オシャレを狙って失敗しているパターン〜ディープ・パープル『紫の炎』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
あまりにも有名すぎるタイトル曲を冠する彼らの名作。メンバー的には第3期に当たる。名ボーカリストであったイアン・ギランとベーシストのロジャー・グローヴァーが脱退したことでファンを不安にさせながらも、当時まだ無名ながらソウルフルで渋味のある声の持ち主であるデイヴィッド・カヴァデールと、ファンキーなハイトーンボイスを持つボーカル兼ベーシストのグレン・ヒューズを加入させ、異なる個性を持つ彼らによるツインボーカルをパープルらしさの中で上手く昇華させることに成功し、結果パープル史上屈指の大ヒット作となった。タイトル曲は世界一有名なリフを持つ彼らの代表曲『スモーク・オン・ザ・ウォーター』に次ぐ有名なリフで、今でもテレビなどでよく使用されているため聴いたことがある人も多いと思う。スピード感といいドラムの超絶テクニックといい様式美的構成といい、現代のメタル好きの間でも人気の高い曲である。
パープルの傑作のひとつとして語り継がれるこの『紫の炎』だが、ジャケットに関してはやはりヒドい。それもおそらくあえてのやつではなく、多分オシャレを狙って失敗しているパターンだと思う。タイトルにちなんでメンバーの顔の形をしたろうそくに火が灯されているというわかりやすいジャケットだが、単純に間抜けだ。顔だけを並べた感じがそもそもダサいし、その上頭のてっぺんに火がついているというのがちょっとギャグにすら見えてしまう。まあパープルはこれ以外にも顔陳列系の珍妙なジャケットが多く、それもやはりオシャレを狙った結果そうなってしまっていると思えるものばかりなので、イングヴェイ同様今後このコーナーではお世話になるバンドかもしれない。何にせよ音楽性のかっこよさに対してジャケットのチープさが非常に残念な名盤である。
それにしてもイングヴェイといいリッチー・ブラックモアといいクラシックから影響を受けた頑固なストラト使いはなぜこうもデザイン的なセンスがないのか。まあパープルのジャケットデザインをリッチーが考えてるかどうかは知らないが。でもレインボーも変なの多いし……。
とりあえず絶対読んでないだろうけどパープルのみなさん今後もよろしくお願いします。