日本のロックを語る上で避けては通れない金字塔的名盤〜カルメン・マキ&OZ『カルメン・マキ&OZ』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

連載・コラム

[2019/11/20 12:00]

音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。


第68回:日本のロックを語る上で避けては通れない金字塔的名盤


今回ご紹介するのはこちら。

カルメン・マキ&OZ『カルメン・マキ&OZ』(1975年)

カルメン・マキという名前は子どもの頃から知ってはいた。ただそれは単にその特徴的な響きの名前が覚えやすかっただけで、顔がぱっと浮かぶわけではなく、なんとなく僕にとってはベテラン芸能人のひとりという勝手な印象しかなかった。自分を飾り立てせず正直な意見をズバズバ言うタイプの、今でいうアンミカ的な立ち位置の人かとちゃんと見たこともないのになぜか思っていて、そもそも歌手であるということも知らなかったのである。

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彼女に興味を持つきっかけはやはりロックを好きになってから。それもかなり大人になってからのことである。僕は好きなアーティストのルーツを辿るのが趣味なのだが、そうして辿っていくと当然1960~1970年代洋楽ロックにぶち当たる。ロック黄金期とも言われるこの時代に生み出された多くの偉大な洋楽アーティストたちの名盤をある程度漁ると、今度は国内に興味が向く。この時代の日本のロックシーンはどんな感じだったのだろう? 多くの文献によると、当時の日本のロックを語る上で決して避けては通れない金字塔的名盤があるとのこと。そうして出会ったのがこのカルメン・マキ&OZである。子どもの頃から名前だけはよく知っていたカルメン・マキは芸能人というよりミュージシャンだったのか(そもそもなぜアンミカ的な立ち位置だと僕は思っていたのか……)。(次ページへ)