害された事件)の印象が強いために、なぜこのアルバムのジャケットに彼らのマークが描かれているのか、少々不気味なところではある。
まあともかくジャニスのボーカリストとしてのずば抜けた才能は男性ボーカリストを含めたうえでも突出したものがあるのは間違いない。彼女の数少ない音源のなかでもまずはこの『チープ・スリル』から聴いてみることをお勧めする。
それかゆにばーすのネタでもよし。