サザン・ロックの三種の神器がまったく見当たらない〜リトル・フィート『ディキシー・チキン』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2020/1/29 12:00]
手がけたのは彼らのアルバムの多くのジャケットデザインを担当しているイラストレーターのネオン・パーク。彼の描く絵とバンドの音楽性がどうにも合っていないのである。説明した通りリトル・フィートはアメリカ南部の自然の香りを感じるサザン・ロックバンドである。しかし同作のジャケットデザインからサザン・ロックの音は想像できない。むしろ1980年代のディスコ・ポップといった雰囲気である。
個人的にはサザン・ロックのようなはっきりとした個性のある音楽はジャケットもその音楽性と調和したデザインであってほしいという考えがあるので、これに関してはどうも受け入れづらいところがあるのだ。ほかのアルバムに関してはいいものもあるのだが……。
とりあえずウイスキーの瓶、カウボーイハット、ヒゲオヤジ。これがサザン・ロック三種の神器なのでこの3つを載せておけば無難である。ケバいおばさん、長すぎるアコーディオン、ふかふかそうなクッションではない。