オシャレを狙って失敗しているパターン〜ディープ・パープル『紫の炎』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

連載・コラム

[2019/11/27 12:00]

音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。


番外編(第69回):オシャレを狙って失敗しているパターン


今回ご紹介するのはこちら。

ディープ・パープル『紫の炎』(1974年)

やってきました番外編。この連載を始めてすでに1年以上、毎月最後の週はヒドいジャケットを紹介して好き勝手書いてきたが、ここまでやってきて気づいたのは、実はいいジャケットを見つけるより意外とヒドいジャケットを探すほうが難しいということ。メタル系などでダサめのジャケットはわりとゴロゴロ存在するのでネタは尽きないかなーなどと思っていたのだが、メタル系でぱっと見ダサいジャケットに見えるものも、実は本人たちからすればあえてそうしているものも少なくないのだ。そのダサさも含めてメタルの様式美的なところもあるので、狙った上でわざとダサいデザインにしているのに、そのダサさをいちいち指摘するのはあまりに無粋なことだ。つまり僕がこの番外編で取り上げなければいけないのは、おそらく本人はオシャレだったりかっこいいつもりでそうしているのに結果的にダサくなってしまっているもの。つまり何が言いたいのかと言うとイングヴェイさんには非常に感謝しています。

<耳マンのそのほかの記事>

さて実はそんなストイックな目線でやっているのだということをアピールしこの悪口コーナーを正当化することに見事成功したのはいいとして、今回取り上げるのはディープ・パープルである。(次ページへ)